コミックガーデンで好評連載中の
魔法使いの嫁ですが
本誌よりも先に最新コミックスで
最新話が掲載されました。
いつもと違う形ではありますが
このコミックスに掲載された
魔法使いの嫁 95話の
ネタバレ&感想となります。
第95篇 The show must go on.Ⅰ
内容ネタバレ
未だ学院へ戻ることなく
師であるリンデルとの
日々を過ごしていたアドルフ。
卵を預けられるほどに
何故か竜に懐かれている事に
アドルフは困惑しながらも
リンデルの作った温かい料理を
嬉しそうに受け取ろうと手を伸ばす。
しかしここには居ない
リンデルの師であるラハブの
「——私ももらおうか」との声がした瞬間
二人は時間も場所も知れない
彼女が住む小島へ誘われ・・・!?
学院に帰ってきたナルシスは
学院長室にてライザに
今回の件を報告していた。
リズベズ・サージェントの
降霊には成功したものの
結局彼女は何も語らなかった。
対話すること懐柔することも
出来なくはないが
相手が優れた魔術師であったことから
時間がかかってしまうこと。
そしてその結果しだいでは
土地に結び付いた悪霊になりかねず
そうなると厄介でしかない事を。
学院長室を後にしたナルサスは
自室へと向かい歩きながら
報告を受けたライザの反応を鑑みて
相変わらず何を考えているか
わからない御仁だと考えていた。
よくない守備に怒るわけでもなく
頭を痛めるでもなく・・・
だからこそ学院の首領など
やれるのだろうがと。
そしてさらに深く考えを巡らせる。
——あの場で魔術書が盗まれたということは
前から書を狙っていた別の誰かがいたということ。
・・・あるいは「本来の持ち主」が
学院側に奪われまいと取り返そうとしたか。
そう考えながらもナルサスは
だが仕事自体は終わった
探偵役は別の誰かに譲ろうじゃないか
——また事件が起こるまでと
笑みを浮かべるのだった。
あくる日、チセはフィロメラと一緒に
ポプリ作りに取り掛かろうとしていた。
材料は簡単でハーブや花びら、針葉樹の葉
塩や製油など様々であり
チセはフィロメラにはぎれもたくさんあるし
自分で袋から作ってみる?と提案する。
好きなもの選べると言われた
フィロメラは「好き」というものが
わからないようで
不安そうな表情を浮かべるが
やりたいという意欲はあった。
しかし今のフィロメラの手には指がなく
その事に気づいたチセはハッとするも
アイザックは仮でもいいなら
僕が指を作ってみようかと提案する。
アイザックが言うには
動かせないけどものを押さえたり
はさんだりはできるらしく
フィロメラはその好意に甘えることに。
そんな二人の様子を
なんとも言えない表情で見ていたリアンだが
それよりも部屋にいるエリアスが裁縫道具を手に
ちくちくと何かを作っていることが気に掛かっていた。
チセがその事についてエリアスに尋ねると
どうやらアンジェリカにプレゼントする
いつものテディベアであり
身代わり人形との説明が。
身代わり人形の説明を聞いた
リアンとルーシーは使えると考え
チセから作り方を教えてもらったら?
との提案に飛びつこうとするも
エリアスから冷や水をかけられる。
別にいいけど魔術師の作法は知らないから
「仕上げ」は僕になっちゃうよと。
そのやりとりを見ていたルツは
・・・ただのテディベア教室だなと
呆れたように呟き・・・。
チセはルツを構っていたゾーイにも
同じように話を振るが
俺は村で縫い物も刺繍も
いっぱいやったからいいや・・・と
断られることに。
教わるのは断ったもののゾーイは
俺もみんなにプレゼントしたいと言い
チセも快く端切れや針、糸を渡すが
その話がきっかけになったのか
ふとサイモンの事を思い出す。
昨年サイモンから時計をプレゼントされ
さらにアリスが来た時にも
車で送ってくれた事から
サイモンにも何か贈ろうかなと。
そう考えたチセはエリアスに
サイモンさんには何か贈らないのかと尋ねるが
返ってきたのは嫌ではないが
乗り気がしないような反応だった。
嫌なんですか?と聞かれ
エリアスはサイモンについて語る。
サイモンはこう・・・
裏があるはずなんだけど
「見たまま」なんだ。
見た目と「におい」に
違いがなさすぎて逆に信用しづらい。
そもそもあいつは協会側で
僕の監視役であることから
あいつと僕のやりとりが
いらない詮索を呼ぶこともあったと。
話を聞いたチセにはエリアスが
サイモン自身が嫌いではないと見えたことから
改めてプレゼントを渡すことを提案する。
私もこれから作るので一緒に渡しましょう。
・・・サイモンさんも喜ぶと思いますよ?と。
いつにはなく強引なチセの提案に
君がいうならと受け入れたエリアスだが
話を聞いていたルーシー達は揃って
サイモンさんて誰・・・?と
全く話についていけず・・・。
それからそれぞれ作業を行い
外が暗くなり始めた頃
エリアスはちょっと出てくると言い
ふらっと外へ。
それを見たチセもまた
・・・私もちょっと用事!だと
ルツに皆を任せ外へと向かい・・・。
外へ出たエリアスが向かった先は
