2019年7月26日発売のヤングアニマル 2019年15号に連載されている
3月のライオン 161話のネタバレ＆感想になります。
第１６１話 道① 15号掲載(2019)
内容ネタバレ
ひなたからの今夜はコーンシチューだよ✿という夕食に誘う文字。
きみからの文字を見てぼくは心臓の在りかを知る。
そして名前を呼ばれて外側がかためられ
のどをすべりおちて行くシチューで自分の内側を知り
ぼくはようやく深く息をする事を思い出す。
10月獅子王戦4組決勝。
目覚ましと共に起きた零。
対局の朝のガソリンは肉まん2個と缶コーヒー。
昨夜まで並べた棋譜をなぞりながら駅への道を行く。
歩きながら集中、集中と呪文のように繰り返してしまうのは
少しでも気を抜くと心がおだやかに溶けて散っていきそうになるから。
おだやかに溶けてゆくことと
またそれをかき集めて固めていくこと
この行き来を僕はまだ上手くコントロールできていない。
ひどい話だ。
心が座リザ里の氷まみれだった時の方が
真っ暗な集中の底に降りて行く距離も抵抗も小さかった。
贅沢な話だ。
そして僕はこの贅沢な苦しさを手放す気は微塵も無い！
何があっても！！
そんな零の今日の獅子王戦4組決勝
対局相手となるのは田中一郎七段。
正直な気持ち零は4組決勝に残るのは若手のうちの誰かだと思っていた。
しかし若手中堅をちぎって登ってきたのは田中さんであり
田中さんは今期順位戦でも好調だった。
何としても本戦に進みたい零は
ここ数週間田中七段の棋譜をなぞり続け
そして気づいた。
「鮮やかに受けつぶして勝つ」
そういう棋風であったのがここ1、2年で
「隙を見つけては躊躇なくアクセルを踏み込み攻撃に転じる」
タイプに変わって来ているのだ。
自分の将棋を変えることは全ての棋氏にとって難しいにも関わらず
50歳を超えて変えていくことを選び自分の強さを増すなんて・・・と
零は素直に田中七段に感嘆していた。
自分の作った王道を自分で壊して作りかえる人。
僕が今日戦うのはそういう人なのだと。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ！
感想
いきなりポエミーな感じで始まった今回ですが
文字でその憧憬を表現するのは難しすぎるので
是非本誌で13号、15号と続けて読んでほしいところ。
もちろんこれから発売されるであろうコミックスでも可。
全てを文字で起こせばもっとわかりやすくなるとは思いますが
冗長になるのは避けられそうにありませんし
やっぱり自分の目で読むのが一番だと思いますしね。
そして何のことを言っているか分からないのであれば
前回のラストからの続きなのでそちらから見るといいかも。
という感じで始まった今回ですが
次なる対局相手となるのは田中一郎七段。
ん？本誌でそう描かれていましたので
特に気にしていませんでしたが
冷静に考えると田中”太”一郎の間違い？誤植？
全く別の人の可能性もあるのかなと
コミックスを読み返しましたが
太一郎となっていましたので別人でなければ間違いかも。
ちなみに心の声で語りかけるところとか七段であること、
扇子を手にしていること、その風貌から判断して
流石にもう一人いるとは考えづらいですが
もし別人だったら申し訳ない！
ただ気になる点もあって前回まで対局していたあづにゃんって
田中さんの弟子ということもあり
何故その事を零が触れないのかなと。
触れないってことはもしかして別人？
みたいなちょっとした疑念が・・・。
まあ、そんなわけで100％そうだとは言えませんが
とりあえず私的にはあれは田中太一郎七段であると判断しますが
勝敗については正直何とも言えないところ。
私個人としては零に勝ってほしいとは思っているものの
弟子であるあづにゃんの仇というわけではありませんが
師弟揃って負けると言うのはちょっと・・・という感じ。
それにこの歳で今までの棋風から変化して
さらに強くなると言うのはカッコ良すぎますしね。
零自身もそんな田中さんを素直に感嘆していましたし
最終的にどちらの勝利で終わるかはともかく
良い対局になればいいなと。
ちなみに次回についてですが
予告で16号とありましたので
休載はなく続きは次号8/9になるかと。