2025年1月24日発売の
アフタヌーン 2025年3月号にて連載されている
ヴィンランド・サガ 217話の
ネタバレ&感想になります。
第217話 千年航路㉖
内容ネタバレ
戦地であるアルネイズ村から
3人のウーヌゥ人が逃げ帰るかのように
村を後にしていた。
彼らはそりに誰かを乗せて運んでいるらしく
息を切らせながら懸命に引っ張っていた。
戦地に行かず後方にいたガーハホチらは
そんな彼らに気づいたようで
手を振ってこっちに呼び始める。
呼ばれた彼らはどうした?と聞かれ
お前らこそどうした!?
食糧を全然持ってこないじゃないか!と
文句を言いつつ訳を話す。
オレ達はナワバリに帰るよ。
連合軍はボロボロだ。
戦争どころじゃなくなった。
悪いことは言わん。
お前らも戦場には近づかない方が
身のためだと。
男の一人はところで食い物を持ってるか
少し分けてほしいと近寄ろうとするが
ガーハホチはそれを止める。
あーちょっとそこでストップ。
それ以上こっち来ないで
病気がうつっちまうじゃんかと。
何を言われたのか理解できず
唖然とする男だが次の瞬間
ガーハホチと行動を共にする者たちから
矢を射かけられ!?
逃げて来た男達の始末を他の者に任せる
ガーハホチだが片付けにいった者達から
来てくれ!と呼ばれ向かうことに。
こいつら面白いもん運んでたぞと言われ
確認するとそこには苦しそうなムインの姿が。
それを見たガーハホチは
表情を変えることなく告げる。
おやおや これはまたどういうことだか。
手下を戦場に置き去りにして
どこへ行くつもりだよムインの親分と。
どうやら命を落とした彼らが運んでいたのは
族長のムインだったらしく
男達はうわ!こいつ「ノウド病」にかかってるぜ
殺そう殺そうと騒ぎ始める。
辛うじて意識を保っていたムインは
貴様ら・・・これは・・・どういうつもり・・・だ
と途切れ途切れに問いただすが
ガーハホチは悪びれもせず告げる。
どうもこうもないよね。
病気になったあんた達を
この地から出さないようにしてるだけさ。
焚き火たいとけばそっちのほうから
ホイホイ寄ってきてくれるんで助かるよ。
このギトプイ一族のナワバリは
病の呪いに汚された。
この戦争に加わった者は
誰一人ここを出ることはできない。
東側も南側も誰も逃がさないよう
オレ達一族で見張ってるんだよと。
それを聞いたムインは
お前になんの権限があって・・・と口にするが
ガーハホチは言葉を続ける。
あるのよ権限。
だってオレ今この島で一番強いもんね。
オレ達一族に病人死人は一人もいない。
あんた含めでかいツラしてた男達は
みーんな戦争とノウド病で死んじまうのにな。
そう言って腰に履いていた剣を抜いた瞬間
ムインはその剣が何なのか気づき声をあげるが
ガーハホチは陶酔したように語る。
わかるかこれが何か
だよなァ 欲しがってたもんなァ あんた。
きれいだろう。
この島の新しい支配者に
ふさわしいと思わねぇか?と。
ムインはなぜ・・・お前がそれを・・・
と口にするがガーハホチは
ずっとあんたが目障りだったぜムインと
ムインの首を剣で刺し笑みを浮かべる。
ザマァみろ。
今からオレがこの島のボスだと。
ガーハホチがムインに止めを刺した
そのすぐ後、プルムクらと共に
トルフィンが姿を見せる。
そしてガーハホチが持つ剣を見て
険しい顔を浮かべる中
弓矢を構えた男達は声をあげる。
止まれノウド人!
