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キングダム 最新 760話 ネタバレ&感想 ”命”の火と”思い”の火

2023年6月8日発売の

週刊ヤングジャンプ 28号に掲載されている

キングダム 第760話

ネタバレ&感想になります。

 

第760話 変わらないもの

内容ネタバレ

 

人の本質は”火”だ。

韓の重鎮らに囲まれる中

韓非子の問いに答えた信。

 

韓非子にとってもその答えは

想定外だったのかきょとんとしていたが

改めてその理由について問われ

信は理由なんて説明できないと返す。

 

ずっと戦場に出て人の本質なんて

考えたこともなかったが

ただその戦場にいた目で人が何かと考えたら

”火”だと思っただけだと。

韓非子は”火”が吹き消えるように

人の命が簡単に消えるという意味かと尋ねるが

信はそれもあるけどちょっと違うと否定し

昔の事を語り始める。

 

昔・・・秦王の弟が身勝手な反乱を起こし

俺の大切な友も巻き込まれて死んだ。

 

世の中にはこんな悪人共がいるのかと怒り狂い

そいつらをぶっ潰して俺は友の仇を取った。

 

でも数年後王弟成蟜は味方につき

自分の嫁を助けるために

自ら戦場に行って殺された。

 

その時にはもう成蟜は

俺の考える悪人じゃなかった。

 

あの桓騎だってそう。

俺は桓騎こそ最悪の極悪人だと思い

味方の将軍だが何度も殺してやろうと思った。

 

でも最後にあいつの根っこには

理不尽に虐げられる人間達の存在を

見て見ぬふりする世の中へと”怒り”があった。

 

やってることは極悪だが

あいつの中心には普通の人間が

目を背けるような者達への思いが

確かにあった。

 

その上で自らの考えを語る。

”善悪”ってのは視点を変えれば

入れ替わることもあるし

そいつの中でも変化を起こして

変わることだってある。

 

それなのに”人は善か悪か”なんて

決めつけるのは無茶だろう。

 

そんなコロコロ変わるあやふやなものより

人が全員変わらず持ってるもんの方が

重要だろうと。

それが何を指しているのか

他の者達はわからず

韓非子も同様だった。

 

その上で韓非子は信に尋ねる。

人には他に普遍的な重要なものがあると?

 

信は語る。

いい奴も悪い奴も敵も味方も

関係なく全員が持っている。

それは”命”の火思い”の火だと。

 

それをみんなそれぞれ持って

歯を食いしばって生きている。

 

そして戦場ではその火を

最大限に燃やしてぶつかり合う。

 

死ねば”命”の火は消えるが

”思い”の火は次の者が受け取れる。

 

そしてそれは味方だけじゃなく

殺し合った敵の”思い”の火も受け取り

自分の火をより大きくしていくんだと。

 

今 秦が手こずっている李牧もきっと同じで

あいつの持っている”思い”の火も

大きくだから強い。

 

でもいつかは俺がぶっ倒し

李牧の”思い”の火も俺が受け取っていくと。

 

信の話を理解したのか

韓非子はそれが本当なら

最終的には”思い”の火は一つになり

それは美しい話だと口にする。

 

その上で韓非子は信に

君には失望したと告げる。

 

今の話は美しすぎる。

君の話は”善意”に溢れすぎている。

君はやはり”性善説”者だと。

 

そして忠告する。

君達が血を流し仮に七国を一つにし

戦の無い世界が出現したとしても

君達が考えているような場所にはならない。

 

人はその世界を再び私利私欲のため

食い尽くすぞ必ずと。

しかし信はあっけらかんと

放っときゃそりゃそうだろと返す。

 

人間はバカだからな。

だから”法”が必要なんだろと。

 

韓非子はその通りだと同意し

人は愚か故に法で御すことが必要だと話し

信も同意するがそれと同時に

だけど”愚か”ってのと”

悪”ってのは違うと告げる。

 

”悪”って断じるのはどこか諦めに感じる。

だったらもう放っときゃいいだろ。

 

でも人は捨てた門じゃねェって

こんなもんじゃねェはずって

ムカついているから

人の事を必死に考えて

”法”を作ってんだろ。

 

ここに来る時法家の最上位だって聞いた。

口じゃ”悪”だって言いながら

その”人”のことを思って

人生をかけて”人”について考えて・・・。

 

あんたこそ誰よりも”善意”に溢れた

”性善説”じゃねェのかよと。

 

その言葉を聞いた皆は絶句し

韓非子にとっても信の言葉は

大きな衝撃だったのか

呆然と立ち尽くしていた。

 

そんな韓非子に寧公主は違うと割って入るが

信は韓非子に言葉を続ける。

 

あんたの”思い”の火も

ガンガンに燃え盛ってるんだろ。

それ以上に重要で確かなことはないはずだと。

呆然としていた韓非子は

突然高笑いしながら語る。

 

この韓非子を性善説にもって行くとは

これ程愉快な問答は初めてで

これ程の憤りを覚えたのも初めてだと。

 

しかし乱暴な論法にも関わらず

妙に納得させる力が君にはある。

 

恐らく君の言う”思い”の火が

込められているからだと。

 

そう言って身を翻す韓非子に

信はどこに行くんだと声をかけるが

韓非子は振り返ることなく語る。

 

約束したであろう。

君を通して秦王を見ると。

 

少しだけ興味が出た。

君の親友秦王にと。

 

人の本質は”火”か・・・と

口元に笑みを浮かべた韓非子は

歩きながら言葉を続ける。

 

よくもこの韓非子に

儒家の逃げ道である”性善説”などと。

 

腹立たしい今の問答の続きは

秦王に受けてもらうぞ。

 

屋敷で秦への旅支度をする故

先に失礼すると。

 

その言葉の意味を理解したのか

韓の者達は動揺を隠せず

韓非子の歓心を買う事に成功した

信達は歓声を上げるのだった。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックスでどうぞ!

感想

 

いや~今回の信と韓非子の問答は

なかなかに見どころがありましたね!

 

色々な思想や文化がある中で

信があのような答えに至ったのは

成長も感じられましたし感慨深いものです。

 

元々正解なんてない問答だっただけに

心配ではありましたが

結果として韓非子が訪秦を決めましたし

文句ない成果だったのではないかと。

 

それにしても前回信が

人の本質が”火”といったのは

こういう意味があったとは驚きました。

 

なんとも信らしい回答ではありましたが

これも人の本質を語る上で

必ずしも間違ってない気がします。

 

あくまでも信が現時点で辿り着いた答えで

それが正解だとはいいませんが

成程と思う部分もありましたしね。

 

なによりもこの時代

法家として最上位ともいえる

韓非子を前にああも堂々と問答できる

それだけでも大したものだと思いますし。

 

それにしても途中寧公主が割って入りましたが

彼女も秦に来そうな気がします。

 

あれ程まで韓非子を慕っている以上

なんだかんだ言って同道するのではないかなと。

 

もちろんその立場もあって

無理かもしれませんが

寧公主自身はそれを望む気がします。

 

ともあれ今回メインとなる

韓非子招聘に関しては

なんとかなりそうですし

これから韓非子が秦でどう動くのか

そして政とどんな問答を交わすのか楽しみです。

 

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