2021年4月5日発売の
コミックガーデン 2021年5月号で
連載されている魔法使いの嫁 76話の
ネタバレ&感想になります。
第76篇 Needs must when the devil drives.Ⅱ
内容ネタバレ
アレクサンドラは運び込まれた
生徒達を見ておかしいと感じていた。
流行り風邪だからって急に
しかも症状は決まって同じ・・・。
もしかして・・・と
アレクサンドラが何かに気づいた頃
ヴェロニカはチセに
幼い頃の話を語り始める。
最初にフィロメラを見た
9歳の誕生日の日のことを・・・。
9歳の誕生日の日
ヴェロニカの前で
毒見役の少女が口から
血を流していた。
周りの大人達は毒なのか
それとも呪詛なのかと騒然とする中
ヴェロニカは大人に手を引かれつつも
顔色一つ変えずにいた。
あの毒見役、初めて見る顔だったけど
初仕事であたってしまうなんて
かわいそうねと内心思っていた。
そして誰かしら兄さま姉さまの
うちの一人?などと考えながらも
誕生日に毒を盛ってくるなんて
私とっても意識されているのねと
口元には笑みが。
その後ヴェロニカはリズベズから
3人の男の子の紹介を受けることに。
先日の事件があったからか
当主である父から付き人候補として
いずれも毒に耐性がある者達だった。
ヴェロニカはいつも話がいきなりだと
父に対してため息をつくが
ふと近くの木のそばで座る
少女の姿に気づく。
その少女は先日の事件で
毒を口にしてしまった少女で
フィロメラと呼ばれていた。
リズベズはあれはお側に置くには
まだ未熟だと語るが
ヴェロニカはあの子がいいと告げる。
あなた達に不満はないが
女の子のほうがなにかと
お話できると。
リズベズはなおも言い募ろうとするが
ヴェロニカからこれはお願いではない
そう言われその行動を
それ以上止める事はなかった。
フィロメラのところへ足を運んだ
ヴェロニカは彼女の頬が
赤くなっている事に気付く。
フィロメラはヴェロニカが
ここに来たことに驚きながらも
食べる前に毒に気づくことが
出来なかったので・・・と訳を話す。
そしてもうしわけありませんと
頭を下げる彼女を見て
ヴェロニカはぼそっと呟く。
あなたも檻の中なのねと。
何のことを言っているのかわからず
聞き返すフィロメラにヴェロニカは
私も”まだ”そこから出られないと
笑みを浮かべていた。
その上でだけど出られない檻なら
ちょっとはましは檻がいいでしょ?
だからあなたを選ぶと。
私の付き人になってちょうだいと
ヴェロニカに言われたフィロメラは
なぜ出来損ないの私が・・・?
と狼狽していた。
しかしそんな彼女の思いに対し
ヴェロニカは告げる。
これはお願いではなく
命令なのだと。
そう言われ自分には拒否権すら
ないことを思い出したフィロメラは
俯きながらも付き人に
なることを承諾する。
主となったヴェロニカは早速
フィロメラに対し行動を起こす。
その髪ちょっと邪魔でしょう?
まとめてあげると。
あなたってお人形さん
みたいなんだもの!少し遊ばせて?
そう言われたフィロメラは
断ることも出来ず
されるがまま受け入れていた。
その最中ヴェロニカとフィロメラは
様々なことを話していた。
家族の事、リッケンバッカー家の事
そしてフィロメラの家族の事を。
そうこうしている間に
フィロメラの髪はまとめ終わり
ヴェロニカはまとめるには
ちょっと短かったかしら?と言いつつも
満足げな表情を浮かべていた。
そして同じぐらいの歳の子なんて
見てこなかったから楽しいわと
フィロメラの手を引き・・・。
そんな幼い頃の話を語り終えた
ヴェロニカから出て来た言葉は
ひどい話でしょう?
あの子以外は悪人しか出てこないという
かなり辛辣なものだった。
我が家の恥をさらしたようで
はずかしいわと話すヴェロニカだが
チセはその言葉に
嘘の匂いは感じ取れなかった。
言っていることは
全部本当の事・・・?
内心そう考えていたチセに
ヴェロニカは問いかける。
それでこれを聞いて
あなたは何をしたいの?