おいミスグェブージュ
なんだそいつは!と。
ミスグェブージュはトルフィンの事を
彼はノウドの長トーフィだと説明する。
お前達を害しはしない。
お前達の足許の石に用があるそうだと。
事態が飲み込めない男達が戸惑う中
トルフィンは焚き火に近づくと足で火を払う。
するとその下には大きな石があり
その石には「フリズル」という文字が。
それはトルフィンがエイナルと共に
設置した慰霊碑であり
トルフィンは元に戻そうとするも
まだ傷は治っておらず手間取っていた。
しかしそれを見たプルムクとヒルドが
手伝いを申し出てくれたことで
なんとか起こすことに成功する。
周りの男達はなにがしてェんだあいつらと
不思議そうな顔をしていたが
トルフィンはニスカに願う。
これは大切なものです。
このまま触れずにそっとしておいてほしいと
その人に伝えてくださいと。
そう言い残しこの場を去ろうとする
トルフィンだがそれを止めたのは
新たに支配者になったガーハホチだった。
ガーハホチはあそこでがんばってる連中に
撤退するように説得して欲しいと言い
トルフィンに一緒に来てほしいと頼む。
ニスカがそれをトルフィンに
通訳して説明しようとするが
トルフィンは通訳しなくてもわかりますと返す。
この男は私を人質にして
ノルド人達を撤退させるつもりですねと。
トルフィンはお前に言われなくとも
そのつもりだと言い
来たけりゃ一緒に来いと歩き始める。
ニスカに通訳されたガーハホチは
話が早いとトルフィンの後をついていくが
ヒルドはトルフィンに声をかける。
トルフィン気をつけろ・・・
あいつは仲間殺しだ。
それにあの剣はイーヴァルの・・・
その言葉を遮るように
トルフィンはわかっていますと言い
ガーハホチに関して語る。
戦場でたまにああいう男を見かけます。
なんと表現すればいいか・・・
「痛みを知らない男」
・・・とでも言うべきか・・・
戦争や殺人を好む男達・・・
他人の苦しみに無頓着過ぎる男達です・・・
正直どう付き合えばいいのかわからない。
私はそういう男達から逃げ回ってきました。
でも・・・このヴィンランドにも
ああいう男がいる。逃げ切れない。
彼らとどう接するか・・・
私の生涯の課題のひとつですと。
戦場となっている砦へと到着した
トルフィンが目にしたのは
戦によって命を落としたウーヌゥ人達と
病になり苦しそうに寝込む者達だった。
あまりの光景にミスグェブージュが
心を痛める中、プルムクは
応援を呼んでくると申し出る。
ギトプイ一族の生き残り達なら
一度この病気を克服しているから
ここに来ても大丈夫だろう?と。
ミスグェブージュが助けなければ
一人でも多くとプルムクの申し出を受け入れる中
トルフィンたちがさらに砦に近づくと
ウーヌゥの者達はノウド人だと騒ぎ始める。
ガーハホチはそんな彼らに告げる。
騒ぐな停戦の使者だ。
それ以上近づくんじゃねェ死に損ないどもと。
トルフィンの姿は砦にいる
村人たちにも見えたようで歓声を上げながらも
ウーヌゥに捕まっていたんだと憤っていた。
声が届く場所までトルフィンが来たところで
ヴァルガルがご無事を信じておりやした!と声を上げ
すぐさま助けるために動こうとするが
トルフィンは無駄ですとそれを止める。
皆さんが出てきて攻めかかる前に
後ろの者達は私を殺すでしょう。
私を助けて下さるつもりなら
ウーヌゥ人と交渉する以外に
方法はありませんと。
何も出来ないことを理解した
ヴァルガルが悔しさを滲ませる中
ギョロはその一団に
ニスカがいることに気づき声を上げる。
なんでここに来た!?
ダメだって言っただろ!と。
しかしニスカはギョロが生きていることを
確認した上で告げる。
ワタシキタギョロのヨメサンスル。
ギョロヤクソクシタと。
いきなりそんなことを言われたギョロが
慌てふためく中、ヴァルガルから
どうすりゃいいのかと言われたトルフィンは語る。
停戦です。条件は我々ノルド人の
この島からの完全撤退ですと。
その言葉を受け村人達を
代表する形でストルクは言葉を返す。
そう言うと思ったよ。
オレ達がそんな一方的な条件
受け入れると思うか?と。
トルフィンはストルクに
この戦争を終わらせるにはそれしかないと話すが
ストルクは目を見開いて告げる。
あと少しねばれば勝てるんだ。
あと少しこらえればウーヌゥどもは
みんな病気でくたばっちまう。
そうすりゃこの島はオレ達のものだと。
それに対しトルフィンは
本気で言ってるのかと言い返す。
ウーヌゥ人の犠牲の上に
国を作るつもりなのか!?と。
それでもストルクはこっちだって死者が出た
いまさら撤退なんて出来ないと語る。
仲間の死を無駄にする気かと。
トルフィンはストルクに問いかける。
本当に勝てると思ってるなら
なぜ今その砦から討ってでないのですか。
ウーヌゥ達はもう戦える状態じゃない。
今攻撃すればあの病人達を制圧できるのに。
・・・砦にはもうそんな戦力すら
残っていない・・・そうでしょう?と。
ストルクは攻勢の準備を整えていたところだ。
戦力は充分にあると返すが
トルフィンはそれが嘘だと気づいていた。
みんなの顔が疲れている。ろくに寝てない。
交代で歩哨する人数さえいないんだと。
二人が話している最中
ヴァルガルは配下の者達に告げる。
弓と縄ばしごを用意しとけ。
オレが合図したら旦那の周りのウーヌゥ戦士を
一斉射撃で掃討しろ。
同時にオレ達元ヨーム戦士組で
前方一帯を制圧、人質を奪還する。
旦那とヒルドさんを絶対に死なせるな。
この停戦交渉が決裂した瞬間に実行するぞと。
トルフィンとストルクの話し合いは
平行線を辿っていた。
ストルクは勝ちつつあるオレ達にとって
撤退はなんのメリットもなく
話にならないと告げる。
対するトルフィンは
あなた達の戦略はまちがっていると語る。
病気でウーヌゥ達が
死に絶えることはない。
敵殲滅を勝利条件にしてはいけない。
それは終わりのない
戦いの始まりだと。
本当の勝利は敵を倒すことじゃない。
敵と仲良くなることだと語るトルフィンを
ストルクはバカにするが
その傍らに仇であるガーハホチが
いることに気づき目を血走らせる。
そんな事など露知らずトルフィンは
埒が明かないとばかりに
他の者達に呼びかける。
他のみんなはどう思っているんだ!?
