3月のライオン 雑誌掲載最新話

3月のライオン最新 160話 ネタバレ&感想 対局の勝敗

2019年6月28日発売のヤングアニマル 2019年13号に連載されている

3月のライオン 160月話のネタバレ&感想になります。

 

第160話 あづさ1号⑤ 13号掲載(2019)

内容ネタバレ

 

あづさは読みも研究もすべて外されたが

それでも自分の流れを作ったと確信していた。

 

一方の零はああ、またこの場所に来たと

今迄気の遠くなる程重ねて来た

鳴りやまない雨のような駒音が一斉に消えた先にある

真っ黒な部屋の中にいた。

 

ここから先はひとかけらのヒントもなく

すべて自分の判断だけを頼りに決めて進む場所であり

この頃この部屋に辿り着くのが

だんだん早くなって来たと感じていた。

 

理由は多分3つ。

1つ目は強い相手に当たる機会が増えて来たから。

2つ目は皆が僕に対する研究を深めて来たから。

そして最後の3つ目をどうしても認めたくない事が僕の弱さだ。


勢いに乗って指すあづさの一手に対し

零の指した手はその思惑を見事に外した一手だった。

 

逃げたんじゃなく逃げながら撃ってきた手に

まるで水の中に落とされたかのようにのまれるあづさ。

 

それでも懸命に自身を落ち着かせて

立て直しをはかるもののそれでも通じず・・・。

 

感想戦の間、彼はずっと畳をかきむしり続け

畳が傷むからと田中さんに止められた後は

ずっと腕をかきむしり、それも止められた。

 

彼は激しく腹を立てていた。

誰にでも何にでも無く恐らく自分自身に。

 

そしてそのむせかえるようなエネルギーに

負の臭いは皆無だった。

 

田中とスミスは対局の帰り道

あづさの事を話していた。

 

スミスはあづさがヤケを起こしたりしないかと心配していたものの

師匠である田中はそれは大丈夫と口元に笑みを浮かべる。

 

自分の弱さから目をヤツがするのはウサ晴らし、

弱さを見つめる人間がするのが立て直しで

彼はきっと走って帰って勉強するだろうと。

 

そして今日勝った田中は今日負けたスミスに

君はどうするのかと尋ねたところ

返ってきたのはオレは目をそらしますよ、今日のところはという言葉だった。

 

その上でスミスはウサ晴らしを決行し、

しかるのちネコにひざまくらしてもらって泣きますと。


対局に集中しすぎた後はここに居るのにいないような気がして

踏んだ地面が感じられなくなる。

 

境目が無くなってこのまま身体が消えて行くような

もうそれでもかまわないような・・・。

 

けれどそんな零を現実に戻したのは

ひなたからのメールだった。

 

「晩ごはんたべに来る?」

「今夜はコーンシチューだよ」

 

零を温かく笑顔で迎えてくれる川本家。

そんな彼女達を前に零は優し気な表情を浮かべるのだった。

 

当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!


感想

 

結果としては零とあづにゃんの対局は

零の勝利に終わりましたが

このあづさ1号シリーズではタイトル通り

間違いなく彼が主役でしたね。

 

そして彼の実力もまた思っていた以上に高かった。

零曰くあの真っ暗な部屋に来る羽目になるほど

苦戦したわけですしね。

 

それにしても棋士にも色々なタイプがあるのは理解していましたが

その中でもあづにゃんはかなり濃かった。

 

シリーズの主役になっているのもそうですが

なんだかんだで⑤まで続いたわけですし

羽海野先生にとっても魅力的なキャラクターだったのではないかと。

 

ただあづにゃんは色々と奇行が目立ってはいるものの

その精神的には真っ当な人間である気がしました。

 

期待外れだとでもいいたげに自分を見限った者たちを見返したい、

負けたくないからこそ努力するというのは至極当然であり

真っ当どころか極めて精神的に強いタイプではないかと。

 

結果としては負けてしまいましたが

その悔しさをバネに今まで以上に成長するのは間違いなく

この敗戦も彼にとって大きな成長に繋がるんだろうなと。

 

それはそれとして畳や腕をかきむしるほど悔しいなんて

正直羨ましくも思いますね。

 

私自身、それほどの悔しさを覚えることなんて

一生に一度あるかないかといったところですが

こういう職業に就いている以上幾度となく経験してきたんだろうなと。

 

それは宗谷名人も同じでしょうし

棋士ならば当然のことなんでしょうけど

凄い世界だなと改めて感じます。

 

以前零が部活仲間に負けた時のことを訊かれてましたが

勝っても負けても研究を続けて

少しでも前に今よりも強くなるのを

果てしなく続けるしかないんでしょうね。

 

それ故に負けた時の衝撃というか感情は

あづにゃんと同じように腕をかきむしるほどに

強烈なんだろうなと。

 

そんな修羅のような日常において

零が現実に戻れるというか切り替れるのは

川本家のおかげなんでしょうね。

 

ひなちゃんとモモちゃんに笑顔で出迎えてもらって

零が一瞬前とはまるで違う優し気な表情を浮かべる。

 

それだけで零が彼女達をどう思っているのか

どれほど大切に思っているのかよくわかる一幕だったのではないかと。

 

ともあれ今回であづにゃんとの対局も決着しましたので

次回はまた違う話になりそうですね。

 

新たなシリーズが始まるのか

それとも幕間みたいな感じで日常生活や

零ではない別のキャラクターにスポットが当てられるのかは

わかりませんがどちらにせよ楽しみです。

 

ちなみに次回についてですが

予告で15号とありましたので

続きは7/26になるかと。

 

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