2023年6月13日発売の
週刊ヤングジャンプ 28号に掲載されている
キングダム 第799話の
ネタバレ&感想になります。
第799話 戦争の輪
内容ネタバレ
もう二度と会えないと思っていた
最愛の女との再会に
倉央は涙を流して喜んでいた。
それは糸凌も同様だったようで
二人は他の連中の目などないかのように
再び会えたことを喜び抱きしめ合う。
思わぬ再会を喜び会う二人だが
ジガンは女は抱かせてやったとして
次はこの男の首をはねる番だと剣を抜く。
糸凌はさせるかじじいと
殺意を露わにするが倉央はそれを止め
カン・サロに最後にもう一つだけ
頼みを聞いてくれぬかと声をかける。
俺の首はさし出すが
糸凌はどうか秦に帰してやってくれと。
糸凌は何を言っているのですかと
倉央に詰め寄り翻意を促す。
倉央様が死ぬのなら私もここで死にますと。
しかし倉央の決意は変わらず
再度カン・サロに頼むが
カン・サロはもういいと告げる。
倉央 お前を殺すつもりなら
女と会わせることなどせぬと。
倉央と糸凌、そしてジガンは
あまりの言葉に呆気にとられていたが
他の者達はカン・サロが
そうするつもりであろうと思っていたらしく
納得した表情を浮かべていた。
そしてカン・サロは告げる。
お前の勇気に免じて
二人とも解放してやる 行けと。
倉央はカン・サロに対し
すまぬ・・・この借りは決して忘れぬと返し
糸凌と共に本陣を後にすることに。
しかしジガンはカン・サロの行いに
納得がいかないらしく
カン・サロに再考を促すが
それを止めたのはカン・サロとジ・アガを
よく知る孟樹だった。
孟樹はジガンに語り掛ける。
覚えているかジ・アガは
カン・サロを”美徳の男”だと言っていた。
その美徳に自分はあこがれ
男ならばカン・サロのようにありたいと
よく言っていたと。
ジガンもその事は当然知っており
何年ジ・アガ様に仕えたと思っていると
食ってかかるが孟樹や他の者達は
どこか誇らしげな表情を浮かべ語る。
ならばよいではないか。
今の儂らはまあまあ恰好良かったと思うぞと。
その言葉を聞いたジガンは
今は亡きジ・アガを思い涙し
皆はそんなジガンの肩を叩き
慰めるのだった。
趙王都邯鄲では——
北部で再び李牧軍が秦軍に
大勝した吉報に城をあげて喜び
大々的にこれを祝った。
そして李牧の人気は
いよいよ絶頂に達していた。
そんな李牧に沸く歓声とは
反対に郭開達は追い詰められていた。
ある者からこれで秦軍は
我が国の侵攻をあきらめるのでは・・・
という声もあがったが
郭開はそうなったらそうなったで
困ろうが!と激昂する。
秦との戦が無くなれば
李牧はこの邯鄲の朝廷に落ち着く。
そうなったら我らの一派は
間違いなく全員更迭され
官職すら失うのだぞと。
今の内に何か手を打っておかねば・・・と
怒りを露わにする郭開だが
一派の中にはそんな郭開に
じっと目を向ける姚賈の姿が・・・。
邯鄲にて歓声が上がっている頃
李牧は司馬尚と共にいた。
李牧は語る。
王翦に勝つには未知の力を持つ
青歌軍を直接ぶつけて
短時間勝負に出るのが最上の策でした。
元々は行き場を失った我々を
受け入れてくれたことがきっかけ・・・
あなたと青歌には
どう感謝を伝えればよいか分かりませんと。
司馬尚はお前の言葉に乗り
青歌はこの戦いに出て俺達は”青歌の精神”が
何たるかを手にしたと思うと語る。
だが一方で失ったものはやはり大きく
そして出した犠牲を無駄にせぬためにも
再び趙が窮地になる程を侵攻を受ければ
青歌はまた戦いに出ねばならぬのであろう。
カン・サロが言っていた通り
一度関わるともう引き返しがきかぬな・・・。
だがお前達最北端の”雁門”は
もう何年もそれをやっている・・・
そうさせて苦しくないのか李牧と。
李牧は苦しいですよと答えると共に
秦が中華統一を狙う限り
この中華に安寧の地はないと語る。
遅かれ早かれ
