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キングダム 最新 第809話 ネタバレ&感想 戦争の責任

2024年9月5日発売の

週刊ヤングジャンプ 40号に掲載されている

キングダム 第809話

ネタバレ&感想になります。

 

第809話 六将の責任

内容ネタバレ

 

新たに長官として赴任した

剛京から沙汰が申し渡される。

 

南陽城城主龍安。

秦国に対する戦争行為の罪として

斬首に処す。

 

すでに外には刑の執行場が整っている。

見届ける者達も集まったとのことだ。

刑はこれよりすぐに執行すると。

 

沙汰を下された龍安は

配下の者達が戸惑いを隠せない中

何も口にすることなく

兵に執行場へと連れて行かれそうになるが

それに待ったをかけたのは騰だった。


騰は剛京に問いかける。

一体何の罪だ。

この城は無血開城した

龍安は戦争行為などしていないと。

 

その問いに対し剛京もまた

罪はあるとして龍安がしたことを上げる。

 

南陽は降服したが

龍安はその前に兵を全て

王都新鄭に送った。

これは紛れもなく新鄭防衛線の援軍である。

 

また食糧も大半を新鄭に送った。

これも戦争支援である。

 

この二点は我が国への

戦争行為と断ずることができる

よって斬首であると。

 

しかし騰はその二点が

斬首になるほどの行為とは思えないと

再び反論する。

 

頑なな態度を見せる騰に対し

龍安の斬首のどこが気に喰わぬのかと

尋ねる剛京だが騰は

不当に殺すなと言っているのだと告げる。

 

その言葉に対し剛京は

不当ではないという理由について語る。

 

敗れた城の主の首を取るのは

この五百年の戦乱期が作り上げた”常識”だ。

 

だがそれは勝者の”愉悦”のためなどではない。

れっきとした理由がある。

 

軍は敵を討ち破ればこと済むが

戦いで手に入れた領土・城の

民を治める文官我らの仕事はそこから始まり

それは生半可なものではない。

 

侵略されて恨みを抱かぬ人間などいない。

他所から来た統治者側に必ず

反乱の刃を向けて来る者達が出てくる。必ず・・だ!

 

そしてその反乱の規模に関わってくるのが

拠り所・・・となれる者の存在だ。

 

統治者が生きていれば

そこを元に反乱の火が燃え続けることが

往々にしてある。始め・・が重要なのだ。

 

反乱が起きれば鎮める側も鎮められる側も

多くの血を流さねばならぬ。

 

戦い終わった地で本来それは

流れなくてよかった・・・・・・・・・はずの血だ。

 

その虚しい流血を阻止するために

今龍安の首をはねておくのですと。


傍で聞いていた信達も

剛京が言っている事が

間違っていないことを理解していた。

 

当の本人である龍安も同様であり

騰に感謝の言葉を伝えると共に

こうなることは最初から

覚悟していたと語る。

 

私も南陽の民が迷い

血を流すのは望みませぬ。

民が守られるならこの首は喜んでと。

 

その言葉を聞いた剛京は

連れて行けと再び兵に命じるが

騰もまた待てと言っておるのだと止め

腰に差していた剣を抜き告げる。

 

龍安を斬首にしようとする者は

この場でこの騰が首をはねると。

 

騰がここまでするとは思っておらず

録嗚未らも静止の声を上げ

剛京ご乱心かと問いかけるも

騰は正気だと告げる。

 

剛京はそんな騰を思い留ませるべく

言葉をかける。

 

・・・思い違いをされている。

いかに六将とて秦法の下に在る。

 

理由なく南陽長官の私を斬れば・・・

後日裁かれ間違いなく貴殿は”斬首”になるぞと。

 

しかしそれでも騰は引き下がることなく

それでも龍安は殺させぬと。

 

騰が何故にそう考えるのか理解できず

剛京は問いかける。

 

これまで数多くの城を落としてきて

そこで似た光景は何度も見てきたはずだ・・・。

 

なぜそこまでして龍安を救おうとする。

龍安は何か特別な存在だとでも?と。

 

その問いに対し騰は語る。

龍安ではない。

南陽が特別だから止めているのだと。


秦軍は次の戦で

いよいよ王都新鄭の攻略に出る。

 

そのことは新鄭はもちろん

韓の全土が分かっている。

 

韓の民は今不安の中で秦軍の動向を・・・

この南陽を見守っているのだ。

 

民から信頼の厚かった城主を公開斬首し

なじみのない秦法で厳しく民を縛り圧政を敷けば

新鄭は韓の民はどう感じると思う。

 

そんな騰の言葉に録嗚未は

・・・少なくとも新鄭は

徹底抗戦の士気がより高まるだろうと声をあげるも

剛京はならばと口を開く。

 

韓の機嫌を取って我らは介入せず

南陽をそのままにさせておくとでも言うのかと。

 

しかし騰はそうは言わぬ

それでは城を落とした意味がないとして

己の考えを口にする。

 

我らは今自分達の力で

中華統一という新しい時代を

切り拓こうとしている。

 

