2026年10月22日発売の
週刊ヤングジャンプ 47号に掲載されている
キングダム 第891話の
ネタバレ&感想になります。
第891話 守られるべきもの
内容ネタバレ
牢に入れられたカイネに
馬風慈は言った。
斬首にはならないと父が言っていた。
普通中央から派遣された将軍に斬りかかって
投獄だけでは済まない――
李牧様に感謝しろとのことだと。
牢の中で項垂れながらカイネは口を開く。
笑ってた。匈奴ら・・・
父と母とカイヤを侮辱して笑ってた・・・
なのに私は何も出来なかった。
目の前に現れた匈奴は一人残らず殺すと
父達の墓に誓ったのに。
私は何も出来なかった・・・
あいつら笑ってたのに何も・・・
そう言って悔し涙を流すカイネに
馬風慈らは何も言えず・・・
それからも雁門は幾度となく
匈奴の襲撃を受けていた。
しかし襲撃を前もって知っていたかのように
集落の者達は砦へと避難することで
その被害は抑えられていた。
戦いらしい戦いも起きず
恨みを晴らす機会がないカイネは
自身の感情を押さえつけるように顔を顰め
李牧はそんなカイネにじっと目を向け・・・
ある時、宴が開かれることになり
その席で北守は言った。
皆の者よく聞け。集計した結果
今年の羊の数はここ三十年で最多
圧倒的に最多であった。
これは今年羊が一匹も
匈奴に奪われなかったからである。
つまり若き雁門総司令
李牧将軍様のおかげである!と。
それを聞いた民は分かってるよ そんなことは!
もう酔ってるぞ北守様はと笑うが
北守は目に涙を浮かべつつ言葉を続ける。
それだけではない。李牧様が雁門に来られて以来
我々は誰一人仲間を・・・家族を失っていない!
一人もだっ こんな日が・・・
この雁門に訪れると・・・誰が・・・
奇跡じゃ。奇跡じゃあ!
ありがとォ李牧将軍ンン!と
感極まって李牧に抱き着き
民達は大笑いしていた。
そうした中、静かに酒を吞んでいた者達は
今の雁門の状況について語り合う。
こうして酒を楽しめるのは
李牧が赴任したことで
被害が抑えられていることが
大きいのは誰もが認めていた。
李牧が一体何をしてきたのか
色々話していく中
ある者はしみじみと口にする。
匈奴が何も取れずに帰っていく姿を見たことあるか?
まるで戦に負けたかのように
うなだれて帰っていきよる。
勝利だよ。これは雁門の勝利だと。
そうした中、どこが勝利だ!と
声を上げたのはカイネだった。
宴が静まり返る中
カイネは血を吐くように叫ぶ。
私達は敵に屈しているだけだっ
目を覚ませみんな・・・家族の死を思い出せっ
これのどこが・・・勝利だ・・・
こんなものの何が勝利だと言うんだ。
そう言い放って宴を抜けたカイネは
城壁の上で一人項垂れていた。
そこへ勝利ですか・・・と
李牧が姿を見せる。
ここに李牧が来るとは思っていなかった
カイネが焦ったように涙をぬぐう中
李牧はその隣に立ち声をかける。
カイネ、初めからこの雁門に
勝利はありませんよと。
驚くカイネに李牧はさらに言葉を続ける。
匈奴の世界は恐らくあなた方が
思っているよりはるかに深く広大です。
その匈奴を討つとなると少なくとも我々は
ここに十万以上の大軍を集めないと勝てません。
勝てないなら守るだけです。
確かに雁門は絶望的な地ですが
逆手に取ればこれほど明白で
取り組みやすい地はありません。
ただただ守りに徹するのみ。
おまけに匈奴は馬上は無敵を誇りますが
攻城戦は苦手です。
守るからには徹底的に守る。
たとえ臆病者とも卑怯者とも罵られようと
味方には匈奴の指一本触れさせない。
これが私の役目ですと。
そんな李牧の覚悟を前にカイネは
一瞬何も言えなかったものの
それでも口を開かずにはいられなかった。
・・・しかし趙人としての・・・
雁門の民としての誇りは・・・
殺された父や母や妹の・・・
無念は・・・匈奴に・・・
敵に背を向けて生き延びても
我らの魂は死ぬのではありませんか!?
