2025年6月19日発売の
週刊ヤングジャンプ 29号に掲載されている
キングダム 第840話の
ネタバレ&感想になります。
第840話 譲渡
内容ネタバレ
洛亜完の檄に従い屈辱と共に
新鄭を後にしていく洛亜完軍。
そうした中、ヨコヨコは
洛亜完に声をかける。
皆を蘭城へは私が引きつれていきます。
洛亜完様は新鄭にお残り下さい。
新鄭の・・・いや韓の男達はこの先いずれ
秦兵として戦地へ送られることになります。
それは決して簡単なことではありません。
どうかこれから厳しい運命を歩む
彼らの先導役を務めて下さい 洛亜完様と。
しかし洛亜完はヨコヨコにいや むしろ
その役目をお前に頼みたいと返す。
どう転んでも勝つと息巻いて出陣し大敗した。
そして国滅亡という最悪の結末を招いた。
今の俺は生き恥をさらす気力も残っておらぬと。
それは私とて同じですよと言うヨコヨコに
お前は生き恥に慣れているから大丈夫だと
冗談を言って揶揄った後、洛亜完は
兵士達に目を向け言葉を続ける。
だがこっちも誰かが先導してやらねばならぬ。
国の為に戦い激情の中にいるあいつらの終着地まで。
でなければ他に不幸を撒き散らすことになる。
韓はもう降服したのだ・・・と。
ヨコヨコは故にその役を私がと申し出るも
洛亜完はならんと拒否する。
それは第一将を務めた俺の役目だ。
頼む 行かせてくれヨコヨコと。
翻意させることは無理だと理解した
ヨコヨコは以前博王谷が言っていたことを
思い出したのかその事に触れる。
一番不器用そうな博王谷様が
”洛亜完が一番不器用だ”と
言われていたのを思い出しますと。
楽亜完は無骨と言えよと一笑に付しながらも
ヨコヨコに感謝の言葉を伝える。
・・・たった一つの小さな恩だけで
長く俺を支えさせた。
お前には感謝の言葉しかないと。
その言葉を受けヨコヨコは
頭の被り物を取りながら言葉を返す。
人生を捧げるに値するほどの大恩ですと。
旧い血筋のせいで二つの旧国の勢力から
賞金首を賭けられ 全てを失い行き場を無くした
私と家族を助けて下さった。
その後亡くなった妻と息子のために立派な墓まで。
あの時感じた恩の重さに報いるためには
もっともっと長く貴方様に
お仕えせねばなりませんでしたと。
その言葉を受け止めながら洛亜完は
ならば後のことを頼むとヨコヨコに後事を頼む。
すまぬな 最後までお前に甘えさせてもらうと。
そんな洛亜完からの最後の頼みを
ヨコヨコは・・・しかと承りましたと受け入れ
互いに武運を祈り合うのだった。
寧姫は洛亜完らが軍を率いて
南門から出るのを呆然と見送っていた。
そんな彼女を心配し声をかける騰だが
寧姫はそんな騰の声に反応し目を向けるが
その瞬間、糸が切れたかのように倒れてしまい!?
