2024年8月23日発売の
アフタヌーン 10月号にて連載されている
ヴィンランド・サガ 213話の
ネタバレ&感想になります。
第213話 千年航路㉒
内容ネタバレ
砦 防壁の北側末端部
一部のウーヌゥ人達は
砦の内側に入るべく
上から降る矢を防ぎつつ向かっていた。
砦の端までたどり着いたところで
一人の男が声を上げる。
よし ここから囲いの内側に入れるはずだ!
足場が狭い ひとりずつ行くぞ!
オレに続けっ!と勢いよく
走り出した男だが次の瞬間
なにかにぶつかったのか
ドーンという音と共に海へと落下してしまう。
背後にいた男たちは
壁の向こう側に何かいることに気づき
そっと内側を窺うとそこには
大木を持ったコーデリアの姿が。
唖然とする男に対しコーデリアは告げる。
そこのあなた!海に落ちた彼を
はやく助けてあげて
凍えておぼれてしまうわと。
砦に籠ったエイナル達に対し
ウーヌゥ達はワラを燃やして
しつこく火攻めを行っていた。
男たちは立ち昇る煙に咽つつ
水をかけることで
なんとか消化にあたっていた。
ギョロもまた戦いには参加しないものの
水を運んだり手伝っていたが
石に躓いてこぼしてしまい
他の男から怒鳴られていた。
砦からも矢を射ることで
ウーヌゥ人の攻撃に応戦していたが
狩りに矢を使うウーヌゥ人には
一日の長があるらしく
その命中率の違いは明らかだった。
そうした中、他の男たちと同じく
慣れない弓をつかい矢を射っていた
エイナルもまた矢を受けてしまい
頭部に傷を負ってしまうことに。
それでもエイナルは皆に声をかける。
だいじょうぶ かすっただけだ。
手を止めるな!よく狙え!と。
一日目の夜を迎え
外は雪が降り始めていた。
ウーヌゥ達はノウド人の家に入り
雪を避けつつ休んでいたが
ムインはそんな彼らを怒鳴りつける。
ノウド人の家に入っていいと
オレがいつ許可した!?
病気になりたいのかお前ら!?と。
しかし彼らにも言い分があった。
ムインが「一日で片付く」
と言っていた為にテントを持ってきておらず
昨日はほぼ徹夜だったから
今夜はゆっくり休みたいと。
クソッ勝手にしろ!明日は決着をつけるぞ
せいぜいよく寝ておけ!と出ていくムインに対し
他の者たちの不満は募りつつあった。
そんな彼らと距離をとっていた
ガーチホチはノウド人が
一日目を持ちこたえることを予想していた。
そして何やら思惑があるのか
彼に従う者たちに告げる。
オレ達は食糧係やってりゃいい。
あとはなるようになるだろと。
一方その頃エイナルは雪が降る中
見張りに入っていた。
そんなエイナルを心配したギョロは
頭のケガは大丈夫かと声をかけるものの
ギョロの顔には青アザが出来ていた。
エイナルから逆に青あざについて
聞かれたギョロは殴られたのだと語る。
壁の上で戦う役
やりたくないって言ったら
「腰抜け!」って。
まいるぜ・・・海以外のことで
オレを頼るなっていつも言っているのに
みんなカッカきてて話が通じねェと。
そんな愚痴を吐きつつ
ギョロは外へ目を向けつつ口を開く。
・・・トルフィン帰って来なかったな
生きてんのかな・・・。
エイナルもその事を気にしていたのか
じっと目を下げていたが
突然砦内で騒ぎが起こる。
敵かと思い駆け寄ったエイナル達が目にしたのは
いつの間にか砦内に入り込んでいた
ウーヌゥの男が暴行され倒れる姿だった。
ウーヌゥを見つけ暴行を加えた男たちは
他にも入り込んだ奴がいるかもしれないと
寝ている連中を興して
砦の中を調べるようにと指示し動き出す。
エイナルはそれならと
自分の持ち場へ戻ろうとするが
次の瞬間ウーヌゥの男が
槍で突き殺されていた。
ギョロは何やってんだ!?と声をあげるが
男たちはそれが当然とでもいいたげに
もう殺すしかないだろと返す。
砦の中の様子を見られちまったしと。
ギョロが生かしておけば
捕虜交換のコマにもなったと言うと
それは気付かなかったと理解を示すが
