2025年6月12日発売の
週刊ヤングジャンプ 28号に掲載されている
キングダム 第839話の
ネタバレ&感想になります。
第839話 反逆行為
内容ネタバレ
降服の報せが城内を駆け巡り
韓の民たちは戸惑いの中にいた。
それでも強制的に徴兵されていた
子供たちが戻ったことで
その家族は涙を流して喜んでいた。
しかしそれだけで秦を
無条件に受け入れるとはいかず
武装放棄が済めば獣と化すやもしれぬと
女達を地下へと隠す者達も。
そして当然ながら英呈平原と東砂平原で
息子を失った者達は降服を認めるはずもなく
死ぬまで戦えよ!と声を上げる者達もいた。
そんな住民達の間で諍いが起こり始める中
状況を探っていた者達からある報せが入る。
まだだ まだ西側で洛亜完将軍の軍が降服してない。
洛亜完軍はまだ戦おうとしているぞ
秦軍と真っ向から・・・と。
西側の戦力を率いた洛亜完軍に対し
東門から来た騰軍は北門から来た録嗚未軍と
南門から来た隆国・干央軍と共に
臨戦態勢を取りながらその動向を窺っていた。
最後のあがきってやつですねと零す
配下の声に同意しながらも
録嗚未は洛亜完軍を見て舌打ちする。
前列は決死隊風情だが・・・
後ろは子供共の民兵だ。
始まりゃーそんなことは言ってらんねー
ってわけにもいかねェだろ。
どうすんだ騰。
相当やりにくいぞ これはと。
騰は洛亜完の意志を窺うように
じっと目を向ける中
洛亜完軍の兵士たちが声を上げる。
始めましょう洛亜完様
騰の姿が見えています。
左右の挟撃を受けるでしょうが
全力で貫けば騰を討てますと。
そして意気軒高に突撃準備を叫んだところで
録嗚未・隆国・干央らもそうはさせじと
すぐさま動けるように指示を飛ばす。
両軍ともに一触即発の空気の中
洛亜完が一瞬目を閉じて
号令をかけようとした瞬間
軍の前に割って入ったのは寧姫だった。
その姿に目を見開く洛亜完に
寧姫は呼びかける。
武器を置いて投降してください洛亜完将軍。
韓はもう降服しました。
戦う理由は無くなったのです。
武器を・・・武器を置いて下さいと。
寧姫の姿に戸惑う兵士達もいたが
それでも大多数の兵士達は
降服など承服できず声を上げる。
ふざけるな勝手に降服など・・・
王家の暴走という話も聞いた。
従えるものかそんなものに。
さっさとそこをどかれよ
・・・巻き込まれますぞ寧様と。
しかしそれでも寧姫は
どきませんと声を上げる。
あなた方のお気持ちは痛い程分かります。
平原で二度も血を流したのに
王都は無血開城などと・・・
これまでの犠牲は何だったのかと・・・
しかしこれが最善と決断した・・・王家の決断です。
王国である以上 王家の決断に従ってもらいます。
洛亜完将軍 もうこれ以上の流血は無理です。
子供を含んだ民兵も多い
始まれば必ず犠牲になる・・・
そんなことはさせないで下さい将軍・・・と。
それでも兵士達は降服することを認めず
その意志を挫くことは出来なかった。
降服したのならもうお前は王族でも何でもない。
ただの女だ 構わん踏みしだいて行くぞ
どけェ騰の前に殺すぞォと。
しかしそれでも寧姫はどきませんと声を上げ
その姿に騰や録嗚未らも驚嘆する中
洛亜完軍の兵士は十分だと動き始める。
騰は洛亜完に呼びかけながらも
寧姫を助けるために単身動こうとした瞬間
洛亜完から待て!との声が。
全兵動くな!と命じた洛亜完の命令に
納得できない兵士達は何故止めるのですか!と
詰め寄らん勢いで声を上げるが
洛亜完は立て直すと告げる。
左に録嗚未 右に干央・隆国
そして正面に騰の精鋭。
左右の挟撃を受ける中、騰を討つことは叶わぬ。
それが分かっていて仕掛けるのは下策中の下策だと。
兵士達はそんな洛亜完の言葉に
戸惑いながらも声を上げる。
では我々はここで・・・投降するとでも・・・
そんなことをして平原で倒れていった
仲間達は喜びましょうや。
彼らの死は何だったのです 洛亜完将軍と。
しかし洛亜完は投降はせぬと皆に告げる。
南の蘭城に入りそこで軍を立て直し
改めて騰軍と戦う。
そして勝利し新鄭を奪還すると。
その上で洛亜完は声を張り上げ
兵士達に檄を飛ばす。
降服に納得がいかぬ者はついて来い。
但しこれは韓王家の命令に逆らう反逆行為だ。
その禁を犯してまで降服に抗い
最後まで戦うという者達だけがついて来い。
その他は新鄭に残り、父母兄弟と共に
これからの運命に真っ向から挑み歩んでいけ。
国は滅ぼうと韓の精神は
不滅であることを決して忘れるなと。
