アルスラーン戦記 44話のネタバレ&感想になります。
第44章 闇夜の案内人
内容ネタバレ
かつて一人の王がいた。
王はある時五万の兵を率いて遠征し
長い道を往き、戦い続けやがて糧食が尽きた。
兵士達は飢えに苦しみ一人また一人と倒れる中
王はそれをみて涙を流し自分の食事を分けてやった・・・。
そんな話を聞かされたアルスラーンはさらにナルサスから
この王の行為についてどう思うかと問いかけられていた。
ナルサスがその王に対して批判的である事は見てとれたが
アルスラーンはそれでも立派だと答え
ナルサスもアルスラーンが自分の心を読みながらも正直に答えたことに笑みを見せるが
先程の王の行為に関しては王者の資格を持たぬ卑怯者だと断じていた。
それは第一に五万の兵士に必要な糧食を用意しなかったこと、
第二に兵に自分の食事をわずかな人数にわけたが
他の多くの兵を飢えたままにしておいたことであると。
つまりこの王は第一に怠惰であり第二に不公平であったことに加え
自分の食事を分け与えることで自分に陶酔し責任を免れようとしたことが
卑怯者である所以であると語る。
その話を聞いたアルスラーンは王とは兵士を飢えさせてはならず
飢えさせるくらいならそもそも戦ってはいけないということ理解するのだった。
アルスラーン率いるパルス軍はジャスワントの案内のおかげもあってか
ここしばらく平穏な行軍となっていた。
そんな中、ダリューンはジャスワントが刺客ではないかと疑っていたが
ナルサスはラジェンドラが自分達に押し付けた危険人物ではないかと考え・・・。
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行軍の途中、休憩をとることになったアルスラーンたちは
食事をとりながら休憩の度に何かを描いているナルサスについて色々話していた。
その話を盗み聞いていたジャスワントは軍師が画家ということに変わっているなと思いながらも
些細なことでも調べて”我が主”に報告せねばとナルサスの背後に忍び寄り、
描いていたものを盗み見るが見た瞬間、衝撃のあまり凍り付き動けなくなってしまい
その後も胸やけを起こすほどだった。
一方、その頃ガーデーヴィの元には
ラジェンドラとアルスラーンの密使から今後の行軍予定表が届けられていた。
彼らが軍を二つに分けたことで
その対応を巡って議論が交わされるが
これだという有効なものはなくガーデーヴィは頭を抱えていた。
そんな彼にマヘーンドラは兵力は分散させてはならず
力は集中してこそだとしてこれからの動きについて献策し
ガーデーヴィもまたその言葉を受け入れていた。
マヘーンドラはそんなガーデーヴィに対し殿下ではなく
あえて陛下と呼び間違えることでもて囃すのだった。
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グジャラート城塞
シンドゥラの北方山岳地帯から国都ウライユールへと
伸びる街道を押さえる要衝の一つである。
城司ゴーヴィン将軍の下に副城司として
ターラ将軍とプラケーシン将軍の二人がいた。
一月末、グジャラート城の西でパルス軍は
プラケーシン将軍率いる四千五百の軍と衝突。
プラケーシンはその武勇を以てアルスラーンの首を討たんと
次々と兵士を討ち取っていたが
それに終止符を打ったのはプラダーラタを討ち取ったダリューンだった。
プラケーシンがあっさりと討ち取られたことで
兵士達はすぐさまグジャラート城塞へと退却。
そして野戦では分が悪いと判断したのか門を閉ざし
立て籠もって国都からの援軍を待つ戦法へと切替るのだった。
そんな彼らの立て籠もった城塞を見ながらナルサスは
正面から陥れすのは容易ではないと判断し
あまり時間をかけてはいられないとして使者を立てることを献策するが
選ばれたのはギーヴと案内人であるジャスワントだった。
ゴーヴィンとの目通りが叶ったギーヴは城内の女性達に色目を使いながら
しれっと無血開城を勧めに来たと話し
その見返りとしてラジェンドラは王になったら両将軍を遇すると語る。
そんな話を聞かされた二人は侍女たちにギーヴの相手を任せ
先程の内容について改めて話し合うが
そこへジャスワントが姿を見せると共にパルス軍の真の狙いは
今宵密かにこの城の前を通過しウライユールを襲撃することであると聞かされることに。