一方その頃新鄭 西門が開門し
飛信隊はようやく入城を果たしていた。
飛信隊の面々は戦っていないのに
韓の王都に入れたこと
そして秦の旗が立っていることに
状況が理解し切れず戸惑っていた。
それでも本当に戦いは終わったのだと
王都を落としたのだと歓声を上げるが
信は喜ぶことなくじっと佇んでいた。
羌瘣はそんな信にどうした?と声をかけ
信は淡々と今の心境を答える。
戦ってねーからかも知んねーが
実感がわかねーつーか
何か国を亡ぼすってこんなものか・・・ってなと。
その頃朝廷では未だ降服が納得できない
夏侯龍が一人騒いでいた。
宰相である張は城内の様子を
調べてきた者達から話しを聞いており
他の文官たちはもう終わったのだと
これから我々はどうなるのかと呆然としていた。
夏侯龍がまだ終わってなどいないと
皆を奮起させようと檄を飛ばす中
この期に及んで何をまた騒いでおると
王安王が姿を見せる。
文官達が王の髪が真っ白に
変わっていることに戸惑う中
夏侯龍は王に対して吠える。
よくも勝手に城門を開き降服宣言などと・・・
衛兵斬れっ この裏切り者を大反逆者を斬れェィ!と。
王と共に来た衛兵たちは
その声に全く反応することなく
事態を窺っていた文官たちは
この事態に戸惑いを隠せずにいたが
王安王は衛兵に告げる。
降服してもう王ではなくなるが
最後に一つだけ命令を
衛兵 このバカを斬れと。
皆がその発言に驚く中
衛兵たちは王の命に従い
夏侯龍へと襲い掛かる。
夏侯龍は為すすべなく討ち取られ
王安王はじっと玉座に目を向け呟く。
玉座ってあんなに高い所にあったのじゃなー。
・・・全てが怖くて
皆と同じ所にいるのが怖くて
できるだけ高い所に玉座を作らせたが
あんなに高かったとはと。
そして傍らに立つ張に感謝を伝える。
・・・張宰相 長年何一つ決断できぬ
儂の代わりに為政を進めてくれて心から感謝すると。
張は・・・何をおっしゃいますか大王と返すが
王安王は最後にもう一つだけ頼んでもいいかと
ある頼みごとを口にする。
韓の統治権を滞りなく秦へ
譲渡する段取りを作ってくれと。
王としての最後の頼みを
張は・・・しかと承りましたと拱手礼で返し
王安王はうん 宜しく頼むと
玉座から目を離すことなく伝えるのだった。
韓が降服したとの報せは
すぐさま咸陽にも届き・・・。
「史記 秦始皇本紀より」
『一七年 内史騰攻韓、得韓王安。』
始皇一七年(紀元前230年)
騰が韓を攻め韓王王安を捕えた。
「盡納其地。」
そうして韓の領土を全て秦のものとした。
つまり春秋時代を経 戦国時代となり
百七十年続いた戦国七雄の一角
「韓」がついに滅び 秦が吸収し
中華の国は「六つ」になったのである。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
王安王が騰の前に跪き降服したことで
秦と韓との戦いは終わりましたね。
その前から王の言葉で
降服が宣言されてはいたものの
こういったことは形式が大事なので
ここまでしてようやく終わりだと思います。
それにしても洛亜完に関しては
遅かれ早かれ離反した兵と共に
命を落とすだろうことは予想出来ますが
ヨコヨコは一体どうするんでしょうね?
韓の民・兵のために新鄭に残って
色々と秦に協力することになるでしょうけど
将の一人として軍に入るかどうかは
何とも言えないところかなと。
あれ程の実力者ということもあって
騰軍でも飛信隊でもどちらでも
歓迎したい人物だとは思いますが
洛亜完に忠誠を誓っていることもあって
最終的にどうするのか気になるところ。
韓の兵や民のために秦軍に入るという
可能性もあり得ると思いますが
結局ヨコヨコがどうしたいかでしょうね。
それはそれとして懸念していた
夏侯龍についてですが
まさか王が手を下すとは驚きました。
自分の手で韓を降伏させたことに比べれば
なんてことなかったのかもしれませんが
何か問題を起こす前に処断したのは
正直大したものだと思います。
それにしてもこれでようやく
韓との戦いが終わったわけですが
気になるのは他の国の動向でしょうね。
趙にしても魏にしても
新鄭が攻められた段階で本腰を入れて
救援に向かう手筈だったものの
結局無血開城したことで
それも間に合わなくなったわけで・・・
特に韓が滅んでしまった以上
救援という大義名分も無くなったわけですからね。
どう考えても後手を踏んでしまった以上
攻められる可能性を考慮して
自国の守りを固める可能性が高い気もしますが
李牧と呉鳳明がどう考えるかで
今後の動きが決まることになるかと。
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