フィロメラの主人である
私の代わりにあの子に
何をしてあげたいのかと。
チセはフィロメラが
望んでることがあればと返すも
ヴェロニカはそうじゃないと告げる。
あなたと関わりのない
狭い狭い世界の出来事なのに
どうしてあなたはあの子と
関わろうとするのかしら?と。
人慣れしてないかわいい子に宿題ね
そう言って先を急ぐヴェロニカ。
結局私の質問には
答えてくれないんだな・・・
そう思いながらチセは
ヴェロニカの後を追いかけるのだった。
一方リアンと組んだヴァイオレットは
5つ目の呼び声に応えると
成り代わられる鏡の地点まで来ていた。
しかしリアンは何故か
不貞腐れているようで
ヴァイオレットは呆れたように
声をかける。
どうやらアイザックとフィロメラに
声をかけようとした際に
ヴァイオレットに止められたことを
不満に思っているらしく
リアンはその事について考えていた。
しかしヴァイオレットは
好意で止めたようで
フィロメラにあんなことをしておいて
馬鹿正直に話しかけようとした
リアンに呆れていた。
そういう考えが浅いところ
本当に跡継ぎっぽくない。
リアンとジャスミンを一緒に
仕事とかさせたくないなと。
そんな事を言われたリアンは
すぐさま反論しようとするが
ヴァイオレットが家を継ぐ気が
ないような事を言った事に気付き
その事について尋ねる。
ヴァイオレットは
私は血筋とか家系とか
どうだっていいと語る。
ジャスミンは向いているかもしれないが
”かたすぎる”いっそふたりで
魔法使いにでもなろっかな!と。
魔術師的にはヴァイオレットが
女装するのもありとのことで
年寄りたちから後を継げと言われていたと
ジャスミンは語る。
特別な魔術を使う時にも
有利に働くこともあり
リアンもその事を知っていた。
しかしヴァイオレットは
自分がやりたいだけで家の事など
どうでもいいと思っていた。
そうしたら今度は真面目な
ジャスミンに群がり
あの子は伸ばしてた髪を切り
振舞いも男らしくしだした。
まるで私の代わりみたいに・・・。
ヴァイオレットは私はもう
何を言われても大丈夫だったが
ジャスミンは違ったと。
その上でリアンに告げる。
そういう風に色んなことから
逃げられない真面目なこどもが
いるってことお前は
考えた事ないでしょ?と。
リアンはそれがアイザックと
フィロメラの事を指しているのだと
考えるもヴァイオレットは
否定も肯定もしなかった。
そしてヴァイオレットはリアンに
どんな鳥も最初からは
飛べないんだと諭すように告げる。
守ってくれる存在から
教えてもらわなきゃ
駄目なのだと。
だけど人間の中には
教えてもらえないどころか
羽をむしられて石で埋められた
ようなものもいる。
そんな巣から逃げ出せる
幸運だとか力だとか
ほとんどの雛は持ってやしない。
そんな場所から抜けられるのは
よっぽどの楽天家か鈍感か
あるいは嵐みたいに全部
ねじ伏せる奴だ。
全部教わって許されてる
お前と違ってと。
リアンはヴァイオレットに
同じ立場であるにもかかわらず
そんな事を考えているのかと話すが
返ってきたのは
お前が考えてなさすぎる!という
耳に痛い言葉だった。
ヴァイオレットは
私は幸せにしたい子が
ひとりいると語る。
だけど自分の幸せだって
ないがしろにはしたくない。
だから考えるべきことは考えて
やるべきことはやっておくのだと。
その言葉にリアンが
自分はどうなればいいと
思っているのか考えていた頃
チセ達は最後の場所である
天文台まで来ていた。
中にはプラネタリウムのような
星空が広がっており
先に来た皆が暇そうに過ごしていた。
どうやら皆が揃ってから
映画を観ようという段取りに
なっているらしく
最後の組である
ヴァイオレット達を待つことに。
そうこうしている間に
二人も無事到着し
皆で映画鑑賞へ。
プロジェクターに
映し出された映像に
皆が目を向ける中
チセはフィロメラの事を探していた。
ヴェロニカの隣に座る
彼女を確認したチセだが
”におい”に違和感を感じ・・・。
一方リアンはバツが悪そうに
隣に座るアイザックに声をかける。
アイザックはリアンが
何を言おうとしているのか
分かっているようで
先手をとって告げる。
謝りたいなら彼女が
許してくれるかは別問題として
君はフィロメラに謝るべきだと
僕は思う。
僕に謝るべきだと思っているなら
根本的な問題をとらえそこねており
僕は君に言った事を
取り下げないし謝りもしない。
本当に直してもらいたいと
思っているからと。
その言葉を聞いたリアンは
反論することなく気を付けると言い
ヴァイオレットにも
言われたことを明かす。
二人の声が聴こえたヴァイオレットは
ソレ言っちゃう!?と驚いていた。
アイザックは呆れたように
リアンに声をかけようとするが
今言っても無駄だと判断し
話しかけるのをやめる。
僕が言っても直す気なかった
みたいなことだよそれは・・・と
言葉にする事はなかったが
ほんと・・・変に真面目で
頭が悪いやつだと呆れるのだった。
まさにB級レベルの映画が終わり
それぞれ感想を口にする中
終わるのを待っていたかのように
夜中の映画鑑賞は楽しかったかな?