サイモンがいる教会だった。
突然訪れたエリアスに驚くサイモンだが
エリアスから欲しいものはあるかと聞かれ
驚きを隠せずにいた。
いきなりの事に焦り戸惑いながらも
サイモンは別に何もいらないと語る。
来年も君たちの作った
薬がもらえればそれでいいと。
遠慮とかではなくそれがいいんだと語る
サイモンに対しエリアスは
やっぱりお前はよくわからないなと告げる。
学院で友達ができたんだけど
お前に似てる気がすると。
エリアスの口から友達ができたという
衝撃的な言葉を聞いたサイモンは
これまでにない程驚くも
その後のエリアスの言葉を聞き
何も言えずただ見送ることに。
お前も——たぶん「友達」だから
薬ぐらいいつでも作ると。
思わぬ言葉を聞きフリーズしていた
サイモンに声をかけてきたのは
彼の監査役として送られてきた少年だった。
彼に声をかけられることで
我を取り戻したサイモンは
あいつに気づかされることがあるなんてと
なんとも感慨深さげに呟く。
少年は何がなんだかわからずにいたが
サイモンはどことなく嬉しそうに
少年に語りかける。
・・・クリスマス暇を見て
少し挨拶に行こうか。
君と似た年頃の子が
——友達の家にいるんだよと。
一方エリアスと同じく外へ出たチセは
ヨセフの元を訪れていた。
眠っていたヨセフは嫌そうに
身体を起こしながらチセに告げる。
・・・女のかたちをした厄介ごとが
お前のところに行っただろ?
残ったひとつをとられるところ
だったんだぞ僕は・・・と。
そんな風に嫌味を言いながら
ヨセフはチセに声をかける。
それで?今度は何を対価にして生き残った?
僕はお前のカウンセラーでも
セラピストでもないんだけど
ここに来るっていうことは泣き言だろと。
チセはこの間の事を思い返しながら
とつとつと語り始める。
やれることはしたと思う。
やりたかったことも・・・
だけどそのせいでたくさん人が死んで
そのままにしてきた。
それを仕方ないって
思っちゃった・・・と。
話を聞いたヨセフは
心底嬉しそうに笑い声をあげ告げる。
だから言っただろ
僕とお前何が違うんだって。
やりたいことはいつだって
他と引き換えであり
時間や金、価値あるもの
——命なんかその極みだろ。
お前は自分を削らなくなった。
できるけどやらないって
選択があることを知った。
代わりに—他人を削ることを
覚えられた。おめでとうと。
そうしたかったわけじゃないと
チセは話すがヨセフは結果は一緒だと語る。
わざとじゃないなら許される?
そんな馬鹿な話はなく
死人にとってお前は永遠に憎い相手だと。
そしてヨセフは——その代わり
やりたいことはできたんだろ?と
チセの左目に手をかざし
何が起こったのか理解し
呆れたように告げる。
お前のコインのひっくり返し方
力技すぎて驚くよ・・・野蛮人めと。
コイン?と口にするチセに
ヨセフは諭すように語る。
お前の欲 相手の欲
状況や手駒や力が影響しあって
お前が表に相手が裏になった。
・・・それで今回は終わっただけ。
心配しなくてもいつかお前もひっくり返されて
這いつくばる時がくるよ・・・僕みたいにと。
その言葉にチセはその時は
あなたの顔を思い出すことになると返す。
そしたらきっと伏せてる暇もないでしょ?と。
かわいげがなくなったと
離れようとするヨセフだが
チセはちょっと寒いから毛布に入れてほしいと
ヨセフの纏う毛布に手をかける。
僕に対してのその構えはなんなんだ!?と
文句をつけるヨセフだが
結局ため息をつきながら
チセに毛布をかけていた。
温かい毛布の中、チセは思う。
手放してしまったもの
欲しくて手に入れたもの
大切にしたいもの
切り捨てたもの——・・・。
何が正しいのかわからないまま
進んでいくしかないんだろうかと。
~夜、ビッグベンの下で~
エリアスはチセを背に庇いながら
リンデルと相対していた。
リンデルは儚げな笑みを浮かべ告げる。
——此度はおぬしらの味方にはなれんなあと。
それに対しエリアスは
——「僕ら」は人間とそれ以外のものの
間に立つ存在じゃないのかと返すが
リンデルはその言葉を否定する。
もとより調和など失われて久しかろう。
それが尋常のこととなるほどに
人の世はわしらを焼き続けてきたのだからなと。
~新篇予告~
学院1年次が終わり・・・
かつて失われた獣の咆哮が英国に轟く。
魔術師との交わりによって
ひとつ成長をしたチセとエリアス。
家に戻った彼らの元に
エリアスの”後援者”が現れるところから
物語は再び始まってゆく。
一方。長らく続く人の世に
赤い竜の到来がもたらした、小さな波紋。
この波をきっかけにした分断はやがて
大きな海練となって
英国をふたつに分かつ事となる。
ひとと、ひと為らざるもの。
考えも立場も違うもの達は
やがて相対する運命なのか——。
再び相まみえる日を
夢見て、今は眠る・・・。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌(多分5月号)かコミックス、
MAGCOMIでどうぞ!
