3月のライオン 138話のネタバレ&感想になります。
第138話 雨の匂い 河の匂い➁ ヤングアニマル 14号掲載(2017)
内容ネタバレ
臨也と弟の要は亡くなった旦那さんの遺影を選んだりと
着々と葬儀の準備を整えていた。
千住斎苑には息子さんがやってきていたらしく
彼は会社からまっすぐ来たとのことで一度帰ることになったが
父に付き添いたいという母と妹はここで一晩明かすとのことだった。
息子さんは葬儀屋でお布団が用意されることに驚きながらも
礼を述べると母も父がずっと具合が悪かったので覚悟こそしていたものの
思ったよりもずっと早かったためかまだピンときていないらしく
私もまだ実感が湧かないと苦笑いを浮かべ・・・。
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そして明日よろしくお願いしますという息子さんを見送った
二人は自分達の父親が亡くなった時も
ずっと元気でいてくれると勝手に思っていたと共感していた。
臨也はどうして人というのはこんなにも忘れっぽいのかと言い出し
こんな風にたくさんの人生の最後を見送ってきているのに
どうしてもっと切迫感を持って生きられないのかと嘆いていた。
夢が叶った幸運、命があって明日も生きて対局できる幸せ、
しびれる程の幸運が積み重なって生まれた奇跡のような”今”であるのにと。
しかし何年も指していると勝った喜びも負けた悔しさも全てがぼやけてしか感じられなくなり
将棋を愛しているのは間違いないが私は自分の将棋につんざくような閃光を見いだせず
他人の将棋にばかり心奪われる。
愛する棋士たちと面と向かって駒を交えてもうっとりしながら顕微鏡を眺めているような
気持ちに襲われ、愛し過ぎなのか少しでも心を見せて欲しくて迷路のような手を指してしまう。
自分ではなく他人に憧れてばかりの見学ツアーのような人生に
なぜ私はあんな風に引き裂くように輝けないのかと。
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臨也はこれで自分は亡くなる時に生ききったと思えるのかと呟くが
それを聞いた要は自分もいつか亡くなると言う事を忘れて呑気に日々を送れてしまう事は
人間の持っているちっぽけな権利のひとつではないかと語る。
さらに要は臨也がトリッキーな手を指すのは
相手じゃなく自分を追い込むためで結局マジメなんだと言い
僕は真面目で不安定な兄ちゃんの将棋が好きだと笑みを浮かべていた。
そして昔から臨也が泣き言を言うのは寒い時か空腹の時だとして
今日のお礼におごりますと初心に戻るという意味で
昔食べていたラーメン小菅はどうですかと提案する。
臨也もあの具なしの200円ラーメンかと問いかけるが
今はどうやらメンマとかすかにネギ、
紙のように薄いハムが入り280円になっているとのことだった。
それを聞いた臨也は初心というか三段リーグまで戻れそうだと話すが
要からよく泣きながら食べてましたよねと言われ
その頃を思いだしたのか「・・・忘れてください」と返すのだった。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
今回も前回に引き続き滑川さんメインの回となったわけですが
なんていうか正直難しい回だった気がします。
彼は人はどうしてもっと切迫感を持って生きられないのかと
自分を含めて嘆いてましたが
これはなかなかに難しい問題だと思います。
結局のところもっと今を大事にして欲しいということを言いたいのだろうと思いますが
人は基本良くも悪くも忘れる生き物ですし
私的にはそれは仕方がない事だと思っています。
まあ、言ってしまえば大多数の人達は
そんな切迫感を持って人生を歩んでいませんし
ほとんどなあなあで過ごしているのが実情だと思いますしね。
だからこそ切迫感を持って今を大事にして欲しいと思ったんでしょうけど
余程の切っ掛けがないとそう変わることはないかなと。
ちょっと真面目に考えてみましたが
他の方には他の方なりの考え方があるでしょうし
あくまでも私見ですけどね(苦笑)
ともあれ今回の話で滑川さんが何故対戦相手にああいうことしているのかも
多少分かった部分がありますので
ぶっちゃけて言えばそういう事を考えている人なんだなと理解すればそれでいいと思います。
次回については次号につづくとありましたので
7/28発売の15号にも載るのは間違いないかと。
ただ今回予告などが見当たらなかったので
次回も滑川さんメインなのかそれとも零やそのほかの人にスポットが当てられるかは
今の時点でちょっと分からないですね。
私としては2回連続滑川さん視点での話が続いたので
そろそろ零の視点に戻って欲しいかなと思ってますが・・・。
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