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【漫画版】アルスラーン戦記 最新 125話 ネタバレ&感想 パルスの血 20巻続き

2024年1月9日発売の

別冊少年マガジン 2月号に連載されている

アルスラーン戦記 125話

ネタバレ&感想になります。

 

第125章 出生の秘密

内容ネタバレ

 

アルスラーンとタハミーネを残し

人払いされた天幕の外。

 

ギーヴは一体何を話すのか気になるらしく

隠れて盗み聞きしようとしていたが

ファランギースに見つかり連行されていた。

 

そしてダリューン達はキシュワードに

少し離れた天幕に案内され

一先ず話が終わるまで待機する事に。

 

天幕の外には王太子一党を守るためか

あるいは封じ込める為か

兵士達が多数守りについていたが

ダリューンはいざとなったら斬り破るまでと

剣を立て臨戦態勢をとっていた。

「アルスラーン そなたは妾の子ではありません」

タハミーネを言葉を聞きアルスラーンは

一瞬顔をあげ目を閉じる。

 

そして再び頭を下げ口を開く。

——あるいはそうではないかと

思っておりましたと。

 

では私の本当の親は?と尋ねられた

タハミーネは目を逸らしつつ語る。

 

妾の知るところでは母親は

名もない中程度の騎士の娘であったそうですと。

 

アルスラーンの産みの親は

名もない中程度の騎士の娘であり

中程度の騎士と結婚して子を産んだ。

 

もともと病弱な女性で子を産んだ十日後

自分は力尽きて息を引き取った。

 

乳飲み子を抱え

途方に暮れていた若い父親の元に

王宮からの使者が訪れた。

 

金貨と引き換えに子を渡した父親は

百騎長に出世し戦場に出——

そして帰ってこなかった。

 

家門は断絶し小さな家は壊されて

跡地に別の家が建った。

 

すべては忘れさられるように細工され

その通りに忘れられていった——。

 

タハミーネから親について聞かされた

アルスラーンはそうでしたか

はっきりしていればいいと思ったのですといい

深く息を吐き語る。

 

宙ぶらりんになっているのが嫌だったのです。

でもこれで落ち着きましたと。

そして自分がパルス王家の血を引いてはおらず

王位を要求する資格がないことを確認し

改めてなぜ子を入れ替える事になったのか尋ねる。

 

タハミーネは私の産んだ子が

女だったからだと語る。

 

妾はその子を産んだ後身体を害い・・・

二度と子を産めぬ身になってしまったのですと。

 

それを聞きアルスラーンは思い出す。

パルスでは女児に王位継承権がない事を。

 

父上は愛していたからこそ

母上の立場を守るために

子を入れ替えたのだろうか。

 

あるいは後日他の女性に

男児を産ませる気があったのだろうか。

 

そんな事を考えつつも

では母上の本当の御子はどこにいるのかと

尋ねられたタハミーネは

顔を顰めつつわかりませんと返す。

 

幾度も国王陛下にお尋ねしましたが

教えてくれませんでしたと。

 

~タハミーネに対する市井の者達の声~

婚約者であったバタフシャーン公国の宰相も

その宰相からタハミーネを奪った

主君カユーマルスも自殺に追い込まれた。

 

結果パダフシャーン公国は滅びた。

オスロエスもアンドラゴラスも

あの女を取り合って仲たがいしたらしい。

 

アンドラゴラスは

オスロエスを暗殺して王位も

あの女も手に入れたのだろう。

 

自分の子を王位に就けようとすれば

ヒルメス王子が邪魔になる。

 

きっとあの女がアンドラゴラスをそそのかして

ヒルメス王子を焼き殺したのさ。

 

王都が陥落するや

今度はルシタニア王にすり寄ったらしいぞ。

人妖のような女だよタハミーネは。

タハミーネは語る。

あの子は妾の人生の中で

たったひとつの光だったのですと。

 

アルスラーン そなたを憎むのは筋が違う。

そのことはわかっております。

 

でも妾は目に見えるものを憎むしかなかった。

そなたを見るたび妾の子は

どこでどうしているのか・・・

そう思うと耐えられぬ気分でした。

 

かわいそうな妾の子・・・!と

涙するタハミーネにアルスラーンは告げる。

 

何もかも全てを忘れ去られるように・・・

ということは私を育ててくれた伯母夫婦の死も

偶然ではなかったのでしょうかと。

 

それをタハミーネは肯定する。

そうです 後日紛糾の種にならぬようにと。

 

それを聞き歯を強く噛みしめながら

改めて——なぜ今になって

このことを私に話そうと思ったのか尋ねると

タハミーネは目を瞑り語る。

 

国王陛下は今 この混乱を

喜劇と嘲笑しておられました。

 

先に申した通りそなたには

パルスの王位を要求する資格はありません。

 

そなたは この笑えぬ喜劇から

降りてもいいのですよ アルスラーンと。

アルスラーンは語る。

私がここで降りたら私の為に

死んだ者達はどうなりますか。

 

”私の本当の両親は・・・”

”乳母たちはどうなりますか”

 

”私を真実の王太子と信じて”

”戦場で斃れていった兵士たちはどうなりますか”

 

”そこまでして王家の血を”

”守らねばならぬのですか”

 

母上と御子は本当に気の毒に思います。

ですが私は今降りるわけにはいかないのです。

どうかご理解いただきますよう。

 

タハミーネは不思議そうに

妾を責めないのですか?と首を傾げる。

 

