雑誌掲載最新話 キングダム

キングダム 最新 第835話 ネタバレ&感想 王の告白

2025年5月8日発売の

週刊ヤングジャンプ 23号に掲載されている

キングダム 第835話

ネタバレ&感想になります。

 

第835話 ふつうの人

内容ネタバレ

 

どうか大王様 大いなる檄を

宜しくお願い致しまする。

 

そんな夏侯龍の奏上に対し

韓の国王である王安王は

言葉を待つ皆に告げる。

 

敵は今 中黄道にある。

ならば新鄭へ来るまで今少し刻があろう。

 

よってしばし考える故

皆 休憩に入るがよいと。

 

皆が唖然とする中、王安王が下がり

残された者達は騒然としていた。

 

そうした中、寧姫は別邸へと向かった

父王の元へ行くと言い、向かおうとするが

そんな彼女に夏侯龍が声をかける。

 

寧様 大王様はいささか重い心労により

気が動転しておられるようです。

 

しかし大王のお言葉で民を奮い立たせ

新鄭が一丸となって秦国と戦わねば

お国は守り切れませぬ。

 

どうか寧様のお力で大王の心を鎮めて

本殿に戻って頂くよう宜しくお願い致しますると。


侍女と共に父王のいる別邸へと向かう途中

寧姫は洛亜完を見かけ声をかける。

 

しかし近くに寄った際に洛亜完の目の前に

首が並んでいるのに気づき

まさかと尋ねるが洛亜完は否定する。

 

これは夏侯龍の仕業です。

この首達は最悪の展開になることを想定し

秦への降伏の段取りを議論していたそうですが

”国家反逆”に当たるとして斬首されここに。

見せしめのつもりでしょうと。

 

不快感を露にする寧姫だが

侍女が首の中に王族がいることに気づき

あまりのことに信じられず声をあげていた。

 

動揺を隠せない寧姫に対し

洛亜完は語る。

 

朝廷も大分荒れているようですね。

あの張宰相がよりによって

夏侯龍に強権を与えてしまうとはと。

 

それを引き継ぐ形で

ヨコヨコも口を開く。

 

治安維持軍は外で戦う一般的な軍ではなく

城内で政治側とも繋がり

影の仕事も請け負う陰鬱な軍です。

 

そこに力を持たせると

急に日の下に出てロクなことをしません。

 

長の夏侯龍は正にそれを

象徴するような男ですと。

 

寧姫は張宰相本人も

持て余しているように感じると話し

しかし・・・それにしてもと口にすると

洛亜完は何を言いたいのか分かったのか同意する。

 

五歳以上を徴兵したのは大いなる誤りです。

開戦し秦軍が城内に入るようなことがあれば

新鄭ここは史に惨劇の城として名を刻みますと。

 

寧姫は・・・私もそう思います

しかし私にはそれを止めることが

出来ませんでしたと思いを口にする。

 

ヨコヨコは語る。

洛亜完様もその点を宰相に問われましたが

責任は全て自分が引き受けるとしかと。

 

それを聞いた寧姫は

引き受けられるものですかと

涙ながらに口を開く。

 

大勢の民の命が不意に失われた時

どう一人の老人が責任を取れると・・・

何を言って・・・バカですか本当にと。


そんな寧姫の思いに

洛亜完も同意した上で謝罪する。

 

寧姫・・・おっしゃる通りです。

しかし そもそも私が騰軍に敗れなければ

新鄭がこう追い詰められることも

ありませんでした。

 

責任は全て私にあります。

本当に申し訳ありませんと。

 

その言葉に寧姫は

そんな風に言わないで下さいと

感謝の気持ちを伝える。

 

軍の皆さんは国のために

命を投げうって戦って下さいました。

 

謝罪を受ける前に私達は

お礼を言わねばなりませんと。

 

自責の念を感じているのか

じっと目を閉じる洛亜完に寧姫は訊ねる。

 

洛亜完将軍 もし韓が滅んだら・・・

英呈平原での犠牲も東砂平原での犠牲も

全て虚しく無駄になってしまいますか?と。

 

洛亜完は・・・私の立場では滅ばぬように

秦軍をはねのけるとしかと返し

寧姫はさらに訊ねる。

 

・・・ではもう一つだけ。

両平原の戦いで死んでいった兵達は

国を守るために戦って散ったと思いますか?

 

それとも韓の”民”を守るために

戦い死んでいったと思いますか?と。

 

その問いに洛亜完は

思案した上で語る。

 

それは両方の心を以て戦ったと思います。

いや同じことだと思って

戦ったものがほとんどかと。

 

・・・しかしどちらの思いが

重かったのかと問われるのなら

死の際は家族を守るための思いではないかと

私はそう思いますと。

 

その言葉を聞き覚悟が決まったのか

寧姫はそのことを口にしようとするが

洛亜完は大王不在のようですので

城壁守備に戻りますと続きを聞こうとはしなかった。

 

しかし去る間際、洛亜完は

寧姫と目を合わせることなく口を開く。

 

私は私の役割を全うします。

寧様は寧様のお考えになる役割を

どうか全うして下さい。・・・ご武運を!と。


別邸にて茶を飲んで一息入れている

王安王のもとに寧姫が姿を見せる。

 

おー寧と気楽に声をかける父王に

寧姫はお気は確かですかと返すが

王安王は分かっておる

だからお前を待っておったと。

 

そして寧姫の分の茶を注ぎながら

儂は王として恥ずかしいことに

ふつうの・・・・人だと語る。

 

儂はふつうの職につき

ふつうの女と結婚し子を作り

ふつうの家庭を持ち

ふつうに生きてふつうに死ぬ。

 

本当はそんな人生を望む

ごくごくふつうの人なのだ・・・。

 