なぜ黙ってる!?
私だってこの地で暮らせるなら
どんなにいいかと思っている。
だがそれはこの状況では叶わない。
いったん退くべきだ。
今あなた方が期待している勝利はひと時の幻だ。
ここで勝ったとしても今日のような戦いが
この先ずっと繰り返されるだけだ。
考えてくれ!それでいいのか!?と。
砦に籠る村人の一人は
近くにいる男にどう思う?と聞くが
男は・・・わからねェと返す。
ただ・・・疲れた・・・
寝不足で頭が働かねェ。
オレ以外の誰かに
判断してもらいてェよ・・・と。
そしてトルフィンはエイナル!
エイナルは生きてるか!と呼びかける。
生きてるなら出てきてくれ!
お前と話したいと。
その声が聞こえたのかエイナルが姿を見せるが
トルフィンはあまりにも変わってしまった
エイナルの様子を見て言葉をなくしていた。
ストルクはそんなエイナルに
下に降りて交渉の続きをしようと声をかけ
ここじゃ遠すぎると梯子を下りて
トルフィン達の元へ向かうが・・・
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ヴァルガルらの参戦によって
どうなるかと思っていましたが
まさか病気が蔓延して
戦いどころではなくなるとは・・・。
というよりも黒死病とも呼ばれる
ペストですがこんなにも感染力が強いとは
そりゃ世界中でそれだけ犠牲者も出るなと。
ムインらも病気には気を付けていたんでしょうけど
想定していた以上に感染が早かったことで
どうしようもなかったんでしょうね。
そしてその機に乗じてガーハホチが
クーデターを起こして島の支配者になるとか
今のところガーハホチの思惑通りに
全てが進んでいる気がします。
というよりもガーハホチに関してですが
もしここまで読んでの事だとしたら
思っていた以上にヤバい奴なのかも。
彼らに病気に関する詳細な情報が
あるとは思えない以上
あくまでも状況を見て判断したんでしょうし
それだけでも驚嘆に値するかと。
トルフィンはどうにかして
この戦いを終わらせようと動いているものの
正直状況はよくない感じ。
戦が始まる前ならばともかく
ここまで犠牲者が出てしまうと
どうしたって感情的にも
引き下がれないと思いますし。
特にストルクはガーハホチに
かなり恨みがある以上
より顕著だと思います。
それはそれとしてエイナルについてですが
なんていうか変わっちまったなと。
それだけ自分の手で
人の命を奪ったということが
衝撃的だったんでしょうけど
正直今のエイナルは見ていられないです。
今のエイナルを見てアルネイズがどう思うか
ヴィンランドに来たのは何のためか
もう一度思い出してほしいものです。
そちらのほうが村を守るという事よりも
遥かに大事な事ではないかと。
まあ今となっては今更かもしれませんが・・・。
なんにしても停戦交渉は続くようですが
ストルクの目を見る限り
どうにかしてガーハホチを討とうとしてるのは
おそらく間違いないでしょうね。
それが成功するかどうかは
なんとも言えないところではありますが
成功するにしても失敗するにしても
状況は悪化していくことになるかと。
気になる次回については次号は休載で
続きは3/25発売の5月号にて掲載とのこと。
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