その声に誰もが動きを止める中
騰は隆国に告げる。
洛亜完軍を通せ 南門を素通りさせよと。
隆国が即座にその指示を了承する中
録嗚未はいいのかこいつら逃がして。
戦いがまた続くことになって面倒だぞと声を上げるが
騰は黙っておれ録嗚未!と一蹴。
納得できない録嗚未は怒りを露にするが
隆国はそうはならぬと判断していた。
今の檄で洛亜完について行くのは
血気盛んな将校とその配下達。
決して多くはあるまい・・・
その残党軍で新鄭奪還など出来るはずがないと。
そして騰は思う。
洛亜完は・・・立て直しなど考えておらぬ・・・
降服の流れの障害となる反乱分子を
全て城外に連れ出すのだ。
新鄭で無益な流血も摩擦も
起こさせぬために。
そして当然それは今
この場の寧姫を守るためでもある。
そのことはご本人も十分理解されている。
いや・・・ひょっとしたら
その先のことまで察しておられるやも知れぬ。
洛亜完は残党達と共に散る覚悟であることを・・・
兵達の”思い”をくみとって・・・
洛亜完の真意をくみとったのか
寧姫が涙を流しながらその名を呼ぶ中
洛亜完は出るぞと兵達に告げるのだった。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
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感想
軍を率いた洛亜完と相対したことで
どうなるかと思っていましたが
とりあえず戦いにはならなそうですね。
あの洛亜完が明らかに勝てない戦いを
挑むとは思っていませんでしたが
前の戦いでの犠牲もあったので
最悪やり合う可能性はあったのかも。
ただそれも寧姫が割って入ったことで
一瞬即発ではあったものの
回避できたのは双方にとって良かったと思います。
もしあの場に寧姫が来なかったら
落としどころを見つけることも
かなり難しかったと思いますし。
それにしてもやっぱり英呈・東砂の戦もあってか
そう簡単に降服は受け入れられないみたいですね。
実際に戦で身内や仲間を喪ったことのない
私には本当の意味で理解できるとは言いませんが
納得できないという気持ちは
わからないでもないなと。
兵士達も言っていたように
結局降服するんだったら
あの戦での犠牲は何のためだったのかと
思う気持ちは大きいと思いますし。
ただ、結局のところ
その戦で負けてしまったことが
全ての原因なのは間違いなく
録嗚未軍の兵士が言っていたように
最後のあがきでしかないわけで・・・
納得出来る出来ないは人によるので
一概には言えないところではありますが
今回洛亜完の株がかなり上がった気がします。
洛亜完もあの状況で勝てる可能性は
それこそほぼないと思っていたでしょうけど
それでも兵士達が求めるならば
戦う覚悟を持っていたと思います。
そして同時に彼ほどの男ならば
それが今後どう影響するのかも
十分に分かっていたはずですが
それでも仲間と共に殉じる覚悟を持って
騰軍と相対したんだろうなと。
恐らく洛亜完は韓が滅んだのは
勝てなかった自分のせいだと
理解していると思います。
先程も言ったように勝っていれば
今とは違う状況になったと思いますし。
もちろんそれでも最終的には
滅ぶ道しかなかったにせよ
もっと時間を得られたのは間違いないと。
最後のページの欄外にありましたが
”すべては後に残る者たちのために”
というのが全てだと思います。
韓の大将軍として共に戦った兵士達のため
そして命を賭して自分達を止めようとした
寧姫様のために洛亜完がした選択は
決して間違っていないかと。
納得できない兵士達を残した場合
いくら秦が穏やかに占領しようとも
遅かれ早かれ問題を起こしていたと思いますしね。
自らが犠牲になることをいとわず
残党を率いて新鄭を出る決断をしたのは
それだけで非凡であることの証拠だと思います。
なんにしても新鄭内での戦いは
一先ず避けられたわけですが
あと問題なのは治安維持軍と夏侯龍でしょうね。
洛亜完が彼らをまとめて同行させれば
懸念すべきことは無くなるんですが
そうはならないでしょうし
まだまだ新鄭内の混乱は続くことになるかと。
追い詰められた夏侯龍の怒りは
降服を決断した王と寧姫に向けられる
可能性が高いと思いますので
彼らを守れるかどうかが
今後の統治にも大きく関わる気がします。
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