アルスラーン戦記 40話のネタバレ&感想になります。
第40章 三つの理
内容ネタバレ
城からなんとか脱出することに成功したヒルメスは
少し離れた場所から自分を探す兵士たちの様子を見ながら
あの時バフマンが叫んだ言葉について考えていた。
バフマンの言い方からアルスラーンが正統の血を引いていないこと、
そしてその父であるアンドラゴラスも王家のものではなかったのではないかという
疑念が生まれていたがなんにせよますます自分が王位を回復しなければならないとして
馬に乗り笑みを浮かべながらその場を後にするのだった・・・。
スポンサーリンク
ヒルメスとの邂逅とバフマンの発言によって意気消沈していたアルスラーンだったが
一先ず眼前の敵のことを考えるのを優先しナルサスらと対策を話し合うことに。
現在バフマンはとても話が出来る状態では無いようで
アルスラーンは戦いを前に頼りになる人物が一人欠けるのはつらいと考えていたが
ナルサスはそんな心配を一蹴しシンドゥラは破れると断言していた。
ナルサスはシンドゥラ軍が破れるべき三つの理由があると話し
「天の時」「地の利」「人の和」の三つの理を全て犯しているからだと語る。
まず「天の時」今は冬で暑さに慣れたシンドゥラの兵にはつらい時季である事、
第二に「地の利」夜明けまでに奇襲をかける気だろうが夜ということもあり
地理に不案内な者にとっては無謀以外の何者でもない事。
そして第三に「人の和」ガーデーヴィーにしろガジェンドラにしろ王位を争う中
一時の欲に駆られて侵攻してきたことは
競争相手に知られたら後方から襲い掛かられるはずだと語る。
その上でナルサスはこれらの危険をシンドゥラ軍が背負っている限り
たとえ大兵力でも恐れる必要はなく、自分達がこのシンドゥラ軍を打ち破り
ついでにこの二・三年ほどは東方国境を安泰にしてご覧に入れましょうと
自信ありげに述べるのだった。
そうしている内に敵の総指揮官がラジェンドラ王子であることに加え
兵数は五万ほどだという報告が。
その報告を聞いたナルサスはすぐさま策を考え付いたらしく
ダリューンにラジェンドラを生きたまま捕えるように伝え
笑顔でラジェンドラ王子を助けに行きますかと話すのだった。
それからキシュワードに騎兵を五百ほど借りたナルサスは
ギーヴとファランギースにアルスラーンの護衛を頼むが
そこへエラムが自分も殿下の護衛をしたいと申し出ていた。
しかしエラムには別にやってもらいたいことがあると指示するものの
エラムはアルスラーンを一人にして危険にさらしてしまったことを気にしているらしく
アルスラーン自ら説得することで渋々従うことに。
そして着々と戦の準備が行われる中、
ダリューンからアルスラーンの器量について問われたナルサスは
殿下は主君として得難い資質を持っていると話し
それは部下に対して嫉妬というものをしない事だと語る。
なまじ自分に自信があると部下の才能や功績に嫉妬を抱き
挙句に疑い怖れ殺してしまうこともあるが殿下にはそれがないのだと。
その上で例えるならば自分達は馬であり殿下は騎手、
名馬を乗りこなす騎手は名馬と同じくらい早く走らねばならぬものだろうかと語ると
ダリューンもその答えに納得したようで兵を連れ出陣するのだった。
そんな様子を城壁の上から見ていたアルスラーンが傍らにいる
ファランギースに王太子である自分こそが進んで危険を犯すべきではないのかと
自身の心情を吐露していた頃、同じように護衛を任されたギーヴは
アルスラーンたちから離れ一人で行動していた。
その帰りでファランギースと会ったギーヴはバフマンの部屋で
キシュワードが言っていたヴァフリーズからの手紙を捜そうとしたものの
見つからなかったようで・・・。
そして警備の打ち合わせに行くというファランギースと別れ、
ギーヴは殿下のもとへ向かうがその途中何かの気配を感じ
剣を抜きかけるも気のせいだと判断しその場を後にしていた。
しかしギーヴが去った場所では篝火に照らされた影が一人でに動き出し
人の姿を取りながら笑っていたのだった・・・。
一方、ペシャワールへ奇襲を仕掛けようと行軍するラジェンドラ率いるシンドゥラ軍は
ラジェンドラの檄によって一部の兵士の士気が高いものの
大多数の兵達はパルスの寒さに体を震わせていた。
そんな折、突然後方の物資を載せていた牛車の牛に矢が突き刺さり騒ぎが起きる中、
ラジェンドラのもとにガーデーヴィーが大軍を率いて軍の後尾に襲い掛かったとの報せが!?
いきなりのことに取り乱すラジェンドラたちに対し
さらにどこからかラジェンドラ王子がパルス軍の捕虜となったとの報告が入り
意味が分からず呆気にとられるラジェンドラだったが
太陽が上がる頃何故かロープで捕えられてしまっていた。
そんな彼の前には笑みを浮かべるアルスラーンやナルサス達がおり
ラジェンドラはなにが起きたのかわからずなんでこうなった・・・!?と
独り呟くのだった・・・。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
なんて言ったらいいかよく分からないですが
とりあえずラジェンドラ君お疲れさまでしたって感じですかねwww
流れ的にどう考えてもシンドゥラ軍が勝つことは無いだろうなと思っていましたが
まさかあんなにもあっさりラジェンドラが捕まってしまうとは思いませんでした。
全ては予告にあるように次回に明らかになるんでしょうけど
なんていうか言葉も無いとはこのことでしょうね。
それはそれとして今回の話を読んで思ったのは
エラムとナルサス、そしてダリューンがどれほどアルスラーンを慕っているか
よく分かったこという事。
まあ、エラムに関してはアルスラーンを一人にして危険に晒させたのは自分だと
自分を責めているからの護衛嘆願だったんでしょうけど
それにしたって出会った当時のエラムだったら何も言わなかったでしょうし
それだけエラムとの仲が縮まった証拠じゃないかなと。
ナルサスはダリューンとの会話での器量の話もそうですが
ちゃんとアルスラーンを良き王として教育しているのがよくわかりますし
これは何事にも代えがたいことだと思いますしね。
最後にダリューンに関してですが
「どのような事情、どのような秘密があろうとも、アルスラーン殿下は俺のご主君だ」と
真顔で言っちゃうくらいですから他に言葉はいらないですね。
なんていうかファランギースやギーヴ、キシュワードもそうですが
ああいった得難い人物がアルスラーンの側にいてくれるだけでも
王に相応しいと思いますね。
それに引き換え、ヒルメスはサームはともかくザンデくらいしかいないわけですから
この時点でアルスラーンの器には及ばないかなと。
それらが明らかになるのはまだまだ当分先の話しですので置いておくとして
あの人のような影は気になりますね。
おそらくヒルメスと手を組んでいるっぽい魔術師によるものだと思いますが
現状内部が晒されているに等しいですし
どうにかしないとマズそうですよね・・・。
あの状態で誰かに危害を加えられるかどうかはわかりませんが
あのギーヴでさえも気配だけしかわからなかったのが問題でしょうね。
まあ、ダリューンだったら気配だけで槍を繰り出して
刺し殺してしまいそうな感じではありますが。
第39話へ