男たちのまとめ役となっていた男は告げる。
今日の戦いでアルンケルとキャルタンが死んだ。
これはあいつらへの手向けだ。
全然足りねぇぜ。仲間ひとりの死に
十人のウーヌゥ人の命で報いてやると。
男はいくじなしの水汲み係は
すっこんでろと言い残し
ウーヌゥの遺体と共に他の者達と去るが
ギョロはエイナルに尋ねる。
・・・エイナル いいのかよこれでと。
そんなギョロの言葉を受け
エイナルは下を向きながら口を開く。
・・・お前にいい考えがあるなら
教えてくれギョロ。
戦争以外の方法で
アルネイズ村を守る事ができる
いい考えがあるならよ・・・と。
~二日目~
再びウーヌゥ人による火攻めが行われるも
男たちは一日目と同様に
水で消火することでしのいでいた。
ムインはなんだそのザマはァ!と
怒鳴り散らしながら
ウーヌゥ達をせっついていたものの
その効果はないようで
まるで攻略は進んでいなかった。
その様子を見てストルクは
傍らで座り込んでいるイ―ヴァルに
これならしのげると語る。
ウーヌゥ達はたぶん・・・今まで
砦ってものを見たことなかったんだろうね。
どう攻めていいのかわからないんだな。
この調子ならウーヌゥ達が
病気になるまで何日でもねばれるよと。
だから小屋で休んでくれと言う
ストルクの気遣いに対し
イーヴァルは油断するなと返す。
昨日とくらべてウーヌゥどもの数が少ねェ・・・
なにか企んでるかもしれん・・・と。
そうした中、村の男から声が上がる。
そこから入り江の外が見えるか!?
なにか様子がヘンだぞ!と。
その声を聞いたストルクは
すぐさま入り江へと目を向け
呆然とした様子で呟く。
・・・あれはウーヌゥの小舟の・・・
大艦隊だ・・・と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
トルフィンの視点がないままに
今回の話は進んでいたわけですが
なんていうか戦争するにあたって
村の男たちの性格の変化が顕著になってきましたね。
戦争を焚きつける形となった
エイナルにしてもこの変化は
思うところがあるようですが
戦争に染まってしまうと言うのは
こういうことなんだろうなと。
ギョロは実際に武器を持たない事で
影響はないみたいですが
そんな彼も腰抜けと殴られるほどですので
状況は刻一刻と悪くなっているのかも。
それにしてもウーヌゥ人が
砦の攻め方がわからないのは
なんとなく分かっていたものの
やっぱり砦というのは
守りにおいてかなり大きいんだなと。
数もさることながら村の男たちは
基本農業で暮らしていたわけで
狩猟をしてきたウーヌゥとは
質という意味でも劣ってますからね。
そんな彼らが武器らしい武器もなく
耐えられているわけですし
砦が機能しているうちは大丈夫なのかも。
ただ海側からウーヌゥの船が現れた事で
その利点も怪しくなってきたと。
とまあそんな感じで
かなりピンチになることが予想されますが
これってどうすれば防げるんでしょうね?
正直村の連中を見るに
正面からの攻撃を防ぐだけで
精一杯な気がしますし
数か数なだけに厳しいことになるかも。
というよりもトルフィンのように
戦争経験者がいないと
どうしようもない気がします。
イーヴァルやストルク、そしてエイナルは
多少の戦いを経験しているようですが
任せられるほどじゃなさそうですし・・・。
なんにせよやっぱりトルフィンが
これからどう動くかに懸かっているのかも。
というよりも彼が動かなければ
遅かれ早かれ男たちは全滅するでしょうし
どうしようもないのは明白ですしね。
ただウーヌゥ側にも色々問題が
出てきそうな感じではありますので
その辺りどうなるのか気になる所。
ムインに対する不満が爆発するか
ガーチホチが動くことがあれば
色々変わってくる可能性もあるのかも。
なんにしてもトルフィンが回復すれば
一気に事態は動くと思いますので
今はそれを待つしかないでしょうね。