2022年7月25日発売の
アフタヌーン 2022年9月号にて
連載されている
ヴィンランド・サガ 195話の
ネタバレ&感想になります。
第195話 千年航路④
内容ネタバレ
剣の存在を知るコーデリアに
蘇る、争いの記憶。
父は言った。
「お前が男に生まれてりゃなぁ
ハルヴァル」と。
その体格から戦いの為の
奴隷として買われたが笑われた。
「見かけだけなんだよコイツはよ」
「闘争心ってもんがまるでねェ」
「なっさけねェな デカい図体して」と。
しかし母は言った。
「コーデリア きっとどこかに・・・」
「あなたがあなたのまま
暮らせる地があるわ・・・」と。
イ―ヴァル達からの要望で
民会を開くことになったトルフィン達。
その議題となるのはひとつ。
”私達は武装をするべきか否か”
というものだった。
議題の提案者である
イ―ヴァルは皆に語る。
武装は絶対に必要なのだと。
そもそもオレ達は
ウーヌゥ人にとって
侵略者である。
開拓は成功しこの村の人口は
この先どんどん増えるだろう。
ということは畑も
どんどん広げなければならず
この先ウーヌゥ人のナワバリを
奪っていかなければならない。
奴らがバカじゃねェならとっくに
そのことに気づいているはずで
だからこそ武装も砦も必要なのだと。
イーヴァルの話を聞いた
開拓民達はそれぞれ意見を出し合うが
男達はイーヴァルの言葉に同意する。
防衛の用意がなければ
おちおち畑仕事もできん。
戦争しないために
充分な武装が必要であり
ウーヌゥ人の善意を前提に
村の方針を立てちゃダメだと。
そうした中、グズリーズが
女からも言わせてもらうと
女達を代表して声を上げる。
戦争を始めるのは
いつだって男であり
迷惑だからやめてと言っても
聞きゃーしないんだからと。
男が戦争してる時
女達が本音でどう思ってるか。
それはお祭り騒ぎやってないで
野良仕事に戻ってというものであり
勝ち負けとかどうでもよいのだと。
その上でグズリーズは語る。
開拓を始める前に
トルフィンは言ったじゃないか。
「戦争も奴隷もない国を目指す」
皆それを承知でこの開拓事業に
参加したんじゃなかったのかと。
その言葉にイーヴァルは
戦争をしないために
武装を強化するんだと声を上げる。
お前の言う通り戦争は男の仕事だ
女はすっこんでろ!と。
しかしそんな言葉が
グズリーズに響くはずもなく
真っ向から反論されてしまう。
グズリーズは改めて皆に語り掛ける。
アタシ質は旧大陸とは
違うことをするために
ヴィンランドに来たんだ。
だから”戦争は男の仕事”
って考えるのはもうやめよう。
男だって戦いたくなかったら
戦わなくていいのだと。
その言葉にコーデリアは
驚いたように声を上げる。
男でも戦争をしなくて
いいんですか?と。
グズリーズはその言葉に
もちろんだと笑みを浮かべ
トルフィンも同意する。
あなたはあなたのままでいて下さい
コーデリアさん。
戦争が嫌いなあなたのままでと。
そんなトルフィンとグズリーズの
言葉が契機となったのか
コーデリアは告発する。
イーヴァルさんは剣を一本
隠し持っていると。
どうやらそれは正しかったようで
ストルクはこれ以上隠しておけないと
剣を持ってこさせる。
そして黙って持ち込んだのは
悪かったと弁解しようとするが
トルフィンは告げる。
ヴィンランドに
そんなものは要らん。
こっちによこせ
鎌の刃に打ち直すと。
その剣幕に驚いたストルクだが
改めて皆に問いかける。
トルフィンはヴィンランドに
剣は要らないと考えているが
オレ達は必要だと考えている。
皆はどう思う?
賛成するほうの後ろへ
それぞれ集まってくれと。
その結果トルフィンの後ろには
女性を中心とした開拓民が集まり
ストルクの後ろには男達が。
そしてその人数比は
男女に偏りがあるためか
ストルクの後ろに集まった
開拓民のほうが多かった。
グズリーズは男のほうが数が多い
やっぱり男は皆戦争好きばっかだと
文句をつけるがストルクは否定する。
好きっていうのとは
ちょっと違う、安全保障だと。
日頃からガチガチに武装を
固めていないと安心できなくて
夜も眠れなくなってしまう。
男って臆病なのだと。
納得いかないグズリーズだが
イーヴァルは語る。
ウーヌゥ人にも男がいる。
ウーヌゥの男もきっと
オレ達と同じく臆病者で
オレ達だけ平和主義でもダメなのだと。
”向こうがこちらを
攻撃してくるかもしれない”
そういう猜疑心は一度心に沸いたら
打ち消す方法はひとつしかなく
それは武力で確実に
相手を上回ることだと。
トルフィンは・・・話し合いによる
問題の解決はありえないと?
民会の意義を否定していると告げる。
しかしイーヴァルは
話し合うのにも武力は必要だと言い
対等以上の武力がなけりゃ
交渉の卓にもつけないと反論する。
その言葉に対しトルフィンは
それはあなたの了見だとして
お招きするだけで話し合いに
応じてくれる人もいると
森のほうへ指を向ける。
そこにはギョロが呼んできたのか
ウーヌゥ人達がこちらへと
向かってきていた。
そんな彼らを見ながら
トルフィンは語る。
まずよく話し合うことです。
武装強化よりなによりそれが先です。
「最初の手段」ですよ。
イーヴァルさんと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
あの状況から民会が
行われるだろうとは思ってましたが
まあ、よろしくない展開だなと。
私としてはイーヴァル達
男衆の言い分は理解できます。
相手方に対して猜疑心が生まれた以上
それを払拭するためにも
武力が必要であると。
ストルクが言ってましたが
男は臆病ですからね。
そういう考え方になるのもわかります。
ただ前提条件としてこの開拓団は
「戦争も奴隷もない国を目指す」
というトルフィンの理念が
まず最初にあるわけです。
それに同意して参加した以上
今さらそれを否定するとか
あまりにも都合が良すぎるなと。
そもそもイーヴァルが
内緒で剣を持ってきたのもそう。
初めから言うこと聞く気がないなら
来なければよかったわけですし。
まあ、ストルクは開拓団の男衆の
賛同を得たことで強気で
圧してくるでしょうけど
どうにも納得いかないところです。
なんにしてもウーヌゥ達が
来たことで話し合いは
彼らも交えて行う事になるかと。
ただやって来た者の中に
ミスヴェゲブージュが
いるのが引っ掛かりますね・・・。
プルムクやニスカワジージュらは
基本的に信用できるんですが
ミスヴェゲブージュは
手段を問わず敵対しそうですし。
ともあれ予告にあったように
ウーヌゥ人の来訪が
吉と出るか、凶と出るかは
未だ定まってはいませんが
避けては通れない問題ですし
どういう展開になるのか楽しみです。