それが何を間違ったか

最も難しい時代の韓の王家に生まれ

そして今最悪の刻に玉座についておる。

 

天を恨まぬ日はない・・・

そんな儂にお前達はどうしろと言うのかと。

 

寧姫は何をおっしゃっているのですか

今はそんなことを口にしても・・・

しっかりしてください父上!と声をかけるが

王安王は昔を懐かしむように口を開く。

 

お前の母は新鄭一と言われる美しさで

儂は心底ほれていた。

 

お前がやっと生まれた時は

本当に嬉しかったよ。

 

そんなお前の母が早くに病死し

お前のことをいよいよひときわ可愛がっていた。

 

いつからかお前は儂の

生きる希望になっていたのだ。

 

そんなお前が嫁ぐという時は

本当につらかった。

 

しかしなぜか二回も

相手が急死し縁談が流れたと。

 

寧姫は・・・おかげで私は呪われた公主と

国の内外で言われましたよと不満を口にするが

王安王は何を笑っているのですかと

言われるほど満面の笑みを浮かべていた。

 

そして王安王は言葉を続ける。

その後お前の縁談の話は減り

お前も乗り気ではなくなった。

 

儂の跡を継ぐべきお前の兄・弟達は

ほとんどが未だ他国に人質に入ったままで

国内に残る者らは儂以上の臆病者で

屋敷にこもってこの今も女らと宴にふけっておる。

 

そのせいで女ではあるが気概も才もあるお前に

王家の代表になってもらっておること・・・

本当に申し訳なく思っている。

 

――が・・・これも天の計らいやも知れぬ。

ずっと苦労をかけているのに

お前は今さらに大いなる重荷・・・・・・を抱えさせられている。

 

英呈平原で騰と会い

無血開城を持ちかけられたそうだなと。


その事を知られているとは思わず

寧姫はど・・・どうしてそれを・・・と口にするが

王安王は知らいでか一応大王だぞ

情報源は無数に持つとして言葉を続ける。

 

騰の考えは正しい。

秦が本気で韓滅亡に動いたのなら

今の我々にそれを止めることは出来まい・・・

 

いや出来ぬ!

情報と策略で生き永らえてきた

この国だからこそもう見えている。

 

遅かれ早かれこの新鄭は陥落し

韓が滅ぶとするならそれはどこか・・・という問題。

 

そしてそれは兵をどこまで・・・

民をどこまで死なせるかという問題だ。

 

ならば・・・本当に民のことを思うのならば

今すぐにでも”降服”を・・・

 

だが・・・だがそれは

この韓の歴史を自ら閉じる行為だ。

 

百七十年も先人達が命懸けで守り繋いできた

この国の歴史を・・・終わらせると・・・

 

それはこれまでの韓人達の”思い”を・・・

大いなる”犠牲”を踏みにじる行為だ。

 

全てを無駄に・・・無意味に・・・

そ そんな度胸は儂にはない。

 

・・・かと言って秦王のようにもなれぬ。

かつて秦王は軍のいない”蕞”にて演説し

一般市民を兵士化し

そして何とその半分を死なせた。

 

なぜそんなことが出来る!

それでも人の子か!

儂にはとてもそんな真似は・・・

 

・・・だがそのおかげで秦は滅びなかった。

そしてそれを出来ぬ儂が王の韓は滅びる。

つ・・・つまり滅びるべくして滅びるのだ。

 

”どうにかしろ”と毎晩恐ろしい悪夢を見るが

儂は何も出来ず震えている。

 

け・・・結局・・・儂はいつも通り口を閉ざし

新鄭が火の海となり大勢が死ぬに死んで

”どうかもう降服して下さい大王様”

と皆から頼まれるまで

儂は何も出来ぬのだきっと・・・

何と恐ろしい 何と・・・

 

そう言って涙を流し蹲る王安王に

寧姫も涙を流しながら声をかけようとするが

ガンガンガンと大きな鐘の音が鳴り響く。

 

突然の鐘の音に体をビクッとさせる二人だが

同時にこの音が何を知らせているのか理解し

城壁の上にいる守備兵の目には

迫りくる秦の軍勢が・・・!?

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックスでどうぞ!


感想

 

夏侯龍からの奏上に対し

王安王がどう動くのかと思ってましたが

まさかの先送りとは・・・

 

この期に及んでの決断力の無さに

正直がっかりするところもありましたが

その後の告白を聞くと責められないなと。

 

王がふつうの人のような思考を持つことは

平時においては最良とは言えないまでも

最悪ではないと思います。

 

ただ即断即決を求められる戦時下においては

王として頼りないと見られても仕方ないかも。

 

それでも自国民を勝ち目のない戦に

駆り立てるような王よりは

遥かにマシではないかと思うわけで・・・。

 

本来ならばそんな王に決断を

促すように意見を出すのが

宰相である張の仕事だと思うんですが

引き入れた夏侯龍の手綱を握ることも出来ず

宰相こそが一番無能ではないかと。

 

まあ、このように国が亡ぶかもしれないような

事態を経験した者はいませんので

同情の余地はあると思いますが・・・。

 

ともあれ秦軍が新鄭に迫ってきたことで

遅かれ早かれ決断が迫られることになるかと。

 

出来ることならば寧姫が主体となって

無血開城の道へ進んでほしいところですが

夏侯龍の動き次第では難しいのかも。

 

洛亜完が夏侯龍を何とかして

押さえつけてくれればと思いますが

彼もまた敗戦したことによって

その責任を問われる立場なだけに

なんとも言えないところです。

 

なんにせよ流されるままに

このまま戦うというのは最悪ですので

どうにかして良い方へ進むことを願うばかりです。

 

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