2025年5月15日発売の
週刊ヤングジャンプ 24号に掲載されている
キングダム 第836話の
ネタバレ&感想になります。
第836話 王族の役目
内容ネタバレ
秦軍襲来を知らせる鐘が鳴り響く中
強制徴兵された民兵たちは
本当に始まるのか・・・と思いながら
守備兵に従い持ち場に向かっていた。
民兵は予備軍の位置づけらしく
正規軍が減ってきたら
城壁に上げられるとのことだが
いざ戦争になるということで
死にたくないと泣き言を零す者も・・・。
そして正規軍として
城壁に上がった兵士たちだが
誰もが言葉を発せずにいた。
新鄭を包囲するように
続々と集まる秦軍の姿に
兵士の一人は戦々恐々としながら呟く。
ちょっと待て・・・こんな数
こ・・・これが・・・秦軍・・・と。
各軍が新鄭を包囲していく中
飛信隊が任されたのは西門だった。
鄴よりもさらに大きい新鄭の威容に
隊員たちは驚きながらも
この城を落とせば韓が滅ぶのだと
気合をみなぎらせていた。
それは信も同様であり
皆にやるぞ!と声をかけながら思う。
ようやくここまで来たぞ政――
一個目の王都だ!と。
一方、録嗚未もまた己の軍と共に
新鄭にじっと目を向けていた。
配下の者達から新鄭を見るのが
二度目であることから
ここに活きますか?と聞かれ
あったりめーだと返す。
・・・例えば偽情報に惑わされねェで
正確なデカブツを準備できるとかな。
そんな録嗚未の言葉に応えるように
軍の後方から巨大な井闌車が姿を見せる。
新鄭攻略のために新しく制作された
巨大な井闌車が配置につき
録嗚未軍の者達は早くも勝鬨を上げ始める。
この巨大さもはやこれは・・・
勝ったも同然・・・
我が軍の勝利だ・・・と。
そんな録嗚未軍の様子が目に入った
田永は不満を口にする。
くそっ録嗚未軍にあるってことは
騰軍は各軍持ってるってことじゃねェのか。
飛信隊だけ持ってねェぞと。
そんな田永の不満に対し
貂は心配いらないと語る。
新鄭用の長梯子を準備してきた。
井闌車はそう何個も作れないけど
梯子はたくさん作れる。
飛信隊は飛信隊のやり方で戦うと。
外の秦軍が喚声を上げたことで
新鄭の者達が戦々恐々とする中
寧姫は王安王からあることを教えられていた。
寧姫は父上・・・今何と・・・と聞き返すと
王安王は俯きながら語る。
西壁の王家専用の門は
今も儂の配下達が強く掌握してある。
つまり夏侯龍の目は
そこに届いていないということだ。
そして・・・と続きを話そうとした時
本殿から二人の文官達が訪れる。
何か話しているのか向き合う二人を見た
文官達はこの音が聞こえないのですかと
お早く本殿にお戻りをと声をかける。
王安王は文官達に支えられる形で
本殿へと向かうが
寧姫は私は別に行く場所があると告げる。
文官達は王安王に促される形で先を急ぐが
王安王は立ち去る際にじっと寧姫を見つめ
寧姫もまた歯を食いしばって
その目を見返していた。
王安王が文官達に支えられながらも
本殿に戻り玉座に腰を下ろす中
文官の一人は夏侯龍に
本殿に居て宜しいのか?と声をかける。
それに対し夏侯龍は無論ですと語る。
今の私の役割は新鄭が一丸となって
秦軍と戦えるよう城内を制御すること。
”本営”である朝廷にいるのは当然で
それを妨げる反逆行為が起きないか
監視する必要がありますと。
その言葉を聞いた文官達が
苦々しげに顔を歪める中
夏侯龍は寧姫様がいないことに気づく。
その上寧姫と会っていた王安王に
寧姫はどこへ行かれました?と尋ね
答えが無かったことに声を荒げるが
その頃、寧姫は侍女と共に
ある場所へ向かっていた。
その道中、兵士の格好をした
遠縁とはいえ王族である
謙周と謙布を見かけ声をかける。
二人は王居の守備につくらしく
寧姫は二人に告げる。
もし万が一秦兵が現れたら
武器を捨てて投降しなさいと。
しかし二人は戦わねば新鄭は・・・
父と母は守れませんと言い
その瞬間寧姫は悪夢で見たように
