2025年7月17日発売の
週刊ヤングジャンプ 33号に掲載されている
キングダム 第843話の
ネタバレ&感想になります。
第843話 巨大法治国家
内容ネタバレ
主な将たちが集まる中、開口一番に
騰を怒鳴りつけたのは録嗚未だった。
どうやら騰が寧姫を助けるために
自分も飛び降りたことを聞いたようで
何考えてんだよてめェと詰め寄るも
騰は全く取り合うことはなかった。
騰の話ではその後の寧姫は落ちついており
もう無理なことはされぬはずとのことだが
話を聞いていた信は思うところがあるのか口を開く。
ところで何か国を滅ぼされたら
王様とか王族とかは殺されんのかと
思ったけど、そうじゃねェんだな。
いや、そうしろってわけじゃなくて
なんとなくそう勝手に思ってただけだけどと。
そんな信に対し録嗚未は今は仮統治で
咸陽から高官が来れば王族斬首も有り得ると言うが
騰はそんなことはこの騰が決してさせぬと
南陽の時と同じように宣言。
録嗚未は南陽と王都は違うとして
そのノリやめろと言うも
騰の決意は変わらないようで・・・。
そうした中、隆国は口を開く。
韓王室の処遇は最も大きな問題の一つだ。
咸陽の朝廷も十分話し合っているだろうと。
全ては咸陽次第であることを理解した信は
貂にその咸陽からの高官はいつ来るんだと声をかける。
貂はそれこそ今日到着するって聞いたけど
そう口にした瞬間、急報が入る。
咸陽からの使節団が到着したと。
その報せを聞いた隆国が
我らの役目も一旦落ち着きそうだなと口にし
信は貂にどんな奴が咸陽から
派遣されて来たのかと訊ねる。
また南陽の剛京みたいな偉そうな奴か?と。
貂はそれが誰なのかまでは
オレにも分からないよと言いつつも語る。
偉そうかどうかは置いといて
ただわかっているのは剛京よりさらに上の高官だよ。
だって・・・実質その人達が韓という
大きな領土を治めるってことなんだから・・・と。
一方その頃、使節団は
西門を通り王都新鄭に到着。
そこには多数の文官達を引き連れ
法の番人である李斯と介億
そして秦軍総司令である昌平君の姿が・・・
韓の王族の処遇については
咸陽の朝廷にてギリギリまで決まらなかった。
反乱の根を残さぬために
王族皆殺しを説く派と
残すべしと引かぬ昌平君が
真っ向から対立したためである。
王族を消し去れば残りの五王国が
最後まで抗戦することになることを昌平君は説き
反対派は五王国を考える前に仮にも七雄の一国を
秦として治めることの難しさを説き
反乱の消耗だけは絶対に避けねばならぬと譲らなかった。
この件に関しては王家根絶派が圧倒的に多かったが
昌平君は決して引かなかった。
そのため最後は大王嬴政の決断に委ねられた。
王安王や寧姫、そして主だった文官達が
緊張の面持ちで沙汰を待つ中
昌平君は王である政の言葉を伝える。
第三十一代秦国王嬴政様は韓王室の血脈を・・・
断絶させない決定を下された。
王位は当然失うことになるが
公家としての地位は守られると。
その言葉に王安王らは安堵し
文官達の中には泣き出す者もいたが
昌平君は言葉を続ける。
いずれ自ら新鄭を訪れる故
その時は新しい国作りについて
共に考えを出し合おうとおっしゃられたと。
韓の者達がその言葉に拱手を以て応える中
それでは私の方からも一つ宜しいかと
昌平君の傍らに立つ李斯が前に出て口を開く。
秦国朝廷にて立法と行政をつかさどる
”法の番人”こと李斯である。
この韓はあの偉大な法家
韓非子を生んだ国だった。
俺は韓非子とは同門兄弟弟子であった。
故に韓非子の非凡さは誰よりも深く知る。
その韓非子は秦にて非業の死を遂げてしまった。
そのことについてはまた別の機会に話させてもらう。
今はそこではなく
それほどの天才がいたにも関わらず
この韓は韓非子を重用せず
儒家国家のままだったという点について話したいと。
これから糾弾されるのかと思ったのか
韓の者達は各々身を固くするが
李斯は勘違いしないで欲しいと語る。
そこを責めているのではない。
それはもう終わったことだからだ。
韓の民は皆これからは”儒”ではなく
”秦法”の下で生きてもらわねばならぬ。
それは国が滅んでボロボロの民に
さらに大きな変化を強いて
苦しめるものになるやも知れぬ。
だが その生き方を始めてもらわねばならぬ。
秦人が韓人を支配するのではなく
”法”の下に平等である国を作っていくために!
そのためにはここにいる文官・役人達
全員の協力が必要だ。
どうか韓人が新しい国が
間違った方向に迷い進まぬよう
皆の力を貸して頂きたい!
そう頭を下げた李斯の言葉に
文官達は感銘を受けたのか
歓声を上げるかのように応えていた。
その光景を見て李斯は
亡き韓非子に思いを馳せる。
韓非子・・・見ているか・・・
正にお前が居た韓から始めるぞ。
中華に初めて出現する
巨大法治国家誕生の第一歩目だ・・・と。
「以其地爲郡、命日潁川」
『史記』には韓を滅ぼした同年
秦は手にした韓の全ての地を
秦の郡として”潁川郡”と名づけたと記してある。
韓だった地に住まう民達は
正に”驚天動地”の出来事であった。
しかし韓存亡の戦いに参戦していない
地域にとっては国が滅びた
と言われても実感がなく辺境の地では
そんな戦いがあったことすら知らぬ韓人もいた。
新鄭から離れれば離れる程
情報は正確性を欠き混乱する村・集落があり
秦軍の凌辱を恐れて家を捨て逃げる
難民の河が出来た。
無論小さな抵抗を見せる地方もあった。
そういう反乱に対し新鄭から派遣された
文官・武官・役人からなる
鎮圧隊が必死に説得をした。
そこには元韓の文官・役人が組み込まれており
秦と韓が手を取り合う形で
まずは全地域の混乱を鎮めることに努めた。
城壁の上から一人城下を見ていた
騰の元を訪れた昌平君は
今回の戦いについて労いの言葉をかける。
此度の困難な戦い よくぞ成し遂げられた。
軍総司令としてそして丞相として
深く感謝と労いの言葉を・・・
そう口にしようとしたところで
騰はお待ちを総司令と口を挟む。
録嗚未や隆国達、そして何より
李信を呼び集めて話をしませぬか。
総司令にも彼らにも伝えたいことがありますと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
咸陽からの使節団が来たことで
ようやく信達の仕事も一段落
と言ったところですが
今のところ騰の願い通りに進んでいるみたいですね。
王安王や寧姫といった韓王家の者達も
命を奪われずに済みそうですし
後味が悪い事にはならなそうです。
まあ、そうは言っても問題は山積みでしょうし
これからが大変だとは思いますが
少なくとも信が出陣するというレベルでの
大事は起きなさそうな感じ。
これからは武官がメインではなく
文官メインで進むことになるんだろうなと。
といった感じで韓のことについては
これ以上信たちの出番はなさそうですが
今回の最後にあったように騰が皆を集めて
何を伝えようとしているのか気になるところ。
騰としても一国を滅ぼしたのは
初めてという事もあって
色々思うところがあると思いますので
それを伝えることになるのかなと。
騰としても寧姫のこともあって
このまま韓を放っては置けないでしょうし。
なんにしても騰の表情を見るに
それほど悪い事ではないと思いますので
いつも飄々としている彼が
一体何を語るのか楽しみです。
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