2023年1月25日発売の
アフタヌーン 3月号にて連載されている
ヴィンランド・サガ 199話の
ネタバレ＆感想になります。
第１９９話 千年航路⑧
内容ネタバレ
民会での傷害事件からわずか1ヵ月。
アルネイズ村の砦の外壁は
完成しようとしていた。
男達のほとんどが農作業を後回しにして
この建設作業に参加した。
そんな彼らを遠くに
トルフィンはカルリを連れ
エイナルと共に農作業に勤しんでいた。
その作業中、エイナルはトルフィンに尋ねる。
もし仮に・・・イ―ヴァル達が言うように
ウーヌゥ達と戦争になったらお前はどうすると。
トルフィンは戦争にはならないと否定し
お前にまでそんなこと言われちゃ困ると言うが
エイナルが口にしたのは逃げるか？やっぱり
ここではないどこかへという言葉だった。
責めているわけではないと前置きした上で
エイナルは思いを語り始める。
徹底して暴力を避けようとするお前の考えを
誰よりも支持してるんだ。
だからこそオレもここまで・・・
ヴィンランドまで一緒に来た。
ただ・・・オレはここが好きなんだ。
アルネイズさんの名で
呼ばれているこの土地が・・・。
この先になにが起こるとしても
もうここではないどこかへは行きたくないと。
お前もそうだろ？と尋ねられトルフィンは
戦争にならなければいい
それだけだと胸の内を語る。
そのために今プルムク達に
ミスグェゲブージュの行方を探してもらっており
今は彼と対話することが何より大事だと。
そして彼を含めた皆があつまり
これからのことを話し合う場を設け
必ず全員が納得する落としどころを見つける。
場合によってはミスグェゲブージュが
少しも折れてくれなければ
これ以上開拓地を広げることは
できなくなるかもしれない。
だがそれならそれで仕方ない。
そこが基準だということだ。
「ウーヌゥ達を不安にさせない開拓規模」
その基準を守れば状況は安定すると。
オレ達ケティル農場で大旦那様から学んだだろ？
「大きすぎる富は災いを呼ぶ」って。
そう語るトルフィンの言葉に
エイナルはミスグェゲブージュは
オレ達がこの地にただいることすら
許してないんだぞ？と話すが
トルフィンは語る。
まさにそこを交渉するんだと。
共存の道を。
オレ達もギリギリまで譲歩する。
彼にも最低限譲歩してもらう。
オレは交渉は成功すると思ってる。
ウーヌゥ達も小麦のパンが大好きだからなと。
そして改めて告げる。
戦争にはならない、オレがさせないと。
そんな二人の話を聞いていたのか
カルリがヒルドもおなじことを
言っていたと口にする。
「せんそうにはわたしがさせない」って
めっちゃこわいカオで言った。
そして「がっこうはしばらくお休みする」って。
他には何も言っていなかったらしいが
カルリはでもわかったよと話す。
ヒルドはせんそうのげんいんを
やっつけにいくんだなーって。
その話を聞いたトルフィンは
カルリの言う戦争の原因とは
一体何を指しているのか考え・・・。
一方その頃イーヴァル達は
西の森の中にいた。
どうやら偵察をかねて
この西の森の開拓を引き受けたらしく
警戒しながら森を歩いていた。
ストルクはこの西の森の開拓を
引き受けたのはいい判断だったと
イーヴァルを称賛する。
ギトプイ一族のナワバリに近いから
みんなここを欲しがらず
ほかの言えと土地争いをしないですむと。
イーヴァルは進んで危険を引き受ける
そうしてこそリーダーだと言うが
ストルクはそんなに危険ではないと考えていた。
そうした中、ガングラティが
仕掛けられていた罠に引っかかり
樹に吊るされてしまうことに。
無事を確認したイ―ヴァルは
ウーヌゥの罠か！と考えるが
ストルクはヒルドの仕掛けた罠だと否定する。
いまギトプイ一族が
こんな半端なちょっかいを
出してくるはずはないと。
彼らのほとんどは平和を望んでおり
戦争したがっているのは
ミスグェゲブージュだけ。
彼が片手でこの罠をこさえたとは考えにくい。
つまりしかけたのはノルド人で
罠に詳しいヒルドであると。
話を聞いたイ―ヴァルだが
