2024年9月26日発売の
週刊ヤングジャンプ 43号に掲載されている
キングダム 第811話の
ネタバレ&感想になります。
第811話 刃の意味
内容ネタバレ
韓の民と催された親睦の宴。
その席で長老である温形が
突如信に対して刃を向ける。
それに気づいていた信は
傷つけられることなく温形の短刀を止めるが
それに気づいた南陽の民と
飛信隊の面々は騒然となっていた。
未だ短刀から手を離さない温形に対し
民や田永らが離すように声をあげるが
襲われた信はそれを止めると
飛信隊の皆にだまっているように指示し
改めて温形に問いかける。
この状況で俺を狙うのは相当の覚悟が必要だ。
自分の命だけじゃなく
まわりの人間まで巻き込む覚悟だ。
なんで俺の命を狙った じーさんと。
信の問いかけに温形は
目を血走らせながら叫ぶ。
秦兵は儂の娘と孫を何度も犯し
あげく腹を裂いて無残に殺した。
ま・・・孫はまだ十二じゃった・・・と。
あまりにも壮絶な過去に
飛信隊の面々は絶句するが南陽の民から
それはもう二十年も前の話だとの声が上がる。
それが聞こえたのか
温形は涙ながらに語る。
そうじゃ二十年前・・・
儂はこの二十年毎晩娘らの
あの姿を思い出して・・・
あの惨たらしい姿を
一日も欠かさず思い出して・・・
それを聞いた田永は
同情はするがやったのは飛信隊じゃないとして
短刀を捨てるように話すが
信はそれを止める。
いや捨てなくていい。
じーさんは何も間違ってねェと。
田永と我呂は何言ってやがると
信に食ってかかるが
信は痛みが消えるのは人それぞれだと語る。
一年なのか十年なのか
このじーさんは二十年前のことが
まるで昨日のことのように感じてるんだ。
他の住人まで巻き込むから
我慢しろってのは乱暴だ。
それが出来る人間もいれば
まだそんなことまで考えられない人間もいる。
じーさんの痛みはじーさんだけのものだと。
そんな信に対し我呂は考えが甘すぎる
お前じゃなく尾平だったら
殺られてたかもしれねェと苦言を呈す。
村で帰りを待ってる嫁の東美に
何て言うんだよお前はと。
信はそれは・・・そうならねェよう
気をつけるしかねェと返すが
それで我呂が納得できるはずもなかった。
しかし信はそれでも
言葉を翻すことなく
力で制圧したらそれは支配だと語る。
秦は中華統一を目指しているが
・・・秦王は別に全土支配がしたいわけじゃない。
秦王はきっとじーさんみてェな
悲劇が起きない世界を作りたいんだ。
秦人だ 韓人だじゃなくて
秦出身の信だ韓出身の何とかだって言って・・・
交ざり合っていつか
痛みも喜びも共有して生きていく。
きっとそんな世界が作りたいんだ。
そのためには今の俺達は
難しいことをしなくちゃならねェ。
戦場の外じゃ秦兵は
相手の事を思いやる必要があって
痛みを持つ者達はその怒り・恨みを
抱えたまま前に進む必要がある。
そしてそれはきっと
秦兵よりも何倍も難しいことだ。
だから俺はこの刃を
無理矢理取り上げることはしねェ。
そう言って押さえていた
温形の手を離した信は
温形に語り掛ける。
・・・俺はあんたが痛みを抱えたまま
前に進めるようになるまで待つぞ。
それまで何度も刺しに来ていい。
俺はそれを静かに止めるだけだ。
あんたが自分で刃を
置けるようになるまでずっと。
そう言った上で
信は温形に言葉をかける。
あと一つ・・・温形 辛いだろうが
これだけは分かっていてくれ。
あんたは二十年前のその場所から動けず
ずっとそこにいるんだろうが
あんたの娘と孫はもうとっくに
そこにはいないんだ。
もうとっくに二人はあんたの側にいる。
頑張って前に進めって応援してる。
俺なんかに言われたくねェだろうが
二人はぜってェ・・・
信の言葉を聞き二人の事を思い出したのか
温形は短刀を手離し泣き崩れるのだった。
そんな温形の姿を誰も口を開くことなく
静寂が訪れる中、我呂は甘いと思っているのか
舌打ちすると今日はもうお開きだと言い
他の皆も片付けに動き出す。
そんな姿を見ながら羌礼は
隊長は時々かっこいいのー瘣姉と呟き
羌瘣は・・・時々ねと
笑みを浮かべるのだった。
秦の将軍である信を
刺殺しようとした大事件であったが
このことが騒ぎとして広まることはなかった。
その場にいた住人達は
後日咎められるとおびえていたが
それもなく驚き安堵した。
そしてその辺りからどこか
南陽内にいる飛信隊と住民達の距離が
少しだけ近づいたように感じられた・・・。
