2023年8月24日発売の
アフタヌーン 10月号にて連載されている
ヴィンランド・サガ 205話の
ネタバレ&感想になります。
第205話 千年航路⑭
内容ネタバレ
夜が更けた頃、トルフィンの家では
ウーヌゥ人達を捜しに向かっていた
トルフィンの帰りを待ちながら
グズリたちが夕食の片付けを行っていた。
手伝いに来てくれたコーデリアが
全部やってくれたことで
食っちゃ寝の生活を送るグズリ。
そんな彼女が産気づいた頃
トルフィンは戦争だと意気込む
ウーヌゥ人達の集会所に足を踏み入れていた。
槍をこちらへと向け
今にも襲い掛かってきそうな雰囲気の中
トルフィン達は主導者である
ミスグェゲブージュのもとへ向かう。
トルフィンはもう駄目だと狼狽えるギョロに
彼らが何を言っているのか通訳を頼むが
彼にもよく分かっていないようで
聞き取れたのは「ウィンプネト」という単語が
目立っているということだった。
このままでは埒が明かないと
ギョロはニスカジージュの名を叫び
いたら出て来てくれと呼びかける。
ミスグェゲブージュは
ニスカジージュはここにはいないと言い
彼女が病気に倒れたことを話そうとするが
そこへ倒れていたはずの彼女が姿を見せる。
ミスグェゲブージュから
なぜここへ来た!と叱責されるも
ニスカジージュはこんなことやめて下さいと
ミスグェゲブージュに反対する。
病気は悪霊の仕業であり
ノウド人に悪気はなく
彼らを暴力で追い出すなんて・・・と。
ミスグェゲブージュは
悪気の有無はもはや問題ではないと言うが
それでもニスカジージュが
彼らと話し合いましょうと
通訳を買って出たことで
事態は落ち着きを見せていた。
ギョロはニスカジージュが来てくれたことを喜び
改めて「ウィンプネト」とは何か尋ねる。
話を聞いたニスカジージュは
徐に外套から手を出すと
その手は真っ黒に染まっていた。
それを見たトルフィンは
仰ぐように目を瞑り
彼女がペストに罹っているのだと理解する。
そして同時に「ウィンプネト」は
病気のことを言っているのだと。
ニスカジージュは
己の黒くなった手を見ながら語る。
ギトプイ病気になって死に
私たちたくさん死んだ。
病気はノウドが呪いをかけた
皆そう思っていると。
トルフィン達の様子から
その症状に見覚えがあるのだと理解した
ミスグェゲブージュは告げる。
私は今までそんな病気を
見たことはなかった。
お前達が海の向こうから
この島に持ち込んだのだ。
もはや交渉の余地はない。
この島から出ていけノウド人。
出ていかぬなら追い出すと。
そう告げたミスグェゲブージュだが
内心ではこう思っていた。
・・・こう言って
おとなしく出ていくはずもあるまい。
やはり一戦は避けられぬだろう・・・と。
ギョロから何を言っているのか
通訳されたエイナルは
俺たちだってこんなことになるなんてと
必死に訴えかけるも
部族の者達は納得するはずもなく・・・。
ミスグェゲブージュの言葉を聞き
トルフィンは何も言葉を返すことなく
今までの事を思い返していた。
ヴィンランドでの妊娠したグズリと
カルリとの穏やかな生活。
そして言葉もわからないままに
なんとか親交を結んだ
ギトプイ一族との交流のことを。
そんな日々を思い返したトルフィンは
ミスグェゲブージュに答える。
・・・わかった。
オレ達はヴィンランドを去る。
だから攻撃しないでくれと。
誰もが呆気にとられる中
食って掛かったのはエイナルだった。
エイナルにとってアルネイズ村は
自分達が苦労して作り上げた俺達の村で
何よりも代えがたいものだった。
隠れて様子を窺っていたヒルドが
そこまで戦争を・・・暴力を避けるかと
トルフィンの一貫した答えに負けを認める中
トルフィンはエイナルに語り掛ける。
300人はいるこの戦士達と
戦闘になればただじゃすまない。
しかもその戦闘はこの先も続く
長い戦争の最初の一戦にすぎないんだ。
オレ達はこの先ウーヌゥ人と
戦い続けながら生きていくことになる。
そしてその状況を子供達に受け継がせる。
それはもうオレの目指した
ヴィンランドじゃないと。
その言葉にエイナルは崩れ落ち
トルフィンはギョロとニスカワジージュに
通訳してくれるように頼む。
やりきれない表情を浮かべた
ニスカワジージュが
トルフィンの言葉を伝えると
集まった血気盛んな部族の者達は
戦いにはならないのだと
落ち着きを取り戻していた。
撤退すると聞かされた
ミスグェゲブージュもまた
まさか一戦もせずに撤退するとは
思っていなかったようで
呆気に取られていた。
しかし見返りを求めて
部族を集めたムインは違うようで
このままでは困ると
不穏な空気を漂わせ・・・。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
トルフィンが出した答えは
戦いを避けて撤退することでしたが
正直大したものだと思います。
トルフィンも出来ることなら
このまま穏やかに暮らしていきたいが
現状それは叶わないのだと
苦渋の決断だったろうなと。
エイナルの言うこともわかります。
あれだけ苦労してやっと作り上げた
アルネイズ村ですからね・・・。
ただ同時にトルフィンの言うように
戦争になれば自分達どころか
子供達もそれに巻き込むことになると
理解したからこそそうするしかないのだと
膝から崩れ落ちたんだろうなと。
そういうことも理解した上で
トルフィンが戦わないと決断したのは
凄いことだと思うんですが
そう上手くはいかないだろうなというのが
正直なところ。
今回ラストに不穏な感じの
部族を集めたムインですが
彼はノウド人の技術というか
武器を欲しがっているわけですしね。
このままあっさり撤退されては
奪う事すらできないわけですから
そりゃどうにかして戦争に
持ち込もうとするだろうなと。
そしてアルネイズ村についてですが
イーヴァルらがトルフィンの決断に
従うわけがないですしね。
なんとも難しい舵取りを
迫られることになるのは間違いないかと。
そういう状況の中、トルフィンは
最後まで不戦を貫くことが出来るかどうかが
これからの焦点になるかと。
流石のトルフィンも相手がやる気なら
抵抗すらしないとは思えませんし
色々な意味で波乱が待っているのは
間違いないと思います。
予告を見る限り次回は
グズリの出産とのことですので
これからの展開も含めて
一体どうなるのか楽しみです。