感想
いつもとは違い本誌ではなく
コミックスからとなりましたが
色々な意味で興味深い内容でしたね。
とりあえずタイトルが変わったので
いつものように調べてみましたが
意味としてはわかりやすいものでした。
”The show must go on”
直訳するとショーを続けなければならないとなり
その意味としてはわかりやすく言ってしまえば
始めた以上何があっても最後まで続けろ
という感じでしょうか。
似た意味を持つ言葉としては
”賽は投げられた”というカエサルの言葉と
ネガティブ寄りではありますが近いかなと。
このタイトルが今回の件を指しているのか
それともこれから起きる事を指しているのか
それとも両方なのかで
色々解釈は違ってきそうですが
何とも興味深いタイトルだと思います。
それはそれとして今回の話は
今回の件の後日談が
メインの話になるかなと。
色々と不穏な事や謎も多く
もやもやした部分もありますが
一先ず今回の件は
これで一段落となりそうです。
前回もそんな感じでしたが
今回は次回新しいシリーズが始まるから
そのまとめも兼ねてみたいな感じ?
とりあえずフィロメラ達に関しては
特に語る事も無く
今のところ問題はないかなと。
もちろんフィロメラに関しては
指もなくなっていますし
あれだけの事を引き起こして
学院に戻れるかどうかは
正直なんとも言えませんが
生きているだけで十分ですしね。
学院に関してはライザの反応が
ちょっと訝しい部分もありますが
当分の間明らかになる事もないでしょうし
何も語ることはないかなと。
それとヨセフに関してですが
チセとの関係性は
思っていた以上に良いみたいですね。
ヨセフの方は嫌がっているものの
結局チセに甘えられて
悪い気分ではないような気もしますし。
気になる事と言えば
前回の灰の目の不穏な台詞と
ラストのリンデルとの対峙について。
まだ定かではありませんが
話の流れからして
どちらも赤い竜が関係しているのは
間違いないと思います。
特にリンデルは竜の面倒を見たりと
色々竜と深く関わっていますし
それが原因か発端となり結果的に
チセ達と敵対する羽目になったのかなと。
そんな思わぬ展開もあってか
新しいシリーズも中々に
厄介な事になりそうな感じ。
リンデルと敵対することになるとか
受け入れがたいものがありますが
出来ることならどちらも無事に済んで
また以前のような関係に戻れたらと。
都合のいい考えなのは百も承知ですが
それを願わずにはいられない
というのが正直なところです。
そんな気になる新篇ですが
公式ツイッター上にて
ヤマザキコレ先生から
衝撃的な情報が明らかに!
詳しくは公式ツイッターにて
確認して欲しいですが
とりあえず長期休載になるとのこと。
理由についてはわかりませんが
連載開始から10年経ったことで
色々調べたいことや疲れなども
出て来たのかもしれませんね。
何にしろこれっきりというわけではなく
あくまで休載とのことですので
再開がいつになるかはわかりませんが
連載再開を楽しみに待つしかないのかなと。
2023年4月からアニメ化第二期となる
学院篇も放送されることになりますので
今はそちらに期待ですかね。
ともあれ再開時期等に関しては
本誌か公式ツイッターにて
発表とのことですので
メッセージにもあったように
気長に待ちたいと思います。
そういえば4/5発売の5月号に
まほよめが掲載されるらしいですが
この95話が掲載されるんですかね?
今回はかなり異例だったので
その可能性もあり得そうですが
約1か月遅れで掲載されても
なんかうーんって気もします。
まあ、本誌でしか読まない人もいるでしょうし
そう考えればおかしくはないんですけどね。
追記:2023年12月から
WEBコミックサイトのコミックグロウルに
移籍連載再開されました。
公開されてからそれなりの期間
無料で読めるみたいですので
こちらでは特に扱わないことに決めました。
基本的に一月毎での連載になるらしいので
気になる方はそちらかコミックスでどうぞ!
第96話へ