2024年6月13日発売の
モーニング 28号に掲載されている
宇宙兄弟 413話の
ネタバレ&感想になります。
第413話 4時間半
内容ネタバレ
六太を心配しJAXAを訪れていた
シャロンは身体を心配する付き添いの人達に
一度帰ろうかと言われるも
六太が助かるのを見届けたいと
ここに残ることを決めていた。
付き添いの人達もまた
シャロンがそういうだろうことは
ある程度わかっていたらしく
快くその決断を受け入れる中
シャロンは六太を思う。
幼いころからずっと見てきた六太
宇宙飛行士になることを決めた六太
自分を心配し会いに来てくれた六太。
様々な六太の姿が思い出されるが
シャロンの願いは一つだけだった。
お願い・・・ヒビトと二人一緒に帰ってきて——!
あなたが帰ってこないと私はもう・・・
一方その頃、宇宙の六太は
絶望感に襲われ、恐怖心と懸命に戦っていた。
ダメだ!ダメだ!と取り乱しては
息を整え我を取り戻す。
そんなことを何度も何度も繰り返す。
発作みたいに・・・。
現状をどうにかすることも出来ず
六太は落ち着かないと
酸素を無駄に使ってしまうと
努めて冷静になろうと考える。
これを考えんのも何回目だ。
チクショー・・・と。
「必ず救出する」
「諦めるな」
「必ず救出するからな・・・!」
通信が途切れる際に
エディがかけてくれた言葉を思い出す。
エディは「助ける」と言ってたんだ。
信じるしかないと。
しかし同時に考えてしまう。
でも・・・どうやって助けるってんだ・・・。
「そのままこっちを向いててくれ!」
「俺も今ムッちゃんを握ってる!」
「助かる方法はある!」
「絶対助けに行くからな!」
日々人がかけてくれた言葉を思い出し
宇宙服のカメラ映像・・・
そんなんで何か分かんのか・・・?
と思いつつもある事に気づく。
映像解析・・・
俺の流れた軌道さえわかれば・・・
そうか・・・いける・・・!
まだチャンスはあるぞ・・・!と。
大丈夫 大丈夫と何度も思いながら
ふと時計に目を向けると
今の時刻は8時7分を指していた。
確か・・・日々人と
船外に出たのが5時40分頃・・・。
俺が日々人を押して
漂流してから2時間くらい・・・。
2時間か・・・。
さすがにマクシム達は
月を離脱しただろうな・・・。
オリュールの酸素残量だと
とっくに出発してなきゃ・・・。
そう考えた瞬間
自分の酸素残量が気になり
確認すると48%・・・
電池残量は50%だった。
その数字が示しているのは
もってあと4時間半・・・4時間半で
自分が死ぬという事だった。
改めて自分の命の時間を知り
ふと気付いたことがあった。
ちょっと待て。
ソユーズは酸素はあるだろうけど
”燃料”はどうなんだ・・・?
確か・・・基本ソユーズも
地球迄の往復分ギリギリしか
燃料を搭載してないはず・・・。
俺を助けるために使える
燃料なんてほとんどない・・・!
そう思った瞬間
考えはネガティブな方向へと進み始める。
地上ではすでに俺の救出は不可能と判断して
日々人も帰還させたかもしれないと。
しかしそう考えても
今の六太に出来ることはなにもなかった。
ああ・・・クソっ!
俺にはもう何もできない・・・何も・・・。
掴むものもない。
引き返す地面もない。
乗り越える壁すらない。
なんにもできない・・・。
絶望感と共に無力感を感じていた
六太はふとシャロンの事を思い出し気づく。
シャロン・・・もしかしてシャロンの病気って・・・
こういう感じなのかな・・・。
自分自身でどうすることもできない。
ただ頭の中でずっと・・・
ずっと絶望と戦ってる。
シャロン・・・
今まで全く想像できてなかったよ・・・
シャロンの気持ちを・・・。
こんなに・・・
こんなに怖いんだ。
そう思い恐怖に頭を抱えながらも
シャロンがかけてくれた言葉を思い出す。
「必ず戻ってきて」
「帰ってもう一度笑顔を見せてください」
「ついでにハグもしてくれたら最高です」
「これは私とあなたとの新たな約束です」
絶望感に苛まれながら六太は
「シャロンと同じ」なんて
おこがましいよなと自分の手を見る。
俺はまだ体が動く。
自分でヘルメットを脱いで・・・
終わらせることもできる。
ごめんシャロン・・・
俺 今・・・死に方を考えてる・・・と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
シャロンが心配するシーンから
始まった今回ですが
読んでいくにつれて心が痛い・・・。
六太が宇宙に一人放り出されて
孤独の中にいることは
言葉の上では理解しています。
だけど自分が体験したわけではなく
ここまで追い込まれたこともない以上
上っ面でしかないんでしょうね。
もし自分がそうなったら・・・
と考えてみるものの
あまりにもリアリティがなさすぎて
その辛さを数十分の一くらいしか
想像できていないんだろうなと。
ただ一つ思うのは
こんな状況に置かれつつも
なんとか自分を持っている六太は
本当に強いなと改めて思います。
もちろんその心は孤独に蝕まれつつあり
絶望感と無力感から
自死を選ぶという普段ならばありえない
選択肢を思い浮かべる位に
追い詰められているのは分かっています。
分かっていますが
それでもその選択肢を
まだ選んでいないというだけで大したもの。
自分だったら発狂して
すでに死を選んでいる可能性が
滅茶苦茶高いと思いますし。
作中で六太が言ってましたが
あと4時間半で自分の命が
尽きようとしているわけですが
本当に辛い時間でしょうね・・・。
そんな時間の中で
状況をどうにかする方法もなく
ただ助けを待つ事しか出来ないわけで・・・。
今の六太の心境を想像するだけで
心が痛くなりますが
日々人やゾーイたちの頑張りに
懸けるしかない以上
無事救出されることを願うばかりです。
気になる続きについてですが
次回は7/11発売の32号に掲載予定との事。