2023年6月20日発売の
週刊ヤングジャンプ 29号に掲載されている
キングダム 第800話の
ネタバレ&感想になります。
第800話 三つの柱
内容ネタバレ
二度の大敗により
大幅な兵力を失った秦軍。
咸陽では今、急ぎ立て直すべく
文官達が話し合っていた。
しかしそんな彼らに対し
次期丞相候補の一人である馮却は
残酷な事実を告げる。
惨い現実であろうと
直視して向き合わねば
さらに酷い結末に突き落とされますぞと。
文官達は現状を理解した上で
前向きに・・・と返すが
馮却は一蹴する。
それは前向きではなく
ただの現状からの逃避であり
金も人も無尽蔵に
沸いてくるものではないと。
宜安攻めと番吾攻め
合わせて三十万規模の大戦を仕掛けて
何も得ることなく大敗した。
三十万人分の兵糧と出兵の手当て
国庫を揺るがす大金をただ失ったのだ。
今回の番吾攻めの軍の大半は
北部の兵であったが
それがほとんど犠牲になり北部の消沈は甚だしい。
その補償も手厚くせねば
北部の人心は間違いなく
中央から離れてしまうだろうと。
武官であった昌文君は
戦とはそういうものだと声を上げるが
李斯はそんな馮却の言葉に同意する。
不運なことに三年と約束であった
”秦魏同盟”の期限が間も無く切れる。
三年間同盟条件として
重要地”什虎”を渡したことで
魏は着実に力を増した。
その魏が同盟解除と同時に
什虎を拠点に侵攻して来ることが考えられると。
文官達がそんな李斯の言葉に
ハッとさせられる中
馮却は追い打ちをかけるように告げる。
ここから先は防衛だけでも手一杯になり
それだけでも至難の業だ。
何しろ秦は二年で
二十万もの兵を失った直後
であるからなと。
残酷なまでに現状を理解した
文官達は反論すら出来ずにいたが
李斯はもはや夢想の話を
出来る状況ではないと告げる。
”中華統一”という巨大な夢をあきらめ
秦の身の丈に合った目標に変える・・・。
かつての五覇のような
列国の”盟主”を目指すことを
目標に掲げるべきだということだと。
それを聞いた昌文君は
よくも簡単にそんなことを・・・と
食ってかかるが
李斯は簡単ではない!と吠える。
俺も悔しいに決まっている。
中華統一後の空前の巨大法治国家・・・
そんな夢のような話があるのかと
冷めた俺でも心が震えていた。
だが法家であると同時に
俺は秦国の中枢に在る臣の一人であり
この国が出来ること出来ないことを
正確に見極めねばならん。
そうせねば秦は取り返しのつかぬところまで
転げ落ちるぞと。
他の文官達はここまで来て
全てをふいにするのかと声をあげるが
それでも二度の大敗の影響は大きく
李斯の言葉を否定することは出来ずにいた。
それでもこんな大きな話
右丞相兼軍総司令の昌平君不在では
進められぬとの声が上がる。
他の者もそれに同意するが
今この場に昌平君の姿はなく
介億でさえも今どうしているか
わからぬ有様のようで・・・。
騒然とする文官達をよそに
政と昌文君は昌平君と三人で
話した事を思い出していた。
昌平君は政を前に頭を下げる。
中華統一の道が砕けたと。
全ては二度も李牧に敗れた
私の責任であるとして
その処罰として斬首を求めるが
政はならん!と告げる。
責任を感じているのなら
戦略で返せと。
昌平君は頭を下げたまま
その戦略がないのだと返すが
政は玉座から立ち上がり告げる。
無いことは分かっている!
無いところに道を造ることを人は
”偉業”という。
元々五百年誰も成し得なかったことを
やろうとしている。
道など無くて当然ではないかと。
その上で改めて宣言する。
これまでもこれからも
”あきらめる”という言葉は俺の中には無い!
必ずやり遂げる。
昌平君 昌文君
そなた達二人の丞相と共に。
そんな政の決意を聞き
昌平君は三日猶予を下さいと申し出る。
命を懸けて我らの夢を
繋ぐ道を探ってみますと。
そう話しこの場を後にしようとする
昌平君に対し政は言葉をかける。
俺は貴殿が李牧に匹敵するか
それ以上の軍略の天才であると
本気で思っている。宜しく頼むと。
昌平君が屋敷に籠ってから
すでに六日経っていた。
介億の話では誰も屋敷に入れるなと
言われているらしく
今生きているのかすらも分からない状況だった。
ひょっとして敗戦の責任をとって
自死しているのではないかとの声が上がる中
見るからに憔悴した昌平君が姿を見せる。
今にも倒れそうな昌平君から
人払いをと言われた政は
昌文君を残し他の皆を退室させる。
苦しそうに咳をする昌平君に対し
昌文君は早速策について尋ねようとするが
政はそれを止め、まず最初に礼を述べる。
六日もの間 軍略と・・・
中華と戦ってくれたことを感謝すると。
その言葉を黙って受ける昌平君は語る。
百の考えを巡らせ敗れれば
自刃しようと短刀を傍に用意しておりました。
そしてあっさりその考えが砕け散り
刀に手を伸ばしました——が
手が止まりました。
死を恐れたからではありません。
大王の言葉が頭をよぎったからです。
私の方が李牧より上であると。
それで踏みとどまったということは
この期に及んで私は・・・
李牧よりも自分の方が勝っていると
思っているようですと。
その言葉に昌文君は唖然とし
政が俺は本気で思っていると笑みを浮かべる中
昌平君はさらに言葉を続ける。
・・・故に自死をとどまり
李牧を含めて中華に打ち勝つ策を
再び構築しました。
もはや何百何千と数えることもしませんでしたが
とにかく頭の中で何度も秦の民に死を流させ
死なせることを繰り返し・・・。
その先を政に促された昌平君は口を開く。
”三つの柱”を立てることが出来れば
秦は再び中華統一の道に戻れるやも知れません。
国をあげて行う
”三つの戦争改革”ですと。
思わず玉座から立ち上がった政から
先を促された昌平君は語る。
一つ目はこの秦国に住まう
民全員の”戸籍作り”であると。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
今回の感想の前に
まず連載800回おめでとうございます!
キングダムが始まったのが2006年ですので
18年間に渡り看板漫画として連載を続けているとは
これこそまさに偉業!
アニメやゲーム、実写映画など
様々なコンテンツも大好評ですし
漫画界を代表する作品だと思います。
作者である原先生がどこまで
描こうと考えているかはわかりませんが
1000回を超え更に発展することを
心から願っております。
というわけで感想に移りますが
やはり大敗の影響は大きいようですね。
一度ならずも二度の大敗
しかも武の象徴ともいえる六将の敗北ですし
前回李牧が言っていたように
中華統一への道が断たれたと考えても
不思議はないと思います。
馮却や李斯のような意見が出るのも当然で
現実を見据えているからこそ
ああ言う他ないんだろうなと。
とまあ、笑えるほどに
中華統一の道が断たれようとしているわけですが
かなりか細いとはいえ
中華統一に繋がる策を考え出すとは
やはり昌平君も大したものだと思います。
李牧以上の軍略の天才であると
政は昌平君を評していましたが
あながち間違いではないのかも。
そんな昌平君が命懸けで考え出した
三つの柱、戦争改革についてですが
その全貌は次回にでも明らかになるかと。
とりあえず一つ目は
戸籍作りらしいですが
その真意についても次回以降にでも
明らかになるでしょうし
一体どんなことが語られるのか楽しみですね。