2024年9月12日発売の
週刊ヤングジャンプ 41号に掲載されている
キングダム 第810話の
ネタバレ&感想になります。
第810話 南陽の民
内容ネタバレ
龍安の無事を喜ぶ者達を見て
南陽の民が喜ぶ中
秦の文官達は未だ納得できておらず
不満を口にしていた。
剛京もそれは同様のようで
綺麗事では落とした城は治まらんと語る。
やられた側の人間の心情を甘く見すぎだ。
我々は騰将軍らが根を上げるまで
静観するだけだと。
そんな剛京たちに
そうはいかぬと声をかけたのは騰だった。
剛京殿は朝廷から
長官の任を解かれたわけではない。
立場が私の下ということが分かっただけで
そなた達はこの地で責務を全うせねばならんと。
剛京はこの状況でどう全うしろと問うが
騰は先日私が言った通りだと告げる。
南陽が秦・韓双方の理想郷となるよう
前城主龍安達と協力し合って
全力でその道を探り邁進せよ。
そう言った騰は改めて頭を下げる。
実現のためにはそなた達の力が
必要なのだ。頼むと。
文官達は六大将軍である騰が頭を下げて
頼んできたことに戸惑っていたが
剛京は至難すぎると口を開く。
文官・役人でそんな知識・経験の
ある者などいませぬぞ。
我々は招かれざる者達だ。
下手をすればこちらの身が危うくなりますると。
騰もそれは分かっているとして
我ら軍の方も無論協力すると申し出るが
剛京は圧を嫌うという中で
軍人に一体何が出来るのかと
全く期待していないようで・・・。
それでも騰は語る。
それはまだ分からぬが
南陽は軍側の人間も関わって
治めねばならぬ気がしている・・・と。
一方その頃城外にて
飛信隊は練兵を行っていた。
しかし強制徴兵で集められた者は
ほとんどが素人であり体力づくりから
行わなければならないレベルだった。
ただ、これだけの数が集められた中には
色々と特殊な者達もいた。
どっかの山から出てきた背の高い部族や
やたら騎馬の速い連中など
普通とは違う者達については
貂も使い道があると考えているのか
漏れなく報告してほしいと頼んでいた。
そうした中、一番戦えそうな新人百人集めて
崇原自ら模擬戦をやるということで
貂も呼ばれたものの
信は騰から言われた事を考えていた。
騰は言った。
信、お前も考えろ。
飛信隊なりの南陽の民との関わり方を。
本来軍の人間が考える事ではないが
南陽では考えて実践しろ。
意外と南陽のカギは
お前達が握っているような気がしている。
騰軍よりも飛信隊の方が
南陽の民に近い気がするのだと。
そんな事を騰に言われた信だが
すぐに何か思いつく訳もなく・・・。
そうこうしている間に
信の元へ南陽城から伝令が届く。
体調たちの寝る所の整理が終わったんで
隊長に一言挨拶したいそうだと。
たまたまそこにいた竜有は
あとだそんなの練兵中だぞと声を上げるも
信は何故か思うところがあったのか
今すぐ行くと言い出し
やることがなかった我呂も付いていく事に。
木の上で昼寝していた礼も加わり
信は責任者である温形から挨拶を受ける。
この区画は全て李信将軍と隊の
皆様に空けました。
ご自由にお使いくださいと。
信は住んでいた連中は
すでに移っていると聞かされ
俺達はいつも通り外でいいから
住人を戻してやってくれと話すが
温形から拒否されることに。
そこは本当にお気遣いなく
もし戻ったらその者達が咎められますと。
そればかりか屋敷が気に入らなければ
他にも・・・と別の案を申し出るが
それを信が望んでいる訳もなく
そういうことじゃなくてと返すと
温形は怯えたように謝りだす。
信はそんな温形の態度に戸惑いながらも
移した住人を元に戻して欲しいと伝える。
俺達は追いやる形をとりたくねェんだと。
しかし信のそんな思いも
温形達には伝わらなかったようで
怯えたようで頭を下げて
我々は自ら移ったのですと。
住人達は飛信隊を持ち上げて
なんとか納得してもらおうとするも
信はそんな風に遜って欲しい訳ではなく
じゃあせめて一緒に住むってのはと提案するが
温形達は怯えるだけだった。
そんな状況を見ていられなかったのか
我呂は信にいい加減にしろと告げる。
じーさんら含めここの住人達が
飛信隊にどんだけびびって
気を遣ってんのか分かんねーのか。
あのな・・・暴れようが暴れまいが
近くにいるだけで俺達は怖いんだよ。
自分じゃ気づいてねーみたいだが
お前も普通の人間から見りゃ
ものすげェ血の臭いがしみ込んでて
かつての桓騎らと変わんねェくらい
おっかねェんだよと。
そんなことを思ってもいなかった信は
温形達やこちらを窺っている
住民達の反応からそれが事実であることを
理解し困惑していた。
我呂からとにかく素直に受け取っておけ
じゃないとじーさん達
余計に寝れなくなるぞと言われ
信は分かったと我呂に言われた通りに
受け入れながらも少し考えさせてくれと
考える時間をもらうのだった。
温形らから距離を取った信は
自分がどうすべきなのか考えていた。
その様子を住民達はどこか怯えながらも
