ネタバレはあくまでも詳しくなりすぎず
流れを理解できるくらいの内容となっておりますので
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第10話 贈られたもの①/贈られたもの➁
内容ネタバレ
<Chapter.20 贈られたもの①>
12月クリスマスが近くなった頃
香子から時計を部屋に忘れたとの電話が来た。
ソファーベッドの片隅に落ちていた時計を手に
待ち合わせ場所へと向かった零はそこで再び香子と顔を合わせることに。
時計を受け取った香子から年末は帰ってくるのかと聞かれ
対局が結構詰まっていて勉強があると答えるが
香子は零の対局予定を把握しているらしく24日の安井さんとの対局で
ラストだと言う事がバレていた。
バツが悪い表情を浮かべる零に対し香子はさも思い出したかのように
安井がついに離婚が決まった事、負けると飲んで暴れてギャンブルに走る彼には
娘がいてその娘が「クリスマスまではパパと一緒にいたい」と言っていたのだと語りだす。
泣かせるわよねえ~とそんな風に思ってもいない表情を浮かべる香子の声を聞きながら
零はこのべったりとはりつくような義姉のもの言いも
何よりこんな毒をはらんだ言葉ですら聴いていたいと思う自分が
たまらなく嫌だと感じていた。
そんな零に香子は子供って親を選べなくてかわいそうだと話しながらも
でもあなたは違う、自分で他人の家の父親を選んだのだと告げるのだった。
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子供の頃、嬉しそうに香子達がぬいぐるみやゲームをもらう傍らで
ただ一人零だけが駒をもらったことに
この家の子なら棋士を目指す人間なら、その価値や意味、
父の胸の内が解らないはずがなかった・・・。
義父からお前もおもちゃの方が良かったかと言われ礼を述べる零も
解らないはずが無かった。
義姉や義弟がその時どんなに傷ついたのかも・・・。
そして香子は勝って帰って来たパパと負けて帰って来たパパ
最後のクリスマスの思い出にピッタリなのはどっちかしら?と
笑顔で告げるのだった。
学校で通知表をもらいそのまま将棋会館へと向かう零は
電車の中でいつ頃からクリスマスを苦しいと思うようになったのか考えていた。
千駄ヶ谷に到着し駅へ降りる零は自分に気づかず
同じ電車から降りる安井六段の姿を見かける。
娘へのクリスマスプレゼントなのか
大きな紙袋を手に先を急ぐ安井を見ながら零は
香子から言われた言葉を思い返していた。
<Chapter.21 贈られたもの➁>
安井との対局は夕方を前にあっけなく終わりを迎え感想戦に入るが
その中で安井は自分が暗に責められているように感じたらしく
ようするにオレが途中で投げたって言いたいんだろと言い出す。
オレにはわかんなかったんだから仕方ないだろう?
という投げやりな態度を見せる安井のため息にかすかに混じる
アルコールの匂いが零の胸をざわつかせていた。
静かにゆっくりと始まった対局で序盤安井は
「慎重に」「慎重に」言い聞かせる声が聞こえるような指し方だった。
しかし昼食休憩の後安井にミスが出た。
安井も一呼吸遅れてそれに気付き、
零がまだ勝敗はわからないと感じていたその時
安井の輪郭が力を失い緩んでいくのが見えた。
なんで!?まだ道は全て消えたわけじゃないのに
どうしてそんな簡単に手離してしまうのか、どうか手離さないでくれと思い
指している内に安井から負けましたとの言葉が告げられていた。
感想戦もそこそこに帰っていく安井を見送った零は
彼が持ってきていたプレゼントが入った紙袋が置いてあるのを見つけ
急ぎ安井の後を追いかけていた。
駅とは違う方向へ歩いていた安井に追いついた零は
持っていた紙袋を渡そうとするが
安井は一目見た後オレのじゃない、知らんと言い歩き出してしまう。
それでも自分を呼び止める零に対し
安井は諦めたのかわかったよ、うるさいなと怒鳴ると
あ~あ最後のクリスマスだったのになとため息を吐き
ひったくるように紙袋を奪い取り
お前が全部悪いと言いたげな表情を浮かべその場を離れていった・・・。
一人残された零はひったくられた手を握ると
ゆっくりと歩き出すがその内に徐々に早足になり
もやもやしたものを吐き出すかのように走り出していた。
そして人気のない場所まで走って来た零は
心の内を全て吐き出すかのように叫んでいた。
皆オレのせいなのか、どうすれば良かったんだと
酒飲んで逃げてんじゃねーよ!と叫びながら涙を流し
倒れ込んでしまっていた。
そして逃げれるくらいならなんで・・・と
消化できなかった思いを涙と共に吐き出すのだった・・・。
感想
なんていうかクリスマス間近ということもあって
なんともやりきれない思いが募った今回ですが
原作以上によく出せていたのではないかと。
元々原作でも気分が落ち込んでしまう位の
ダウナー回だったのでそうなるのは予想してましたが
アニメになってグレードアップしてましたね。
それはそうと前回に続き香子が登場しましたが
相変わらずの悪女っぷりというか毒女ぶりは
ある意味尊敬しますね。
そんな彼女があそこまで毒をはらんだ言葉を投げかけられるのは零しかいないですし
色々感情を持て余した結果ああなっているのだとは思いますが
なんともキッツイ言葉でした・・・。
ああいうことを言って零が悩んだり苦しんだりしているのを見たいんだとは思いますが
それが悪意だけじゃないことがかえって厄介です。
そして今回の相手となった安井さんについてですが
なんていうか救えないなと・・・。
結果として研究していなかったことも対局でミスしたことも
離婚することも全部安井さん本人が悪いのは間違いないんですが
それでもやっぱり色々あるんだろうなとしか言いようがないですね。
もちろん勝った零は一切の責任はないですし何も悪くないんですが
そう判断できるなら酒を飲んで暴れることも
零にお前が悪いと言わんばかりに睨みつけることもないでしょうしね。
正直私的には零と同様にプロ棋士辞めてしまえと言いたくもあるんですが
負けて酒に逃げる人も少なくないでしょうしその気持ちも多少は理解できますので
まあ、これから頑張れとしか言いようがないかなと。
ぶっちゃけプロ棋士にまでなれたんだから
このまま負け犬人生を送るのは正直もったいないですしね。
ちゃんと更正することが出来れば奥さんも娘も戻ってくるかもしれませんし。
なんにしても実際クリスマスにわざわざ合わせたのかと言いたくなる程
クリスマスに即した内容でしたが
次回は年末年始、零が風邪をひいて川本家で面倒を見られる回になります。
次回も多少暗くなる部分がないわけではありませんが
川本三姉妹登場で今回よりもずっと明るくなるかなと。
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