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【漫画版】アルスラーン戦記 最新 122話 ネタバレ&感想 囚われのギスカール

2023年9月8日発売の

別冊少年マガジン 10月号に連載されている

アルスラーン戦記 122話

ネタバレ&感想になります。

 

第122章 ルシタニアの落日

内容ネタバレ

 

煙に包まれ混乱する

ルシタニアの兵士達。

 

煙の向こうで何が起きているかもわからず

騒然となる中、ある急報が届く。

ギスカール公が捕まったらしい!と。

 

その報せを聞き戸惑いを隠せない中

さらにボダンではなくパルス軍に

捕まったとの情報から

煙の奥に一体どれほどの数の

パルス軍がいるのだ・・・と蒼白していた。

 

そうした中、軍の中で上位の者が

断腸の思いで指示する。

 

・・・退こう。

ギスカール公が捕まり

敵の数もわからぬとなれば

立て直しようもない。

退こう、西へと。

その動きはすぐさまアルスラーン陣営にも届き

アルスラーンは逃げる者は追うなと指示する。

 

勝敗は決した。

これ以上の殺戮は無益だと。

 

他の者も自分達の状況を理解しているようで

反対することなく指示を受け入れていた。

 

そうした中、アルスラーンは

佇むエステルに気づき声をかける。

 

どうやらエステルは

何もできなかった自分を責めていた。

 

パルス陣営内にいて

私と同じルシタニア人達と

世話になっているパルス人たちが

殺し合っているのに

何もできなかったと。

 

エステルは語る。

母国にいたころは

私にとって世界は単純だったと。

 

正しいイアルダボート教徒と

邪悪な異教徒・・・。

 

ただ それだけ

区別していればよかったのにと。

戦いが終わり囚われたギスカールは

アルスラーンの前に連れてこられていた。

 

敗軍の将であるギスカールは

顔を上げることなく項垂れていたが

そんな彼に水をどうぞと声をかけるものが。

 

一瞬躊躇したもののこの期に及んで

毒殺ということもあるまいと

水を受け取り顔を上げるが

そこにはエステルの姿があった。

 

あの時の騎士見習いかと

顔をしかめるギスカールに対し

エステルは尋ねる。

 

国王陛下はいずこにおわしますか。

まだ王都に残っておいででしょうか?と。

 

呆気にとられたギスカールだが

受け取った水をひと息に飲み

知ったことではない!と

ルシタニア語で叫ぶ。

 

どうやらギスカールは

自分が弟であるということに

かなり不満を持っていたらしく

抱えていた思いをぶちまける。

 

武将としても統治者としても

俺の方が格段に優れていたのに!

 

俺はただ奴より後に

生まれたというだけで!

弟というだけで!

奴の下風に立たねばならなかったのだ!

 

・・・もうたくさんだ。

奴は自分で自分の面倒を見ればよい!

何度でも言ってやるぞ!

俺の知ったことか!と。

 

そして息を整えながら

嫌な目付きでエステルに対し問いかける。

 

ルシタニア人でありながら

パルス人共の陣中にあるではないか。

なぜそういう事になった?と。

 

その問いにエステルは

一瞬哀し気な表情を見せるも

毅然とした態度で返す。

 

邪悪な異教徒であったはずの

パルス人が公正な態度を

取ってくれたからでございます。

 

国王陛下がご無事であれば

両国の間に対等の条約が結ばれましょう。

 

だからこそ陛下のご安否を

うかがっているのですと。

 

それを聞いたギスカールは

思いもよらなかった

兄王に政治的な価値があること

そして恐ろしい事実に気づく。

 

もし兄王がまだ生きていてパルス人たちと

条約を結ぶようなことになったら・・・

俺の立場はどうなる!?と。

その事に気づいたギスカールは

完全に折れてしまったらしく

・・・俺をどうするのだと尋ねる。

殺す・・・のか?と。

 

ギスカールが内心

アルスラーンは甘いと聞いているし

命乞いでもしてみるかと考えていると

アルスラーンは告げる。

 

あなたを殺しはしない。

放してさしあげるので国に戻るといいと。

 

思ってもいなかった言葉に

呆気にとられながらも

俺を生かしておいて何の得があるのだ!?