様子を窺っていたが
その中には明らかに敵意を持った者の姿も。
「始めが重要なのだ」
そう剛京が言っていたことを
思い出した信はあることを思いつく。
それは南陽の住民らと
一緒にメシを食うというものだった。
信からそういう申し出があったことを
聞いた住民達はどうするべきか話し合う。
ある者は別に一緒に食べるくらいならと話すが
別のある者からは何か粗相があったら
どうなるか分からないと声が。
ほとんどの住民が秦の兵に対し
恐怖を覚えているようで
その者達は温形を責める。
何で夕食なんて受けたんだと。
考えた末に信は温形に告げる。
せっかく空けてくれた屋敷は
言葉に甘えて間借りさせてもらう。
だがこっちも礼として
食べものと酒をふるまわせてくれないか。
南陽の食糧が少ないってのも知ってると。
温形はいえ、そんな
そちらの大切な兵糧をと断ろうとするも
信は頭を下げて頼む。
いいんだ、秦の食いものを一緒に食べてほしいんだ。
うちには極上の料理人もいる。
これであいこってわけにはもちろんいかねェが
せめてほんの礼くらいさせてくんねェかと。
信に頭を下げてまで頼まれては
温形にそれを断ることは出来なかった。
住民達にもあんな風に頼まれては
断れんかった・・・と謝罪。
それを聞いた住民達も
納得はできないものの仕方ないとして
再び話し合うが女を参加させるべきかで
また意見が対立していた。
一方、誘った信もまた
貂から苦言を呈されていた。
・・・何で勝手に決めるの
まだ連中とは何一つ信頼関係が出来てないのに
一緒に食事なんて・・・
毒でも入れられたらどうすんだよと。
我呂も貂と同意見のようで
俺らを恨んでる奴はぜってェゴロゴロまぎれてる
こっちが酔ったスキに襲ってくることも
十分考えられると声をあげる。
しかし信はそん時はそん時だとして
とにかくオレは住人達と一緒に飯を食うと告げる。
幹部達には全員参加してほしーが強制はしねー
但し参加するには条件がある。
武器は持ち込み禁止だと。
夕食を一緒に取るべく
姿を見せた飛信隊を見た住民達は気付く。
彼らが武器を持っていないことを。
温形も驚いたようで
呆気にとられていたが
ある住民からこちらも少しは
向こうの気持ちを汲むべきだと声が上がり
女子供も参加させることを決める。
そして日が暮れた頃
貂や竜有が料理を作り
住民達と共に夕食をとることになるも
明らかに住民達は飛信隊に怯え
明るい雰囲気にはならなかった。
それでも住民達の中には
飛信隊の噂は本当だったと
態度を軟化させつつある者達もいた。
しかしそうした中、住民の一人が
武器を手に立ち上がる。
すぐさま住民達によって
押さえつけられたことで
実際に凶行に及ぶことはなかったが
その男は父を秦兵に殺された者で
仇を討とうとしていた。
当然飛信隊の者達が
それに気づかぬはずもなく
隠していたものの丸わかりだったが
それでも我々が取り押さえたら面倒だと
気づかないフリをしていた。
それは信も同様であり
じっとそちらへと目を向けていたが
次の瞬間何かに気づいたのか突然振り向き
襲い掛かろうとした温形の手を押さえていた。
温形の突然の凶行に気づいた
住民達が困惑する中
息を荒げる温形に対し信は・・・。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回のラストで秦の旗の隣に
韓の旗が立ったことで
朝廷が騰の意見を受け入れたのは分かってましたが
やっぱりかなり難しいようですね。
騰自身も秦と韓の理想郷をつくる
という考え自体は浮かんでいたものの
その方法まではわからないようですし。
まあ、南陽としてみれば
秦はあくまでも侵略者ですからね。
宴の際に取り押さえられた男のように
父の仇だとして恨みを持つ人物もいるでしょうし
恐らく温形もそうなんだと思います。
そんな彼らとの間に信頼関係を結ぶというのは
流石に難しいというか無理だろうな
というのが正直なところ。
以前加冠の儀のときに
毐国に与した戎籊公もまた
100年もの間、秦を恨み続けていましたし
それだけ恨みというのは根が深いものですからね。
だからこそ騰も
いい解決策が思い浮かばず悩んでいると。
まあ、悲観的なことを言ってしまいましたが
信が住民達と親睦を深めようと
一緒に食事をとろうとしたのは
悪くない手だと思います。
もちろん信頼関係がない中で
それがどれだけ危険なことなのか分かります。
分かりますがだからこそ
誠意をもって礼を尽くそうとした
信の気持ちも多少は伝わるのではないかなと。
信もそれだけで南陽の民との
信頼関係が生まれるとは思っていないでしょうし
あくまでもそのきっかけになれば・・・
位の気持ちで催したのかも。
まあ、それも温形が信を襲ったことで
どういうことになるかは分かりませんが
信が温形に対しどう向き合うのか
どういった流れになるのか楽しみです。
気になる続きについては
次号は休載で9/26発売の43号にて
掲載予定との事。