そう涙ながらに口にするカイネに対し
李牧はフーと大きく息を吐き語る。
昔 カイネと同じ目つきをした若者がいました。
と言っても男ですけど。
その者もカイネと同じように
戦争で両親を失い、戦場では父と兄弟を失った。
彼は怒り狂った・・・
そしてその念は同じく親兄弟を失った
部隊内の若者達にも伝染してしまい
その一団は何の命令も聞かず敵軍に突撃した。
大軍相手に全く無謀な突撃ですと。
カイネから・・・全滅したのですか?
と尋ねられた李牧は言葉を続ける。
見事敵将の首を挙げました。
”行角の戦い”劣勢だった戦いを
若い小隊が勝たせたそこそこ有名な戦いです。
その者は我を忘れて矛を振るっていた。
矢を受け 槍で刺され 剣で斬られ
血しぶきを撒き散らしながら斬り進んだ。
そして気が付くとその矛は
敵の総大将の首をふき飛ばしていた。
男は息を切らせながら
やっ・・・やったぞみんなと声を上げる。
――しかし彼に答える味方は一人もいなかった。
従兄弟の袁草も幼馴染の龍兄弟も
入隊からずっと一緒だった多くの仲間が
一人残らずその突撃で死んだのです。
その時 その愚か者の胸に到来したのは
家族の恨みを晴らした達成感ではなく
耐え難い程の失意――
そう言って思い出すように目を閉じた李牧に
カイネは・・・その人ってまさか・・・と尋ねると
李牧はカイネに告げる。
あなたが家族の仇のために
死をも顧みない気持ちは分かります。
それはあなたが家族への会いに溢れ
雁門の民としての誇りに満ちた人だからです。
その気持ちは周りが何と言おうと変わらないでしょう。
しかし・・・”命”とはあなたが思っている以上に
重く尊く何より守られるべきものです。
カイネ 仲間達の命もあなたの命もです。
そのことをどうか憶えておいて下さいと。
それから幾日か経った頃
カイネが一人丘の上で
李牧から言われたことを考えていたところ
焦った様子の馬風慈が姿を見せる。
カイネはどうした慌てて
匈奴襲来の鐘は鳴ってないぞと声をかけるが
馬風慈はバカそうじゃないと返す。
ある意味それより・・・大変なことになったぞ。
李牧様が北部司令官を更迭され
邯鄲へ強制送還されることになった。
匈奴相手に戦ってないことが趙王の耳に入り
激怒した王が李牧様を捕らえさせたんだ。
総司令の身で趙国の誇りを汚した罪で
李牧様は邯鄲で斬首になるかも知れないと!
突然李牧が更迭されるとの報を
聞かされたカイネは・・・!?
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回カイネが李牧に斬りかかって返り討ちに遭い
牢へと入れられたところから始まった今回ですが
李牧の過去がまた一つ明らかになりましたね。
”行角の戦い”についての背景こそ
明らかにならなかったものの
劣勢にあった軍を勝利に導いたことで
李牧の出世に繋がったのは間違いなさそうです。
将の命令を聞かなかったらしいので
その点はマイナスだったとは思いますが
結果として負け戦を勝ち戦にしたことで
それを上回るだけの戦功を上げたものの
その代償は仲間の死だったと。
何ともやりきれない結末だったようですが
そんな戦いを経験したことで
今の李牧が出来上がったのかもしれませんね。
ともあれそうした戦いを経験したからこそ
カイネの気持ちを理解し
諭したんだとは思いますが
そこへ中央から更迭の報せがあったと。
なんていうかこの頃から中央とは
あまり関係が良くなかったというか
足を引っ張られていたのかも。
今も前王の時ほどとは言いませんが
郭開らを筆頭として口が裂けても
仲が良いとはいえませんからね・・・
改めて思いますが李牧をどうにかするには
中央から何かしら働きかけるのが
一番効果的な気がします。
実際に戦場で李牧と戦うよりも
ずっと勝算はあるのではないかなと。
ともあれ未だ回想中ではありますが
李牧が更迭されるにあたって
また事態が動くことになると思います。
どう考えても悪いことにしか
ならないとは思いますが
この事態にカイネがどう動くのかも含めて
これからどうなるのか楽しみです。
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