2023年3月28日発売の
週刊ヤングジャンプ 17号に掲載されている
キングダム 第792話の
ネタバレ&感想になります。
第792話 脱出の責任
内容ネタバレ
あの日李牧を受け入れる決断をしたことが
今の状況を作った。
昨年の上和龍の死。
折り重なる青歌兵の骸。
そしてジ・アガの死。
そう語る司馬尚に対し
カン・サロは諭すように言葉を返す。
参戦すれば李牧は戦術的に
青歌軍を必殺の軍として使い
結果 我々に多くの犠牲が出ることは
城主も分かっていたはずですと。
司馬尚は死んでいった者達は
こんなはずではなかったと
悔いたやも知れぬなと口にするが
カン・サロは戦場で死ぬ者は
皆がそうでしょうと語る。
ジ・アガは後悔はなかったと思いますが・・・と
口を濁しながらも彼の者の事を思い返しつつ
司馬尚を促す言葉をかける。
彼らの犠牲が尊く意味のあるものであった
とするために我らに出来ることは・・・。
その言葉の続きを司馬尚は
矛を振り下ろし迫りくる秦兵を
斬り捨てながら声をあげる。
王翦の首を取って
皆で青歌に帰ることだ!と。
そんな司馬尚の意気に応えるように
カン・サロもまた王翦の首を取るべく
自ら前へと出るのだった。
司馬尚とカン・サロの勢いは止まらず
王翦の眼前へと迫りつつあった頃
李牧の元へ立て続けに急報が届いていた。
青歌の将であるジ・アガが討ち死にした事。
そして王翦軍・司馬尚軍の戦場に
カン・サロも最前線に入り揃って
敵将王翦の元まで到達していると。
その報を聞き李牧は口を開く。
いよいよ決着がつきますよ 青歌の力でと。
司馬尚とカン・サロが
すぐにでも王翦のもとへ辿り着こうとする中
王翦は何故か脱出することなく
その場に踏みとどまっていた。
事ここに至り倉央は
流石に俺達の負けだと口にする。
カン・サロがここへ来たということは
もう糸凌は・・・。
糸凌・・・置いていってすまなかった。
そう心の内で彼女に謝りながら
これまで付き従ってくれた者達に告げる。
だからせめて王翦様だけでも何とか逃がす。
悪いがお前達は最後まで
付き合ってくれるかと。
笑みを浮かべて従ってくれた者達と共に
倉央は司馬尚らの前に立ち塞がりつつ
亜光に向かって声をあげる。
亜光!王翦様を連れて逃げろ
ここは倉央軍が引き受ける。
全員力尽きるまで司馬尚を食い止める。
なんとかその間に王翦様と脱出しろ。
亜光 王翦様にはこの先
まだお前が必要だ 行け!と。
しかし亜光は戦っていた楽彰を弾き飛ばしながら
いやお前が殿と共に行け 倉央!と
配下の者達と共に倉央軍の前に出る。
倉央はかっこつけるな
王翦様にはオレよりお前が・・・と
翻意させようと声をあげるが
亜光はそれは百も承知だが
俺には先がないと告げる。
ここへ来る前に楽彰に背を斬られた。
それから足の感覚がない
今は馬が俺を乗せているだけだ。
もう自分の足では立てまい。
そもそも心の臓も止まりかけていると。
絶句し言葉もない倉央に
亜光はそのお方はこんな所では
死なせてはならぬお方だと
王翦の事を頼み前に出る。
そして未だ動かない王翦に
殿 お早くと脱出を促し
倉央に呼びかける。
王翦様を早くお連れしろ倉央
貴様の責任だぞと。
歯を食いしばりながらも
倉央は王翦を脱出させるべく声をかける。
しかしこの期に及んでも王翦は動かず
業を煮やした倉央は強い言葉で告げる。
亜光達の犠牲を無駄にするな。
あんたが死んだら完全敗北で
何も残らんのだぞと。
そう言って王翦をこの戦場から
脱出させようとするのを尻目に
亜光は迫る青歌兵を薙ぎ払う。
そして司馬尚が眼前に現れた所で
趙に対し告げる。
よく聞け趙軍よ。
これは王翦様が李牧に敗れたのではない。
青歌という”隠し玉”の力
つまりはその青歌の武力に対抗できなかった
我ら将校の責任だ。
見ておれ いつか王翦様は復活されると。
そんな亜光の言葉はこの戦場から
脱出しようとしている王翦の耳にも届いていた。
亜光は襲い掛かる敵兵に
矛を振り下ろしながらなおも言葉を続ける。
その時は王翦様の偉大さに
中華全土が必ず”畏怖”する。
王翦様は唯一無二
大将軍にして国造りをされるお方だ!と。
司馬尚を知る青歌兵は
我らの真似事のつもりかと口にするが
亜光は青歌如きと一緒にするな・・・と呟き
眼前に姿を見せた司馬尚へ目を向け思う。
王翦様はこの争乱の世に
誰も成し得なかった理想国家を造り出す。
それを信じて疑わせぬ器が王翦様にはある——。
願わくばその国造りを
支えるところまでお供したかったが・・・。
見ておれ 李牧。
必ず最後に勝つのは王翦様だ。
そんな思いを抱きながら
司馬尚の手によって
亜光の命は終わりを迎えるのだった。
”王翦軍第一将 亜光 戦死”
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
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感想
前回の流れを見るにここから挽回するのは
かなり難しいと思ってましたが
流石の王翦でも無理だったみたいですね。
王翦が脱出に動いた以上
この時点で敗戦となるのは
恐らく間違いないかと。
ただ気になるのはなぜ王翦は
あの状況で連れ出されるまで
脱出しようとしなかったのかについて。
王翦程の将ならば
あの状況で詰んでいることは
すでに理解しているはず。
それでも何故か動かなかったのは
一体何故なんだろうなと。
自身の敗北を理解して
諦めていたというならば
分からなくもないんですが
王翦のこれまでの印象からすると
それもしっくりきませんし・・・。
どんな思いであそこにいたのかは
なんとも言えないところではありますが
亜光の死は王翦にとって
かなり大きなものになるでしょうね。
基本的に第一将まで登り詰めた人物は
有能なのは当然として何より忠誠心が高い。
そんな人物が戦死してしまうとなると
王翦軍としても弱体化は免れないだろうなと。
そんな王翦が亜光の言葉通り
復活できるかはさておき
ここからは凄惨な事になるでしょうね。
あの状況ですんなりと王翦が
脱出出来るとは思えませんし
総大将率いる本軍が負けた以上
趙による追撃があるかと。
桓騎の時もそうでしたが
負けが決定づけられた戦の後って
敗残兵狩りがありますので
それをどう潜り抜けるのかという
展開になっていくのかなと。
趙側としてもこれを機に
秦軍を完膚なきまで叩きたいでしょうし
鄴も取り戻すチャンスですから
それはそれは執拗にとことんまで
追い詰めるのではないと思っています。
そんな風になるのかどうかはわかりませんが
敗けはある意味決まっていたも同然ですので
ここからどう動いていくのか楽しみです。
気になる続きについては次号は休載で
4/11発売の19号にて掲載されるとのこと。