それを聞いた二人はギーヴに対し
ラジェンドラ王子への返事はよく話し合って決めたいとして
返事は明日すると告げ、ギーヴもまたそれを了承するのだった。
そして夜が更けた頃、パルス軍はグジャラートを素通りし
ウライユールへ向かうために行軍を開始する。
その様子を隠れ見ていたジャスワントはパルス軍の糧食隊を確認し
懐から何かをとりだそうとするが
その瞬間、いつの間にやら近くまで来ていたギーヴに
こんな所で何をしていると声をかけられていた。
ギーヴは懐にあるのは発火筒かとしてシンドゥラに奇襲の合図をするつもりかと告げ
話をきいてくれというジャスワントの言葉を無視して剣を一閃させていた。
ジャスワントはその攻撃を躱したものの
頬に一筋の傷をつけられたことで相手が手練れであると判断したのか
目付きが獲物を狙う獣のように変貌すると共に
剣を抜きギーヴと相対するのだった・・・。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
いきなりとある王の逸話から始まった今回ですが
ナルサスの言っていることは至極正しいと思います。
民衆にとっては慈悲深い王であると称されるかもしれませんが
実際のところ兵を飢えさせたのは純然たる事実ですし
王の資格ひいては兵を率いる資格がないと言われても仕方ないかなと。
まあ、でもこのように事実を隠すために美談を作ったり
敵に目を向けさせたりするのはどこの国も似たような物ですし
珍しくもないのかもしれませんね。
それとしてガーデーヴィについてですが
なんか出るたびに小物感が増しているような気がしますね・・・。
元々そんなに優秀なタイプではないとは思っていましたが
政治はともかく戦においてまるで役に立たないのはよく分かりました。
まあ、でもそれくらい扱いやすい方がマヘーンドラとしては
操りやすいですしラジェンドラやアルスラーンにとっても
敵が弱いに越したことはないわけで・・・。
すでにこの時点でどう考えてもガーデーヴィは負けだなと思わなくもありませんが
弱すぎても話がイマイチ面白くないのでもうちょっと頑張って欲しいものです。
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ラジェンドラと別行動をとることになったアルスラーンたちパルス軍は
今回プラケーシン将軍率いる軍と戦うことになったわけですが
ん~正直あまりにも手応えが無さすぎる気が・・・。
もちろんダリューンが強すぎるのは紛れもない事実ではありますが
武勇に優れていると見られるプラケーシンが全く打ち合う事も出来ずに
やられるという結果はあまりに情けない気がします。
グジャラート城塞にいる残りの将軍二人も
パルス軍の強さを見て及び腰になっていたので
おそらく戦ったとしても対して強くないんだろうなと。
まあ、でも彼らと直接関係あるかは分かりませんが
今回のラストでギーヴとジャスワントが一騎討ちすることになったようですし
白熱する戦いはそちらに期待したほうがいいのかも。
それにしてもジャスワントの強さは次回明らかになるとして
気になるのが彼の主は一体誰なのかと言う事。
wikiを見れば誰なのかはっきりするかもしれませんが
それではちょっと面白くないのでちょっと予想してみますが
とりあえずパルスとは敵対する勢力であることは間違いないかなと。
ゴーヴィン将軍らに対してパルスの狙いを暴露したりしている以上
これがナルサスの策でないなら間違いなくパルスの敵であるのは間違いないでしょうね。
そうなると考えられるのは別行動中のラジェンドラかガーデーヴィの手の者という可能性が高く
ラジェンドラが現時点で敵対する理由がないので
おそらくガーデーヴィかなと。
ただガーデーヴィ本人というのはイマイチ想像できないので
宰相かその辺りの重鎮の手の者ではないかと。
ふとあの魔術師連中の手先かとも考えましたが
なんかイマイチしっくりこないのでそちらではないような気がします。
まあ、なんにしても次回かそれ以降かで
その主とは誰なのかも明らかになるでしょうから
その時を楽しみにしたいと思います。
とりあえず次回はギーヴvsジャスワントという
屈指のカードが見られそうなのでそちらを楽しみたいですね。
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