2023年7月13日発売の
週刊ヤングジャンプ 33号に掲載されている
キングダム 第763話の
ネタバレ&感想になります。
第763話 他の目的
内容ネタバレ
咸陽へと戻ってきた姚賈は
李斯の屋敷へと挨拶に訪れていた。
主である李斯に労われると共に
引き続き宜しく頼むと言葉をかけられるが
姚賈は李斯と話している一方で
頭の中では先程の一大事について
思考を巡らせていた。
敷地内ですれ違った男が
自分のことを知っている可能性がある。
いや姚賈は間違いないと判断した。
そしてそれがよりによって
あの”韓非子”であること。
問題は韓非子が姚賈のことを
どこまで知っているのか。
もし自分の全てを知られているとなると
命に関わる問題へと発展していく。
そうなる前に口封じせねばならぬと
姚賈の考えは進んだ。
しかしここで厄介なのは
相手が”韓非子”ということ。
国賓として迎えられ
これから秦朝廷に入るとも聞いている。
そんな男を強引に”暗殺”しては
大騒ぎになるのは必定・・・
さてどうしたものかと。
そんな事を考えていた姚賈に
李斯は問いかける。
先の趙北部での戦 桓騎が討たれた
あの李牧の大がかりな”罠”は
お前をもってしても気づくことが
出来なかったのかと。
目を見開き言葉を返さない姚賈を見て
李斯は李牧の情報操作術が
それ程までに巧妙なのかと口にし
姚賈はその事について頭を下げつつ
その謝罪を含めて今回参上したのだと語る。
邯鄲中枢に潜り込んでおきながら
この失態・・・。
私は李牧と相対する郭開の陣営に
入っております故
李牧陣営の隠れた動きは掴みづらく
今は急ぎ手の者を潜らせようとしていると。
李牧と郭開の対立を知る李斯は
その言葉に理解を示すと共に
抜からずやるようにと申し付け
姚賈もそれを受け入れていた。
しかし姚賈が頭を下げたまま
動かないのを見てとり
どうしたのかと尋ねたところ
姚賈からある報告が。
先程屋敷の敷地内にて
敵国のものと思われる”間者”を
二人ほど目撃したこと。
先に咸陽へと戻っていた手下達の話では
この数日の間に敵”間者”の数が増え
いずれも後を追うと韓非子様一行の
お屋敷周辺で姿を見失ったと。
その報告を受け驚愕する李斯に
姚賈はおそれながらとさらに言葉を続ける。
韓非子様は単に大王様に招聘されて
来朝したのではなく何か他の目的があって
入って来られたのではないでしょうかと。
あの韓非子があり得ぬと
声を荒げる李斯だが姚賈は告げる。
七国の中で韓は特に情報戦に長けた国であり
軍力で他国に及ばぬ分
諜報の力は頭一つ抜けております。
長くこの世界にいる身としては
やはり韓の”間者”部隊が最も厄介。
もし韓非子様一団がこのまま
秦朝廷に入り込んで来るとなると
それは猛毒を飲むのと等しいと
この姚賈は心配せずにはいれませぬと。
姚賈の言葉を受け
李斯はそんな馬鹿なと考えつつも
思い至るところもあった。
秦に来てからの韓非子の
言動の違和感は確かにあった。
一体何を目的に秦に来たのか
分からぬ感じの。
もし姚賈の憶測が正しいのならば
間違いなくこれは大変なことになる!
