2026年2月4日発売の
週刊少年サンデー 10号に掲載されている
界変の魔法使い 第35話の
ネタバレ&感想になります。
其の三十五 魔法使いと旅の目的地
内容ネタバレ
一番古い記憶は岩山だ。
生まれたのもそこだと思う。
剣のような尖った峰が乱立した山塊で
妖魔や妖獣はいたが
それらは恐がって私に近づいてはこなかった。
ずっと独りだった。
それがいつからか術者に挑まれるようになった。
どいつもこいつも弱いのですぐ蹴散らした。
だんだん・・・討伐が目的ではないと分かってきたが
あんな弱い生き物の使い魔になる訳もなかった。
時々、長く話す奴もいた。
男は世界のあちこちを旅して回っていると
見たこと聞いたことを面白おかしく話した。
少し、外が見てみたくなった。
男に誘われて、時折山を下りるようになった。
川は湖は美しく、森はいい香りがした。
町に入る時、人の女に化けてみせると
男がやけに喜んだ。
町は面白かった。小さな生き物が集まって
暮らしている様子が楽しく飽きなかった。
一緒に旅に出ないかと男に何度も言われた。
住処を離れられないと断った。
「お前と旅ができるなら死んでもいい」
死んだら旅などできないだろう
と言ったら男は笑った。
ある時、待ち合わせた場所に行くと――
男は血を流して死んでいた。
とたんに結界に閉じ込められ
数人の術者に囲まれた。
なんだか腹が立って、辺り丸ごと切り裂いた。
人はすぐ死ぬな、と思った。
岩山に戻ったが、ひどくつまらなかった。
人に化けて町に行くようになった。
力を抑えて弱いふりをすると
うまくなじめる気がした。
相変わらず術者には狙われたが
術者でもない男たちにも
からまれるようになった。
適当に切り裂いたりなどしていたら
居づらくなり、違う町に移った。
町を変える度に次第に住処から離れ――
そのうち帰れなくなった。
どの町に行っても何をやっても
結局・・・全て切り裂いて
終わらせるようなことになるんだ。
人の女の姿をしているのがよくないのか
と思って、男の姿にしたらそれはそれで
何か変なのにからまれるようになるし・・・
同じ妖魔ともうまくいかない。
弱い奴らばかりだから
仕方ないのかもしれないが・・・
情報を売られたり
術者をさし向けられたりした。
仲間と思われてないのだろう。
誰とも・・・全然うまくやれない・・・
もう・・・行く所もない・・・
死に方も分からないから・・
遠くへ遠くへと思って
ここに来ただけなんだ。邪魔なら出ていく。
そう言ったロキに対し世無は言った。
お前に必要なのは休養だよ。
疲れてしまったんだ。
獲物にされすぎてと。
ロキは獲物?この私が?と驚くが
世無は言葉を続ける。
狙われるってのはそういうことさ。
どんなにお前に力があってもねと。
そしてじっとこちらを見て言った。
お前少し神獣混じってるからな・・・
元神獣ならそこいらの妖魔は近づき難いだろう。
畏怖する者もいれば、欲しがる者もいる。
もたざる者にとって力とはそういうもの――
お前が人の世界に惹かれたのもそうだろう?