諸君?との声が。
そう声をかけてきたのは
トーリーであり
彼からこういうことをしてもいいけど
ちゃんと言ってと注意を受けることに。
ただチセとヴァイオレットは
前もって彼に話を通していたらしく
アイコンタクトを交わしていた。
そうして解散することになるが
ジャスミンがヴァイオレットに
声をかける。
ジャスミンはみんなではしゃいで
すごく楽しかったと話し
皆が違和感を感じていたが
ヴァイオレットは
笑顔をみせて語りかける。
私はあなたが誰か知らないけど
楽しんでくれてよかったわと。
その言葉に皆がはっ?と
疑問を浮かべる中
ジャスミンは黙っててくれて
ありがとうと言い残し
煙のように姿を消し・・・。
そしてシーンとなる中
チセとヴァイオレットは
肝試し成功したねと笑い合い
皆は一斉に言えよ!と
突っ込むのだった。
予想外の結末に
皆がわいわいと騒ぎ立てる中
チセとヴァイオレットに
アレクサンドラからなるべく急いで
救護室に来てほしいとの連絡が。
その頃夜の街を一望できる
建物の上にルーシー達を襲った
襲撃者の一人が姿を見せ・・・。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックス、
MAGCOMIでどうぞ!
感想
今回ヴェロニカとフィロメラの
出会いのシーンが
描かれてましたが
中々に壮絶でしたね・・・。
フィロメラ達が
従者的な立ち位置なのは
理解してましたが
思っていた以上に
その上下関係は厳しいようです。
結局のところチセが聞きたかった
話は明らかにされませんでしが
色々と闇が深いなと。
そういう環境で育てられて
しかも認められることもなかった
フィロメラがああなってしまうのも
分かるような気がします。
一つ分かった事と言えば
ヴェロニカにも自由がないこと。
もちろんフィロメラと比べれば
自由なんでしょうけど
自身で檻の中にいると言ってましたし
少なくともヴェロニカが望む
自由はないんでしょうね。
色々思うところはありますが
フィロメラを付き人にしたことは
自分にとっても彼女にとっても
良い選択だったのではないかと。
あのままだったら
フィロメラが今生きているかどうかも
正直疑わしいですしね。
何にしても先程も言ったように
肝心の部分は明らかになっていないので
どこかのタイミングで
明かされることになるかと。
そして肝試しについてですが
正直あの結末は驚きました。
まさか風邪をおして参加していた
ジャスミンが本人ではなく
幽霊だったとは・・・。
よくよく読み返してみれば
今話の始めに救護室のシーンが
描かれた際にジャスミンらしき
人物がベッドにいたようです。
正直アレクサンドラが
何かに気づいたところ以外
気にしてませんでしたが
改めて読めば成程という感じ。
まあ、それに気づいていたとしても
ジャスミンが幽霊だったとは
流石に思わなかったとは思いますが。
ともあれ肝試しは
大成功と見て良いかと。
最後もそうですが
リアンにしてもフィロメラにしても
色々思うところがあったと思いますし
企画としては大成功だったと思います。
とりあえず次回への流れ的に
アレキサンドラが
一体何に気づいたのか?
気になるところ。
再び襲撃者が姿を見せましたが
おそらくリズベズからの
命令を受けての事でしょうし
そちらについても気になるところです。
どちらにしても悪いというか
決して良い事ではないと思いますが
事態が動くのは間違いないかと。