ならば落とした地の治め方も

新しいものにすべきではないのか。

 

南陽を秦と韓の人と文化が

友好の下に入り交じった

”理想郷”に作りかえる。

 

それが叶えば韓の反発心は

穏やかになるだけでなく

南陽は中華統一後に目指す

世界の姿の一つの”試金石”となる。

 

そのためには龍安の協力が

必要なのだと。

 

騰がそんなことを考えていたことに

聞いていた誰もが驚き戸惑う中

録嗚見は統一後の世界の姿なんて

武将が考える類の話じゃないだろと詰め寄り

騰は再び口を開く。

 

・・・”六大将軍”とは

元々は昭王が作った制度だ。

六将には戦争の自由が与えられた。

 

だが今の・・六将にはそこに別のものが・・・・・・・・

”戦争の責任”も付随すると考えている。

 

武力を持って踏みしだいた後

そこに住まう人間達の生き方の責任だ。

 

そして今我らの戦いが

中華統一への道なら踏みしだくのは中華全土・・・・

 

つまりその責任は

全中華の民の生き方の責任となると。

 

それは王や丞相らが

考えるもんだろうがと問う録嗚見らに対し

騰はこれは私が勝手に思っていることだと返すが

貂は騰の言葉を聞き理解する。

 

なるほど・・・今回なぜ韓攻略を

攻に長けた蒙武ではなく

騰に任せたのかと思っていたけど

昌平君先生は知ってたんだ・・・。

 

六将 騰はこういう視点・・・・・・

持っているということをと。


騰の話を聞いた剛京だが

話の筋は分かったとしたものの

己の意見は変えなかった。

 

文官の専門である私からすると侵略しておいて

友好の理想郷など都合が良すぎる!

作り出せるわけがない。

 

妙な優しさを見せて寝首をかかれ

結果 泥沼化した城をいくつも見てきた。

戯言は他でやって頂きたい。

 

私は南陽を統べる長官として

命懸けの責務がある。

これはどんなことがあろうと全うすると。

 

そして改めて龍安を処刑場へ

連れて行けと兵に命じ

騰がでは悪く思うなと剣を向けようとした瞬間

それを止めたのは隆国だった。

 

今 問題はどちらの主張が正しいかではなく

この場では長官と六将の立場の

どちらが上かということだと。

 

剛京は何をいまさらと

長官に決まっておると即答するが

隆国はそうとも限らぬと告げる。

 

騰将軍が先も言った。

六将は戦争の自由を許された特権階級だ。

 

その六将と地方長官の立場の上下が

正確にどうかは誰も聞いた事がないと。

 

それは剛京も同様だったようで

隆国はさらに言葉を続ける。

 

よって今すぐ咸陽の朝廷に

早馬を送り指示を仰ぐ故

それまでの間この問題はこの隆国が預かると。

 

その上で剛京に確認する。

高位文官の剛京殿に限って

朝廷の命令に逆らうということはあるまいと。

 

剛京は当然だとして受け入れ

隆国は騰に対しても告げる。

 

騰将軍 貴殿も咸陽の返答には

従順に従うことを約束せよ。

 

いかに六将とてそこを反故にしては

武将の道を逸脱する。

でなければ我らは貴公の軍を離脱すると。

 

そんな隆国の提案を騰が受け入れたことで

一先ず龍安の処刑は先送りされ

急ぎ咸陽へ早馬が向かった。

 

そして咸陽からの返答を受け

南陽の城壁には秦の旗の隣に

韓の旗が三度翻るのだった。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックスでどうぞ!


感想

 

騰が黙っている訳ないと思ってましたが

まさか戦争の責任まで考えていたとは

流石に驚きました。

 

録嗚未が言っていたように

統一後の姿を考えるなんて

王か丞相くらいだと思いますしね。

 

それでも六将の一人である騰が

それに比肩する程の考えがあったことは

秦にとって大きいと思います。

 

ああいう考えが出来るならば

文官の目線での働きもできるでしょうし

まさに良将と言えるかと。

 

それにしても剛京についてですが

思っていた以上に自分の考えをもって

龍安を処刑しようとしていたみたいですね。

 

前回の感じを思うに

ただの頭の固い文官かと思っていましたが

考えていた以上に優秀な男だったのかも。

 

ただ今回については

文官の視点では正しくとも

それ以上の視点からみると

騰の方が正しいのかなと。

 

というよりも剛京は今までの経験から

当然のことだとしてああいう判断をしていましたが

今回のように国を滅ぼした時に

どうすべきなのかとまでは

考えが及んでいないんだろうなと。

 

それは王や昌平君、李斯レベルでも

難しいのは間違いないことなので

仕方ないのかもしれませんけどね。

 

なんにしてもあんな風に騰が考え

龍安をも救ったことは

韓との関係にも大きな影響があるでしょうね。

 

少なくとも侵略者とはいえ

騰のことを必要以上に恨んだりすることは

恐らくないと思いますし。

 

騰がやったこと、やろうとしたことの是非は

韓を滅ぼした後にこそ

分かることだと思いますので

その時が楽しみです。

 

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