2024年7月11日発売の
モーニング 32号に掲載されている
宇宙兄弟 414話の
ネタバレ&感想になります。
第414話 ブライアンのように
内容ネタバレ
自分の息づかいしか聞こえない
真っ暗な宇宙空間を漂う中
六太は腕時計に目を向ける。
この時計——2~3日は
動いてるんだろうな・・・
俺が死んだ後も・・・。
アスキャンの教官だったヤンじいは言った。
「人生はコントロールが効く」と。
コントロールできないところまで
来ちゃったよヤンじい・・・
ここじゃなにもできない。
唯一出来たのは時計のリユーズを
巻くことくらいでそれももう終わった・・・。
あとは・・・死に方か——。
あと4時間ちょっとで
宇宙服の電池より先に
酸素が尽きて酸欠になる。
やっぱ苦しいんだろうな・・・
日々人も経験したんだよな。
どんなだったか聞いておけば良かった・・・。
しかしそう思ったものの
パニック障害で苦しんでいた姿を思い出し
いや・・・聞けるわけないか・・・と思い直す。
酸欠で死ぬとなると
10分くらいは苦しむんだろうな・・・。
ああ~長いのは嫌だな。
ヘルメットを脱いだらすぐ死ぬかな。
なんかの映画でヘルメット外した瞬間
凍りついてたけど・・・
あんな風に一瞬で死ねたらいいな。
そう思い首元のボタンに手をやるが
いや凍るかな・・・と手を止める。
確か・・・人体が真空に晒されると
体中の水分が一気に沸騰して
吹き出して蒸発するんじゃなかったけ・・・
それでミイラみたいになる。
ひどい死に方だけど
一瞬で終わるならまだマシか・・・。
本当に一瞬ならいいけどな・・・クソ・・・!
そんな自分の考えにイラつきながらも
いやちょっと待てよと考える。
ヘルメットを外したら
隙間から一気に空気が噴き出す。
ヘルメットが物凄い勢いで
吹っ飛ぶんじゃないか・・・?
そうだよな多分。
だとしたらその衝撃でアゴが吹っ飛んだり
首も折れるかも・・・。
衝撃で気を失えたらラッキーだな・・・。
本当に苦しくてヤバかったら
発作的に脱ぐかもなヘルメット・・・。
そう考えながらも六太は
死にたくねえよ・・・!と目を瞑るが
その時脳裏に浮かんだのは
以前見たブライアンの最期だった。
ブライアンは最後の最後まで
どうにかして墜落をどうにかしようとしていた。
今後の事故調査できっと役に立つと
笑みを浮かべながら・・・。
六太は今の状況になって
改めてブライアンの凄さを理解していた。
そして彼と同じように
何か残せないかと録音を始める。
あ あ・・・えー・・・南波六太です。
今はUTC8時・・・あ・・・
2029年7月30日の8時18分——。
船外移動中ベルトが切れて・・・
気が付いたらソユーズとはぐれて
流されてました。
現在月面上空・・・
高度はえーと・・・分からないけど・・・
ソユーズよりちょっと高いくらい・・・
120㎞くらいかな・・・。
あ・・・楕円軌道になって
高度は上下変化してるかもしれません。
通信は不通。
電池残量48% 酸素も4時間ちょっと・・・。
落ち着くために・・・喋ってます。
誰かに・・・聞いてもらいたいな。
もし俺が死んで何年後か何十年後か
もっと先か分からないけど・・・
俺の遺体を見つけてこの録音を聞いて
「こんな奴がいたのか」って
知ってもらえたら嬉しいよ。
ああ~クソ!
ああそうだ遺体は博物館とかに
展示してもらえたら嬉しいな。
「月上空で発見された宇宙飛行士のミイラ」
って解説付きで。
ああ~それがいいな。
みんなで俺のミイラを見て
”シャロン月面天文台”に関わった男に
想いを馳せてもらえれば・・・。
それからこんな・・・こんな死に方を
次の飛行士達がしなくていいように——
この音声や俺の死が何かの教訓になって
きっと役に立つと信じてます。
そう録音した六太思う。
どうせ死ぬなら俺も
ブライアンのように・・・と。
一方その頃NASAではなんとかして
六太と交信する方法はないのかと話し合っていた。
しかしソユーズから離れた以上不可能で
更新には宇宙服の電力消費も伴うことから
交信するのは現実的ではなく・・・。
そうした中、紫は声をあげる。
こっちからのメッセージだけでも
送る方法はないか?と。
紫はそのためにある考えを口にするが
それを聞いたバトラーは決断する。
やってみる価値はある。
いいぞムラサキ 今すぐ取りかかろう!と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回の流れから六太のメンタルが
限界になってきているのはわかってましたが
なかなかにキツイ回でしたね・・・。
これまでどんな逆境にも負けず
時には仲間と協力する事で
乗り越えてきた六太ですが
何もできないというこの状況では
仕方ないのかも。
久々に記憶の中とはいえ
ヤンじいとブライアンが出てきたのは
展開としてはアツかったですが
それを喜べない程に今の六太を
見ているのが辛い・・・。
ブライアンの事を思い出したことで
録音を始めたものの
内容が内容だっただけに
なんとも言えない感じでした。
そんな六太にメッセージだけでも
届けようとNASAで動きがありましたが
まさかの紫発案とは驚きです。
いつもはお調子者で
皆のムードメーカーである彼が
六太のために何かできないかと
必死に考えてのことだと思いますので
何とか成功して欲しいものです。
六太としてもメッセージが届けば
一人じゃない事を理解して
今の絶望から脱する事ができるかもしれませんしね。
とりあえず今回はどんな方法なのかまでは
明らかになっていませんでしたが
バトラーがすぐにGOサインを出した以上
それなりに成功する可能性は高いかと。
次回にでも詳しい話があると思いますが
六太のためにも成功して欲しいものです。
気になる続きについてですが
次回は8/8発売の36・37合併号に掲載予定との事。