オレもかつては向こうの住人だったが・・・
逸脱してしまった今となっては
あの弱くて小さい生き物たちの世界が
眩しくて仕方ないよ。
・・・皆ないものねだりということさ。
うまくいかないものだなと。
ロキは世無の話を聞き
目の前の男が一体何者なのか
思い当たることがあったのか訊ねた。
ヒトのにおいがしないと思っていた。
七色の魔法使いというのはお前か?と。
そんなロキの言葉を肯定するかのように
世無は笑みを浮かべ改めて名乗る。
そしてお前は?と反対に名を聞かれて
ロキだと名乗ると世無は言った。
オレの城に来るか?ロキと。
オレの城なら無遠慮に
誰か入ってくることもないし
城の住人は大体修行中だから
大して構ってもこない。
あとは・・・そうだな。
大体いつもオレがいるから――
そんなに独りで泣くこともないよ――
それから何やかんやあって――
かなり渋られた所を・・・
私が安心したいからという理由で・・・
頼み込んで契約してもらったので・・・
主の・・・器の大きさに寄りかかりきりで・・・
決してうまくやってるとかいう次元では・・・
ロキの話を聞いた子鵬は
目を見開いて愕然としていた。
うそ・・・・・・世無の存在
メチャクチャ大きいじゃねえか・・・と。
そしてロキは改めて子鵬に告げる。
お前のことは・・・苦手な所もあるけれど
嫌いではないよ。でも私では無理だと。
その言葉を受け子鵬は
湖に落ちた仮面を再びつけながら口を開く。
・・・あんた結構泣くもんな。
俺が最初に見た時も、あんた泣いてたよ。
高楼の上で泣いてるあんたを見て・・・
どうしようもない気持ちになって
ここまで来ちまった。
一旦退く。追いかけ回してごめん。
――俺は、あんたのこと獲物だなんて
思ったことないよ。
そう言い残し子鵬はロキの前から
姿を消すのだった。
一方その頃、世無達は粗方の用事が済んだのか
店を後にしようとしていた。
完成したら直接城へ届けてもらうように
配送用の玉と府を渡すと
王子に声をかける。
小僧、土産を出せ。
杖と一緒に送ってもらおうと。
その言葉に従い王子は買った土産を取り出すと
杖に使う浮遊石に君とは一時お別れだと言い
世無と共に店を後にしていた。
そして世無は店の前で岩に座っている
ロキが一人であることから
子鵬は?と声をかけるが・・・
その頃、ロキから離れた子鵬は一人決意する。
俺は・・・思ってた以上にまだまだだった――
もっと・・・ロキを安心させられる
男にならねば!と。
そして徐に懐から”共鳴”の玉を取り出し
じっと目を向ける。
世無を凌ぐにはやはり同魂契約しかない・・・と。
その上で子鵬はだが――と
手に持った玉を投げ捨てる。
こんなものに頼って契約した所で――
あんたが泣かないでも住むようにできなきゃ
何の意味もない・・・と。
そう思いながらもロキが元神獣だった
ということを知った子鵬は
更に修行しようと決意するのだった。
王子を背に乗せたロキと共に
次の目的地へと飛びながら
世無はロキから話を聞いていた。
ロキはあれだけ言えばもう現れないでしょう!
と断言するも世無は
絶対また現れると思うなぁ・・・と思っていた。
このまま蒼へ向かいますか?と聞かれ
世無はこれからについて話す。
今日頑張って飛んで・・・
蒼国に入れるか入れないかってところだな。
そこから帝都まで急いで三日――・・・
それを聞いた王子は驚いたようで
結構かかりますね!と声を上げ
世無はそんな王子に笑みを浮かべながら語る。
蒼は広いからな、途中に名所が
幾つもある、ゆっくり行こう。
目的地の帝都・青陽は半島の先にある。
楽しみにしておけよ。
海ははじめてだろう?小僧。
そう世無から言われた王子は
はじめて海をこの目で見れるのだと知り
目を輝かせるのだった。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
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感想
今回は前回の予告通り
ロキの過去が明らかになったわけですが
色々とやりきれないものがありましたね。
ロキが神獣の血を引いているために
人はおろか妖魔とも
仲間にはなれないのは寂しかっただろうなと。
独りというのは楽ではありますが
孤独というのは精神的にくるのは
間違いないと思いますし。
ただまあ、一番最初にロキを山から
下ろしてくれた男がいてくれたからこそ
今ロキが世無のもとにいれるのだとすれば
それだけは良かったのかも。
なんにしても色々あったからこそ
世無と契約したことはわかりましたが
世無の器の大きさは大したものだなと。
契約するにあたって
めちゃくちゃ渋っていたというのは
世無らしいなとも思いましたが。
それはそれとして子鵬ですが
今回契約には至らなかったものの
あそこで一時的にせよ身を引いたのは
かなり良かったのではないかと。
あの場で何を言おうが
良い方向には繋がらなかったと思いますし
何より共鳴の玉を捨てたのは
これからを考えてもよかったと思います。
あれがあるとこれから先
子鵬の意志が弱くなったときに
使ってしまう可能性もあると思いますし
そうなったら誰も得しないでしょうしね。
なんにしても世無が思うように
あれで諦めるとは思えないので
何らかのタイミングで
また登場するのではないかなと。
そして王子の次の目的地である
蒼国・青陽へというところで終わったわけですが
話を聞くに海に近いみたいですね。
これまでの旅でもそうですが
全てが新鮮な王子が実際に海を見た時
どんな風になるのか楽しみです。
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