ギスカールは訝しむが

それに答えたのはナルサスだった。

 

ナルサスは語る。

先に申したように貴殿は賢い。

ゆえに読みやすいと。

 

こちらがルシタニア国王の

身柄をおさえておけばどうとでもできる。

 

ルシタニアの王と王弟両方を殺し

わけのわからぬ者が新王になるよりも

わかりやすい貴殿に

生きていてもらった方がありがたいと。

 

あまりの事に絶句しつつも

俺が聖堂騎士団と手を組み

再び全軍でパルスに攻め込んだら

どうするつもりだ?と強がるが

アルスラーンは告げる。

 

その時はあらためて

勝敗を決することにいたしましょう。

こちらも全力でお相手いたしますと。

 

ギスカールはアルスラーンの目を見て

それが本気で言っているのだと理解する。

 

そして道中のご無事を祈っておりますと

頭を下げたアルスラーンが

本気で俺の無事を祈っていることを。

 

一年間に満たず

我らのパルス征服は終わったのだと。

第二次アトロパテネ会戦において

王太子アルスラーン率いるパルス軍は

兵三万を動員し、戦死者は二千であった。

 

対する王弟ギスカール率いるルシタニア軍は

兵十万を動員し、二万五千が戦死。

 

十万もの兵を擁しながら

実戦に参加したの六割ほど——。

 

ルシタニア軍は総力をあげて

戦う機会がないままに

少数であるパルス軍の策にかきまわされ

しかも最後まで相手が

少数であることに気づかなかった。

 

それはもちろんパルス軍の策が優れていたこと

さらにボダン率いる聖堂騎士団が

戦場を混乱させたどさくさによるところもあるが

逆に言うとルシタニア軍にはまだ余力があった。

 

後方にひかえていた二万などは

ほとんど戦いもせず敗勢に巻きこまれて

逃げ出してしまったのである。

 

彼らが本気で戦っていれば・・・

あるいはギスカールとボダンが共闘していれば

パルス軍を包囲し壊滅させることが

できていたはずだった。

 

そしてパルス軍の方はというと

三万の兵がひとり残らず実戦に参加した。

 

全員が激戦を重ね

広大な戦場を走りまわったのである。

 

勝鬨をあげた後

アトロパテネの主戦場から

一ファルサンタ(約5キロメートル)ほど南

ミルバラン河付近にて

パルス軍は休みをとっていた。

 

これでようやく戦いが終わったのだと

将を含め兵達も皆疲労困憊で

もう動けんとばかりに崩れ落ちていた。

 

もし今ルシタニア軍が引き返して来たら

皆殺しになるのは必定であり

余裕を見せていたナルサスも

本当に全軍全力ギリギリの戦だったと

疲れた笑みを浮かべていた。

 

食事に治療と騒がしい中

アルスラーンは我が軍の

皆の苦労もむくわれないといけないな!と

改めて皆に告げる。

 

ルシタニアから取り戻した

宝石や金貨がある。

明日 皆に分け与えよう。

 

将だけでなく全ての兵にもだ。

もれなく与えようぞと。

 

その言葉を聞いた兵達は

アルスラーンの労いに沸き

快哉の声をあげるのだった。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックスでどうぞ!

感想

 

想定外のボダン率いる聖堂騎士団の

横やりがありましたが

終わってみれば完勝と言って良いかと。

 

アルスラーン軍三万に対し

ルシタニア軍は十万ですから

客観的に見ても大したものだと思います。

 

作中にあったように

ボダンがギスカールと共闘したら

もしくは全ての兵を戦わせていたら

どうなるか分かりませんでしたが

そうならなかったわけですしね。

 

そして敗軍の将として囚われの身になった

ギスカールですがエステルの言葉と

理解出来ないアルスラーンの器に

心まで折れたと見て良さそうです。

 

逃がしてもらったのは

ナルサスが説明したように

あえてそうしたようですが

例え戻って権勢を得ても

二度とアルスラーンとは

戦おうとはしないでしょうね。

 

なんにしても今回で

アルスラーンとギスカールというか

ルシタニア軍との戦いは終わったので

アンドラゴラスとヒルメスの戦いが

どうなるのか気になるところ。

 

ギスカールが宝物を持って出て行った事で

ヒルメス側が圧倒的に不利だとは思いますが

魔道士の存在も見え隠れするので

正直どうなるのか読めない。

 

それにアンドラゴラスとヒンメル

実力的にヒンメルの方が上っぽいですし。

 

ともあれ因縁が深い相手ですので

かなり面白い戦いになることを

期待したいところです。

 

ちなみに気になる次回ですが

作者の荒川先生が検査入院のため

次号休載とのこと。

 

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