二人が殺される光景を幻視していた。
その事で顔色を変えたことで
二人に心配されることになったものの
とにかく死なないでと伝え
寧姫は先を急ぐのだった。
少し時は戻り別邸にて王安王は
寧姫にあることを語った。
そして・・・そして王族しか入れぬ
”東龍の塔”の鐘を鳴らせば
城門を開く段取りも施してある。
今のあの朝廷で降服を持ち出せば
いかに王の儂とて命を奪われるやも知れぬ。
ならば一つの門を開き、騰軍を入城させ
夏侯龍らが騒ぐ前に強引に降服宣言をし
騰軍に新鄭全体を御してもらう以外
民を守る手はなかろうと思ったのだ。
但し本当に無血開城し
降服をするとしたら・・・だ。
さっきも申した通り・・・儂には出来ぬ・・・
出来ぬが準備はしてある・・・という話だと。
苦悩する父の言葉を聞き
寧姫はならば私がと動こうとするが
待て寧と王安王がそれを止め
さらに言葉を続ける。
・・・度胸がない・・・というだけではない・・・
本当に・・・いいのかという迷いの方が大きいのだ。
本当に間違っていないのかと
”降服”をして・・・この韓の歴史を
閉じてしまうことが・・・本当に・・・
苦悩し決断できない王安王に
寧姫は私も分かりませんと返しつつ
己が思いを口にする。
しかし・・・開戦して・・・
殺し合いが始まってから門を開いても
侵入した秦兵は戦いを止めぬのでは・・・
そうしたら城内は血の海になるやも知れません。
そしてそこには子供達の血まで・・・
そうなる前に・・・民の命を守るのが
王族の役目・・・それが出来るのは王族しか・・・
王安王の手を取り訴えかけるように
そう語ったところで
本殿に戻ってほしいと文官達が訪れ・・・
東龍の塔へと急ぐ道中で
寧姫は韓の旗を目にし涙を流していた。
正直何が正しいかなんて
私にも分からない。
分かるわけがない!
とにかく・・・今は・・・”東龍の塔”へ・・・と。
一方、秦軍は新鄭の包囲を完了し
開戦の時をただ待っていた。
しかし騰からの号令はなく
録嗚未が何かあったのかと伝令を走らせる中
騰はじっと新鄭に目を向け”応え”を待っていた。
私の言葉にどうかお応え下さい・・・
どうか寧姫・・・と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ついに新鄭に秦軍が襲来して
韓はそして王の決断は!?
という感じの回でしたが
思っていた以上に王安王は
出来る男だったみたいですね。
まあ、それでも決断力があるとはいえず
ここ一番で動けない欠点もありますが
それでも降服することを視野に入れて
誰にも気づかせずに動いていたのは
大したものではないかと。
ただ実際問題として王として
降服という手段を選ぶのは
かなり難しいのは分かる気がします。
降服するということは
韓を滅亡させるということ。
自分が初代ならばともかく
歴代の王や国を守るために
礎になってきた国民に対して
顔向けできるのかと考えると
その苦悩の大きさは半端じゃないでしょうね。
しかもそれは一国民ではなく
国の代表である王として
王族としての悩みなわけですし・・・。
ただまあ、王安王は寧姫がいたことで
随分と救われたと思います。
最愛の娘に重大な決断を
任せてしまった罪悪感もあるでしょうけど
事ここに至っては任せる他ないですし
思い悩まなくていいだけでも
随分と心が楽になったのではないかなと。
ともあれ寧姫が動いたことで
事態が動くのは間違いないかと。
それが結果として良いか悪いかは
展開次第だとは思いますが
少なくとも夏侯龍のやり方では
民の犠牲が大きくなり過ぎますし
寧姫の決断は間違っていないと思います。
願うならば無血開城することにより
民にこれ以上血が流れないように
済めばいいなと思いますが・・・。
気になる続きについてですが次号は休載で
5/29発売の26号にて掲載とのこと。
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