どんなに責められてもしかたないと思っていました。

そなたが妾に飛び掛かって

殴りつけてもしかたない——

甘んじて受けようと思っていたのですがと。

 

その言葉を聞きアルスラーンは

ザッと立ち上がり呟く。

 

・・・本当に貴方は私という人間を

理解してはくれなかったようですと。

 

先程までとは雰囲気を違えたアルスラーンは

タハミーネと顔を合わせ告げる。

 

母上お別れ申し上げます。

もう「母上」とお呼びすることはございません。

これまでそう呼ばせてくださって

ありがとうございました。

 

どうかご壮健で 本当の御子と

ご再会なさいますよう祈っておりますと

言い残し天幕を出るのだった。

 

タハミーネがアルスラーンの名を呼ぶのを尻目に

天幕の外へ出たアルスラーンだが

その雰囲気の違いを察してなのか

兵士達は戸惑いながら道を空ける。

 

それは離れた天幕にて待機していた

ダリューン達も同様であり

そんな彼らを前にアルスラーンは宣言する。

 

皆には心配かけた。

私は今までパルス王室というものに

どこか遠慮があった。

 

だが もうそこになんの懸念もなくなった。

国王陛下もヒルメス王子も退け

私がパルスの国王になる!と。

一方その頃、王都では

出生の秘密を明かされ狼狽えるヒルメスに

アンドラゴラスが畳み掛けるように

さらに秘されていた過去を告げていた。

 

兄オスロエスは熱病を患い身罷った。

予は兄王を殺してはおらぬ。

ただ臨終寸前に兄王は予に遺言を残した。

 

——もう いたしかたない・・・

弟よ・・・何もかもおまえにくれてやる・・・。

 

だが これだけは聞き届けて欲しい。

ヒルメスを殺してくれ。

 

あれは私の子ではない。

国王としての義務と思うて

あれを子として遇してきたが

もはやその必要はない。

 

あれを実の父親のもとに送り届けてやれ。

「あのような呪われた子を生かしておくな」・・・と。

 

知りたくもなかった過去を聞かされ

絶望に暮れるヒルメスだが

虚勢を張るかの如く告げる。

 

貴様の言ったことが仮に事実でも

俺がパルスの王族であり

英雄王カイ・ホスローの

子孫であることに変わりはない!と。

 

アンドラゴラスもそれを肯定し

ヒルメスは貴様の言うことなど信じぬ!と叫ぶが

アンドラゴラスは勝手にしろと告げる。

 

月が太陽より明るいと信じるのも

犬を象より大きいと信じるのもお主の自由

予は事実を語っているだけのこと。

 

その言葉を聞きヒルメスは

なぜそのようなことを教えたのかと問うが

アンドラゴラスは嘲笑うように告げる。

 

半年も鎖につながれれば

多少の報復をしたくなるのも当然。

 

もっとも効果があるのは事実を告げることだ。

だから そうしただけのことよと。

 

認めたくないと思っても

それが事実であると認めてしまっているヒルメスは

絶望に震えながらもバフマンが

ペシャワール城で言っていた事を思い出す。

 

あの老いぼれ 俺が死ねば

パルス王家の正統の血が絶えると言った。

 

その場にはアルスラーンがいた・・・。

俺が死んでもあやつが生きていれば

パルスの正統は絶えるはずがないではないか。

 

しかし あやつが王家の血を

ひいていないとなれば話は別だと。

 

アルスラーンめの正体はなんだ!?との

ヒルメスの言葉にアンドラゴラスは

答えることなく告げる。

 

よく深い奴め。

おぬしにはおぬしの正体を

ちゃんと教えてやったではないか。

 

このうえ他人の正体を知って

どうしようと言うのだと

剣を抜き動揺するヒルメスに斬りかかるのだった。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックスでどうぞ!

感想

 

かなり大事な回だったので

あらすじが長くなってしまいましたが

こういうところでも違いが出てくるものですね。

 

同じく出生の秘密を明かされた

アルスラーンとヒルメス。

 

片やパルスの国王になると決意し

片や知りたくもない事実を知り絶望に暮れる

そういう部分でも器の違いが明らかだなと。

 

まあ、ヒルメスにとっては

アイデンティティの崩壊も同然ですので

ああなるのもわからなくもないんですが

ああいう状況でこそその人自身の器が

明らかになると思いますし。

 

そんな動揺MAXの状況で

アンドラゴラスと戦う事になったわけですが

まあ、勝つことはないだろうなと。

 

平静だったならば互角かそれ以上に

戦うことも出来るでしょうし

勝つ可能性も高いと思いますが

あの精神状態では無理でしょうね。

 

アンドラゴラスもそれを意図して

わざわざ過去を明かしたんでしょうし

卑怯かもしれませんが

アンドラゴラスが一枚上手と言わざるを得ないかと。

 

私としてはそんな二人の対決よりも

アルスラーンが初めて国王になる!と

宣言した事が何より嬉しい事。

 

やっとかと思わなくもありませんが

パルスの血を引いていないことが

明らかになったことでようやく

アルスラーンの意志も固まったのかも。

 

まあ、そのきっかけになったのが

タハミーネとの話というのは

なんとも言えないものがありますが

パルスの正統自体がどうしようもないので

そうせざるを得ないのかも。

 

ともあれ次回はヒルメス達の戦いから

始まることになりそうではありますが

アルスラーンが覚悟を決めたことで

今後どう動いていくのか楽しみです。

 

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