その中に聞き捨てならない言葉に気づき
ストルクに聞き返す。
いまお前・・・ウーヌゥが
平和を望んでるって言ったのか？と。
ストルクは肯定した上で説明する。
情報を総合的に判断すれば
こっちから手を出さない限りは
戦争にはならないと。
聞いていた話とは違うと
問い質すイーヴァルだが
ストルクは悪びれることなく語る。
イーヴァルがトルフィンから
開拓団の実験を奪うには
戦争の危機を演出するのが一番。
緊張状態が続く限りは
みんなより強いリーダーを望み続ける。
実際うまくいってるでしょ？と。
ストルクがそんな事を考えていたとは
まるで思っておらず困惑するイーヴァル。
そんな彼にストルクはオレなりに
兄ちゃんに天下取らせてあげようと思ってと
笑みを浮かべながら近づこうとするが
そこに落とし穴がある事に気づけず
見事に引っ掛かってしまうことに。
しかし罠に掛かったストルクは
何かに気づいたらしく
イーヴァルに逃げろと告げる。
これは人間用の罠だ。
今すぐこの森を出るんだ。
ヒルドがアンタを殺しに来るぞと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
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感想
前回から一月経ったわけですが
事態は悪くなる一方みたいですね。
ただ砦の外壁こそ完成したものの
小競り合いすらも起きていないのは
なによりといったところかなと。
正直言ってしまえば
ストルクの言葉に踊らされているとはいえ
守りを固める事自体は
それほど悪い事ではないと思っています。
やっぱり安全なところで
生活できるというのは人にとって
安心感を得られるのだと思いますし。
ただ一方で砦を築いたということは
相手が襲ってくる可能性があると
疑っているも同然。
恐らくトルフィンもその点が
気がかりなんだろうなと。
それにしても結局あれから
ミスグェゲブージュの行方は
わからないみたいですね。
今回の諍いの元凶でもあるので
早いところ見つけないと
何をするかわからないだけに心配です。
そういえばなんとなく
彼が見た未来の事を考えたんですが
いずれあの様な光景が
この地に訪れるのは理解できますし
それをどうにかしたいのも分かる。
ただあの未来が本当に
変えられるものなのか疑わしいところ。
確定した未来であるならば
彼が何をしても変わらないですし
彼が動くことによって
あの未来が訪れるなんてことも
十分にあるんじゃないかなと。
まあ、未来視自体正直なところ
ナンセンスではあるんですが
あれが本当だと考えた場合には
そういう懸念もあるのかなと。
恐らくトルフィンが彼と話す際には
その部分が焦点になる気がします。
それはそれとして
ついにヒルドが動き始めましたね。
彼女は森限定で言えば
トルフィン以上ですので
イーヴァル程度じゃ抗えないだろうなと。
流石に彼を死なせてしまうと
色々な意味で厄介そうですので
トルフィンが割って入るとは思いますけどね。
ただ今回も思いましたが
イーヴァルよりもストルクが厄介だなと。
結局のところ彼の目的は
イーヴァルをこの開拓団のリーダーに据える事。
その為には開拓団の皆を扇動することも辞さないと。
なんていうか目的のためなら
ある程度何をしてもいいと考えているのが
ストルクという男なんでしょうね。
なのでイ―ヴァルよりも彼の方が厄介なんですが
結局のところ彼はイ―ヴァルが望むことを
叶えるために動いているので
やっぱりイ―ヴァルを押さえるのが早いのかも。
そのために必要なのはイ―ヴァルが
トルフィンのほうが強いと認めること。
彼みたいな単純で腕に覚えがあるタイプには
力づくでわからせるのが一番な気がしますが
その方法が取れないのがトルフィンなので
ここまでこじれてしまっているんでしょうね。
なんにしてもヒルドが動いたことで
色々な意味で事態も動くでしょうし
一体どうなるのか楽しみです。
出来ることなら良い方向に進めばいいと
願っていますが・・・。