どこにいても戦いに巻き込まれます。
悪しきは侵攻を仕掛ける秦だと。
その言葉に司馬尚は
力さえあればどこの国も
似たようなことをやると語る。
結局国が分かれているかぎり
この戦争の輪から抜け出せぬと。
それは秦の武力統一を
肯定するかのような言葉だったが
司馬尚はそれを否定しながらも
ただその輪の外に国を造ろうとした
青歌もやはり取り込まれたと語る。
苦労して独立した城を造り上げたが
手にしたのは束の間の平穏でしかなかったと
虚しく思っているだけだと。
司馬尚の思いを聞き李牧は語る。
”平穏”と”戦争”をくり返すしかありませんよ。
人間はと。
出来ることは可能な限り戦争を遠ざけ
平穏の時を長く保つことです。
そのために今回徹底的に
王翦軍を叩きました。
昨年の桓騎に続くこの連敗の打撃で
秦は数年は大きな戦争が出来なくなったでしょうと。
司馬尚はしばらく平穏が訪れるか・・・と呟き
ならば再び大いなる脅威が迫る時まで
青歌でそれを享受しようぞと語る。
遺体は続々と青歌に届いている。
まずは多くの死者を弔い
それ以上の遺族の痛みを和らげねばならぬと。
そう悲し気に口にした司馬尚に
李牧は語る。
秦は趙北部攻略から
王都邯鄲攻めの絵図を描き
二・三年で趙を滅ぼすつもりで
人と国費を注ぎ込みました。
そして大失敗に終わった。
これは武力統一を目指す秦にとっては
途方もない後退です。
秦が趙のみを見ていた間
楚と魏が力を増してしまったことも
この先を難しくしました。
・・・私は秦の中華統一の道は
この番吾の戦いで砕け散ったと見ています。
・・・司馬尚 あなた方青歌が参戦を決断し
血を流してくれたおかげです。
重ねて礼を言わせて頂きますと。
司馬尚はその事に同意しつつも
李牧に問いかける。
・・・だが秦はあきらめると思うか。
”中華統一の夢”をと。
その問いに対し李牧は
それは咸陽にいる秦王次第だと答えるのだった。
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感想
前回のラストで糸凌が生きていたことから
カン・サロが倉央をここで討つことは
ないだろうとは思っていましたが
予想以上にカン・サロは器がデカい男でしたね。
趙との戦いには出ないとか
ジ・アガのこともあって
何らかの条件を出すと思ってましたが
まさかのそのまま解放するとは・・・。
ジ・アガがカン・サロの事を
美徳の男だと評していたみたいですが
まさにその通りの男だと思います。
あんな風に情けをかけられたら
倉央としてもカン・サロというか
青歌と敵対するわけにはいかないでしょうし
いずれ何らかの形で
その恩を返す時が来るのではないかなと。
それにしても倉央ですが
糸凌が無事で再会できたのはともかく
結局これからどうするつもりなんでしょうね?
恐らく王翦のもとへは帰れないでしょうし
このまま将軍職を辞して
糸凌との生活を送ることになるんでしょうか?
まあ、王翦軍の将だったわけですし
信よりも余程稼いでいるのは間違いないので
生活には困らないとは思いますが
これからどうするつもりなのか気になる所です。
それはそれとして邯鄲の民は
滅茶苦茶喜んでましたね。
立て続けに国を救った以上
李牧の名声もうなぎのぼりなのは
当然だと思います。
しかしその裏で追い詰められた郭開の一派に
姚賈の姿があったことで
色々と不穏な感じも・・・。
とりあえずは李牧の想定通り
秦が趙に対して侵攻するのは
当分先になりそうですが
全ては政次第ということになりそうですね。
趙に大敗したことで
構想に遅れが出るのは避けられませんが
それで政が諦めるとも思えないので
何かしら動きがあるのではないかなと。
再び趙に対して侵攻しようとするのか
それとも別の動きを見せるかはわかりませんが
動かないというのはまずないと思いますので
政がどんな動きを見せるのか楽しみです。