そう考えた李斯はよく知らせてくれたと
姚賈に礼を言うとすぐに大王様に
報告に行くとしてその場を後にするのだった。
一方屋敷に戻ってきた韓非子は
姚賈と顔を合わせたことで
思うところがあったのか
家人である昧布に
何人外に出ている?と問いかける。
周歩をはじめ七人ほど出ていると知ると
不運な偶然で虎の尾を踏んだやも知れぬとして
屋敷内の”衆”に最悪の事態に備え
掃除しておけと指示し・・・。
その日の夜、韓非子の屋敷を
秦兵が囲み中の様子も改められた。
結果 名簿にある七人の人間が
敷地内に居ないことが発覚。
その内の二人が屋敷に
戻るところを取り押さえられ
懐から王宮近辺の地図が数枚出てきた。
あくる日、政の元に
李斯と昌平君、昌文君が訪れ
昨夜の事について話し合っていた。
昌文君は報告する。
韓非子の屋敷内からは
まだ何も出ていないが
屋敷の外に出る抜け穴を教えた秦の女と
工作した韓の男を捕らえたこと。
男は韓非子の側近の一人であり
時間をかけて調べれば証拠はそろうと思うが
とにかく諜報活動は間違いないと。
昌平君は語る。
韓非子一団は下僕まで入れれば
百人近くで来ている事から
そのどこまでが”間者”なのか
これから調べる必要があること。
そしてそこに韓非子本人が
どこまで関係しているのか・・・。
その上で私は諜報活動は
戦争行為と同様と考えているが
もし韓非子本人が関与しているとなると
さすがに対処は難しいと。
李斯は韓非子が諜報活動に関わっている事を
未だ信じ切れず声を荒げる中
その場しのぎではあるものの
韓非子一団の屋敷は厳重に軟禁状態とし
間者と分かった者は投獄することに決まる。
そして当の韓非子について
どうするのかという話になるが
李斯が私に話させてくださいと申し出たことで
政はまずは李斯に任せると
その願いを受け入れるのだった。
一方その頃姚賈は配下の者から
韓非子屋敷が制圧されたとの報告を受けていた。
配下の者達から何の情報も無い中
なぜ韓非子一団がそうであると?尋ねられ
姚賈は韓非子が俺の顔を
知っていたからだと語る。
恐らく数年前に韓に潜入した時に
見られた・・・それ以外には説明がつかぬ。
韓の新鄭内で向こうの諜報員が
俺に気づき上に報告したのであろう。
そして俺が気づかぬうちに確認された。
韓非子本人は”間者”ではない。
だとしたらそれを束ねる者。
韓非子が最上位かは分からぬが
恐らく間違いないだろうと。
そこへ配下の者達から
李斯が韓非子と会うとの報告が入ると
姚賈は思うところがあるのか
いよいよだな・・・仕方がないと零し・・・。
韓非子の元を訪れた李斯は
激昂した様子で詰め寄ろうとするが
韓非子が姚賈だなと口にしたことで
機先を制され戸惑っていた。
韓非子は先にその話をしようと
李斯に語り掛ける。
あの男は危険だと。
李斯は戸惑いながらも
なぜお前が姚賈の名をと口にするが
韓非子は告げる。
姚賈はとっくに君の手から離れており
姚賈の今の主は李牧。
先の大戦で李牧の罠を知っていながら
桓騎を見殺しにした趙の”二重間者”だと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
韓非子と姚賈。
どちらも諜報に関わっているわけですが
どっちが怪しいかとみれば姚賈かなと。
どちらも信用はできませんが
前々回李牧が武安君になった回で
こうありました。
この男 元々昌文君が
超内部へ送り込んでいる諜報員であり
その後李斯の指揮下で動いている。
いや・・・そのはずであった。
そのはずであったということは
今は李斯の指揮下では動いておらず
別の人物に仕えている事。
その人物とは誰かと言われれば
韓非子の言うように
李牧であるという線が強いかなと。
その回において傅抵が
諜報部隊の長について触れてましたが
もしかしたら姚賈がそうなのかも。
傅抵の言うように瞬水樹である
可能性も無くはありませんが
姚賈だとしたらしっくりくる気がします。
まあ、韓非子一団も十分に怪しいですし
何を考えているのか分からない部分がありますし
実際に諜報活動を行っている事から
必ずしも信用はできませんが。
ともあれ姚賈が李牧の間者だとすると
桓騎を嵌められたのも理解できます。
いつからかは分かりませんが
随分と前からならば王騎が討たれた際の
情報操作にも関わっていた可能性もあるかも?
とまあ、色々と納得できる部分もあるので
姚賈が味方ではなく敵であるのは
恐らく間違いないと思います。
何にしても情報というものは
どんな時であっても重要なものですので
それを敵に握られていては
勝てる戦いも勝てないでしょうね。
というよりも正しい情報がなければ
動くことも難しいですので
政争にしても戦場での戦いにしても
それなりの人物であれば
その重要度は理解していると思いますし。
ともあれ気になるのは韓非子に
姚賈の正体を暴露された李斯が
これからどうするのかについて。
素直に韓非子の言葉を受け入れ
姚賈を疑うのかそれとも
そんなことはないと撥ね退けるのか。
これからの秦がどうなるのかにも
十分に関わってくると思いますので
李斯がどんな判断をするのか楽しみです。