飛信隊の面々と住民達の間に
交流が生まれつつある中
信は一人悩んでいた。
そこへ羌瘣が姿を見せ
考えていたことを明かす。
我呂の言う通り
俺の考えは色々甘ェんだろうなと。
羌瘣もそう思っていたようで
こっちが武装解除してたから向こうも
一応武装の検査はすべきだった。
本当に尾平とかが刺されていたら
もう収集がつかなかったと思うと。
それについては信も同意するしかなく
・・・だよなと後悔する素振りを見せるが
羌瘣はそんな信に告げる。
でもそれをしたらお前の言葉は
住民達の心にあそこまでは
響かなかったと思うと。
信を揶揄うように
うん多分知らんけどと付け足した羌瘣は
・・・それにしても先が思いやられるなと語る。
武力統一したらこれが全土で
起こると思うと。
でもだから南陽を”理想郷”にしようと
言ったんだろ騰将軍は。
ここが出来たら隣の城を
そしてまた隣を隣を——ってやっていくのだと。
でもそんな簡単にいくはずもなく
どうすればいいのかと悩みだした信に
羌瘣はあっさりと告げる。
この問題はお前の頭で答えが出るなら
とっくの昔に解決してるから
だからあんまりマジメに悩むな。
王様らに任しとけと。
信はそのくらいは分かってる!と声を荒げるが
羌瘣は笑みを浮かべながら口を開く。
まーでもあの夜のことは
あれでよかったと思うよ 信と。
そう言われた信だが
自然に名前呼ばれた事の方が
気になったらしく・・・。
どことなく甘い空気になる中
信は羌礼に練兵だと呼ばれることに。
城外に出てきた信は
早速新たに飛信隊に配属となった
兵の紹介を受けることに。
山麓の小さい集落にずっと住んでおり
全員が見上げる程に背が高い邪毛族。
馬を自在に操り馬としゃべれるという
俔馬族とその族長であるポンヂ。
そして西の無国籍地帯から出てきた
”凡冥”の一団。
しかし凡冥の一団は戦闘の腕前はピカイチだが
だからこそ調子に乗っているようで
とにかく隊長の腕前を見せろと
ここ数日うるさいとのことだった。
それを聞いた信は自ら練兵してやると言い
一回まとめて真剣でかかってこいと告げる。
練兵のために城外へ向かう途中
羌瘣は言っていた。
南陽のことを悩んでばかりはいられないと。
信もそれは理解していた。
南陽も大事だが一番重要なのは
俺達が死なずに勝っていくってことだと。
羌瘣は次はもう王都新鄭だ。
国を滅ぼす戦いの熾烈さは
きっとこれまでの戦いの比ではないはずだと言い
信もそれに同意していた。
だから今のうちに飛信隊を
全力で鋼のように鍛え上げる!と。
隊長である信が相手をしてくれると聞き
凡冥の一団は自分達が負けるなど露とも思っておらず
ヘラヘラと嗤いながら全員で襲い掛かるが
次の瞬間、信の一撃を受け吹っ飛ばされていた。
気合が入りまくった信の一撃を受けた
凡冥の一団は誰一人動けず倒れ伏し
周りから大丈夫かと心配されるほどで・・・。
そんなことが起きているなど露知らず
貂は一人筆をとっていた。
そしてようやく書きあがったのか
筆を置くとすぐさま伝令を飛ばす。
百将以上と今から名前をあげる者をみんな集めて
飛信隊の新しい軍編成を発表する!と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回のラストの流れから
どうなることかと思ってましたが
なんとも信らしいなという感じ。
我呂が言うように甘いとしか言いようがなく
尾平や一般兵だったら
下手すれば命を失っていたでしょうけど
南陽を理想郷にするためには
間違ってはいないのかも。
それにしてもこれからの戦いはかなり
難しい舵取りが求められそうですよね。
ただ敵国を倒し滅ぼすだけでなく
その後のことも考えなきゃいけないわけで
文官のみならず武官もまた
対応に苦労するだろうなと。
ただそうしないと中華統一も
ままならないでしょうし
やるしかないんでしょうけど
適応できない連中も出てくるんでしょうね。
そういった連中を取り締まったりすることも
必要になってくるでしょうし
考えれば考える程、大変だなと。
これについては羌瘣の言うように
王様らに任せるしかないとして
貂が新たな飛信隊の軍編成を考えたようですね。
前の時には渕さんが五千将になるなど
大きなところの発表があっただけで
詳しいところまでは明らかにされてなかったですし
どうなったのか気になる所。
一気に軍容が大きくなったこともあって
昇進するものもいるでしょうし
一体どういう形になるのか楽しみです。