2023年7月20日発売の
週刊ヤングジャンプ 34号に掲載されている
キングダム 第764話の
ネタバレ&感想になります。
第764話 怪物
内容ネタバレ
楚にて荀子のもとで学び
頭角を現していた李斯。
しかしその家は貧しく
本人も歯に衣着せぬ発言が多いことから
身分が上の子息から
バカにされることもあったが
それでもその知力の高さは明らかだった。
そうした中、李斯をも上回る成績で
入学試験に合格した者が現れる。
その者の名は韓非。
挨拶に訪れた彼が吃音であったがために
他の皆は本当にあいつなのかと訝しんでいた。
隠れてその様子を見ていた李斯は
思うところがあったのか
その名を呟くように口にし・・・。
姚賈は先の大戦で李牧の罠を知っていながら
桓騎を見殺しにした趙の”二重間者”だ。
韓非子のその言葉を聞き
狼狽える李斯だが
韓非子は話を続ける。
韓の情報機関の力は
君達が思っている以上のものであり
姚賈は危険人物として
我々は詳しく調べて知っていると。
昌文君の放った間者であった姚賈が
李斯によって飼われることになった
その経緯すらも韓非子は知っていた。
その上で告げる。
姚賈の”主”は私の知る限り
趙・魏・楚・斉の四ヶ国にいると。
いずれの国でも
”秦を裏切り二重間者として働く”
という約束をして
大金を手にして活動している。
実際のところ三重間者
四重間者のように複雑になっていて
一体姚賈がどの国のために
活動しているのか把握が困難だ。
だが今我々がつかんでいる情報では
姚賈は一年ほど前から
李牧の手の者として動いている。
さらに姚賈の手下達は
七国全てで諜報活動を行っていて
それを一手に束ねているのが姚賈。
その事実に気づいた我々は
姚賈を中華で最も危険な人物として
警戒している。
そういう”怪物”を君は
懐に入れてしまっているのだと。
あまりの事に戸惑いを隠せない李斯だが
事態を理解すると共に
姚賈に対して怒りを感じていた。
韓非子は正体がバレた姚賈が
姿をくらます可能性について示唆し
李斯もそんなことは分かっていると
声を荒げるがその前にと
韓非子に語り掛ける。
違う・・・違うであろう
俺はお前とこんな話はしたくなかった。
あの荀子の学び舎で
最初から卒業するまで
ずっと主席を通したお前と・・・
諜報屋の話など・・・。
なぜだ、なぜお前が情報機関などに・・・
韓に戻って何があったのだと。
韓非子は何も無い・・・
何も無いからこうなった・・・と語る。
戻って力を発揮しようにも
韓は儒家思想が強く
それと戦おうにも口下手でな。
ならば法の研究を進めるのみ。
しかし座学は十分やった。
世界の生の事情を知らねばと
情報機関に関わりをもつようになった。
そうするうちに愛国心のようなものも
不思議と目覚め韓のために
機関の仕事も少しな・・・と。
李斯はそのせいでお前は秦で
裁かれるかもしれず
もはや無事に韓に帰れぬぞと話すが
韓非子は致し方ないことだと
自分の未来を理解していた。
そんな韓非子に李斯は告げる。
俺はお前のことが大嫌いだったと。
お前がいたせいで俺はずっと
”二番”であり続けた。
どれだけ努力し勉学に励んでも
お前に勝つ事は出来なかった。
・・・俺は悔しいのだ。
それ程比類なき才能を持ったお前が
韓朝廷の要職にも就けず
秦でこんな形で無様に裁かれるなど・・・。
世の中には生まれの良さか
弁が立つだけのバカ者共が
官位についてのさばっているのに
お前はその吃音さえなければ
どの国に行っても偉大な宰相となり
歴史に名を残したはずだと。
その言葉を聞いた韓非子は
李斯に礼を述べつつ語る。
ありがとう。
だがこのおかげで人と話さずに
ひたすら書を記し残すことに専念できた。
宰相として名を残せなくても
私の”書”が後世に私の名を
残してくれるやも知れないと。
それで十分だと笑みを浮かべながら
韓非子は李斯に最後に一つ
教えてあげようかと語り始める。
荀子先生の学び舎の時
どうして君が一度も私に勝てなかったのか。
私も死ぬほど努力したからだよ。
君に負けてなるものかと
本当に死にもの狂いで。
驚く李斯に韓非子は
入学して本当に驚いたと語る。
君みたいに優秀な男がいようとは。
だから私は常に君に抜かれないように
血尿が出るほど勉強し
結果君のおかげでさらに
賢くなり続けることが出来たんだと。
突然の告白に李斯は
それを言うなら俺こそお前に勝つために
努力して頭が・・・と返すが
韓非子は告げる。
李斯 もし秦が中華を統一したら
その世界の在りようは
君の双肩にかかっている。
しっかりやって
その名を歴史に刻め
我が友 李斯。
その時が来たら法家の力を
見せつけてやれと。
韓非子と姚賈のことを
大王へ報告するために向かう道中
李斯は思う。
他国の王族といえど
諜報活動をしておいて
目をつぶるわけにはいかぬ。
しかしこれを裁くとなると”重罪”
本来なら斬首まで追い込むところだが・・・。
相手は韓非子・・・
韓の王族云々の前に
失うにはあまりに惜しい才能。
よって軽罪もしくは
理由を作って不問にし
今度こそ韓と手を切らせて
俺と共に秦のために働かせるのが
一番の国益だ。
いや、俺は今ただ韓非子を
個人的な気持ちで助けたいだけで
公正さに大いに欠けている・・・。
とにかく有りのままを
大王に報告するまで・・・
考えるのはまずそれからだ・・・と。
そして政の元へ通された李斯が
早速韓非子と姚賈のことを
報告しようとした瞬間急報が届く。
息を切らせながら
駆けこんできた者は報告する。
韓非子様が亡くなられたと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
李斯が楚の学び舎で
初めて韓非子と出会ったところから
始まった今回ですが最後の最後に
とんでもない事態が起きたみたいですね。
互いに思うところを明かして
確かめ合えた矢先にこの訃報は
流石に想定外もいいところ。
どういった形で亡くなったのかは
定かでありませんが
考えられるのは二つ。
一つは姚賈が韓非子を脅威と判断し
姿を消す前に暗殺。
もう一つは韓非子自身が
刑に処される前に自ら命を断った。
のどちらかかなと。
どちらも考えられることですが
李斯に全てを話した上でのことなので
それ以上を望まずに命を断った
可能性の方が高い気もします。
それにしても姚賈ですが
思っていた以上に
厄介な人物のようですね。
韓非子の言葉を全て鵜呑みにすれば
二重間者どころか下手をすれば
四重間者とかまさに”怪物”かと。
それが事実だとすれば韓が
中華において最も危険な人物だと
評するのも分かる気がします。
正直金のためにそうしているのか
それとも権力を持つためなのか
はたまた別の目的があるのかはわかりませんが
間違いなく秦にとって
厄介な人物なのは間違いないでしょうね。
韓非子の読み通りならば
すでに姿を消していると思いますが
その動向は今後も要注意かと。
なんにしても次回は
韓非子が命を落とした背景なりが
明らかになると思いますので
李斯がどう動くのかも含めて
どうなるのか楽しみです。