2019年8月9日発売の別冊少年マガジン 2019年9月号に連載されている
アルスラーン戦記 74話のネタバレ&感想になります。
第74章 流浪の万騎長
内容ネタバレ
トゥラーンの襲来をアルスラーンに知らせるべく
馬を走らせていたパラザータ。
休みなく走ったせいか馬がつぶれてしまうものの
そこへ通りがかった旅人(クバート)に馬を貸して欲しいと頼むが
あっさりと断られてしまうことに。
酒が切れたから夜までになんとしても酒のあるところに辿り着きたいと言い
断った旅人に絶句するパラザータ。
パラザータはそれでもなんとかして馬を手に入れるために
旅人へと斬りかかるが一蹴されてしまう。
パラザータは疲労からか起き上ることも出来ず
パルスもこれで終わりかと嘆きながらも
馬を貸してくれなかった旅人に恨み言呟いていた。
しかしそれが癇に障ったのか旅人が自らをクバードと名乗ったことで
パラザータは目の前にいる男が
万騎長として高名なクバードであることに気づき
慌てて頭を下げるのだった。
パルス国の命運がかかっているというパラザータの言葉に
クバードも思うところがあったのか詳しい事情を聞くことに。
そして事情を聞くうちにかなりマズイ状況にあるのを理解したのか
クバードは馬を貸すことを決める。
パラザータは馬を貸してくれたことに礼を述べつつ
クバードのことをアルスラーン殿下に伝えると申し出るが
ここのところあちこちで面倒な王族の争いに手を貸したことで
嫌気がさしてきたと断わられることに。
クバードは落胆するパラザータに
俺は俺なりにルシタニアと戦うつもりだと告げ
早くアルスラーン殿下のもとへいけと送り出すのだった。
それから夜を徹して馬を走らせていたパラザータだが
なんとかアルスラーン軍と合流し
トゥラーン軍来襲を報告。
諸卿と共に報告を受けたアルスラーンに
ナルサスは全軍で東に兵を返すべきだと献策。
さらにその事をルシタニア軍にも伝えることで
罠だと警戒させようと考えており
もし兵を出してきても王都の堅固な城壁を捨てて野戦に応じてくれるなら
戦いやすい事この上ないと語る。
アルスラーンはナルサスの献策を受け
ただちに東へ軍を返すことを決める。
ナルサスはファランギースに騎兵のみ五百を率いて
全軍に先立ちペシャワール城へ急行し
籠城している者たちの士気を高めてほしいと頼み
ファランギースも笑顔でそれを了承。
パラザータはならばと自分がペシャワールへと案内すると言い出し
叶うならば馬二頭を貸していただきたいと申し出る。
クバードから自分の事を話すなと言われているためか
誰なのかは濁しつつ途中で馬を借りた事を話すパラザータに対し
アルスラーンはパルスの恩人というわけだなと
良い馬を用意すると笑みを浮かべていた。
そして準備している間にパラザータには
食事をして待っているようにと伝え
エラムに胃に優しいものを作ってほしいと告げつつも
彼をゆっくり休ませてあげたいとして
こっそりその食事に眠り薬をいれるようにと頼むのだった。
パラザータが眠りについた頃
アルスラーンはナルサスからファランギースはすでに出立し
他も万事滞りなく進んでいるとの報告を受けていた。
ナルサスからここまで来て残念だとお思いですかと尋ねられた
アルスラーンだがアトロパテネの会戦以来苦労が多かったせいが
物事が順調に進むとかえって不安になるらしく
残念には違いないが何かこれでいいような気もしていた。
物事も人も思う通りには動かず
その都度ただ真摯に対応するしかないと語るアルスラーンだが
もう一人思い通りにならぬ人物を説得しなければならぬと
散々こちらを罵ってくるであろうエトワールに
どう話せばいいのか頭を悩ませていた。
それでも話さないわけにはいかず
エトワールに事情を説明しに向かったものの
エトワールはアルスラーンを罵ることなく
敵に攻撃された部下を救いに行くのは主君として当然の事だとして
我らに構わず戻れと語る。
罵られるのを覚悟していたアルスラーンは困惑しつつも
彼女らしい言い回しで必ず生きて戻れと告げられ
アルスラーン達はペシャワールへと兵を返すのだった。
一方、パラザータを待っていたクバードだが
丁度そこを通りがかったファランギース率いるパルス軍に声をかけていた。
パラザータに馬を貸したものだと説明するクバードに
ファランギースもそのことを聞いていたからか
馬と礼の金品を手渡すことに。
ペシャワールへと急がなければならないとして
話もそこそこに部隊を進めようとするファランギースだが
クバードはファランギースがこの隊を率いていると聞き
予定変更だとして自分も着いていくことを決める。
武勇に自信があるというクバードに対し
ファランギースはそっけなくでは勝手について来るが良いと告げ
隊を動かすとクバードは自分の名前を訊かれなかったことに不貞腐れながらも
面白い女性だとその後を追いかけるのだった。
”草原の覇者”トゥラーンの野戦における強さはパルス軍も驚くほどだが
攻城戦はそれほど得意ではない。
ペシャワール城の城壁は高く厚く
またルーシャン率いるパルス軍は籠城を徹底しよく城を守った。
なまじ近付けば矢を射かけられるのでトゥラーン軍も
それ以上は近付けず距離を置いて城を囲むだけ・・・。
わずか二、三日のことながら
攻防戦は膠着状態となっていたのである。
ペシャワール近辺に到着したファランギースは
偵察の者から城は落ち着いているものの
周囲はどこもトゥラーン兵であふれていて近付けないとの報告を受けていた。
報告を聞き考えを巡らせていたファランギースは
今のうちに馬と身体を休めておくようにと指示する。
そして今宵闇に応じて押し通ると笑みを浮かべて告げると
それを聞いたクバードも面白いと感じたのか
楽し気な表情を浮かべるのだった。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
紆余曲折ありつつも無事にパラサーダは
アルスラーンのもとへ辿り着いたわけですが
クバードは相変わらずといった感じでしたね。
酒が切れたから夜になる前に酒のあるところまで行きたいと
馬を貸すのを断るとかそりゃパラサーダも絶句するだろうなと(苦笑)
最終的には馬を貸したものの
パラサーダが頭を下げて事情を説明しなければ
本当に馬を貸さなかったでしょうしね。
そんなことがあってからの
いきなりファランギースと共に行動することを決めるとか
本当に好き勝手生きているなと。
それはそれとしてようやく王都までもう少しのところまで
来ていたのにまたペシャワールに戻ることになるとは
なかなかに上手くいかないものです。
まあ、それだけトゥラーンの襲来が予想外だったわけですが
一つ一つ片づけていくしかないんでしょうね。
アルスラーンも残念には違いないが
何かこれでいいような気もすると言っていましたしね。
なんにしても次回はファランギース率いる部隊が
何か面白い事をしそうなのでどうなるのか楽しみです。
さらにそこにクバードも参戦するみたいですし
より面白い事態になるかなと。
それにしてもトゥラーン軍来襲はいいんですが
誰か有名な将軍はいないんですかね?
なにやら攻城戦は苦手とのことですが
それを率いる将の情報がないのがちょっと気になります。