2023年9月28日発売の
週刊ヤングジャンプ 44号に掲載されている
キングダム 第772話の
ネタバレ&感想になります。
第772話 それぞれの武運
内容ネタバレ
趙軍各軍が出陣し始めた頃
馬南慈はその事を李牧に報告しに来ていた。
しかし報告を終えても馬南慈は
部屋を出ていかず
李僕は何かあるのかと声をかけ・・・。
一方、カイネは李牧の居所がわからず
兵に聞いて回っていた。
そしてどうやら軍議部屋にいるらしく
そちらに向かいつつも悩んでいた。
こんな出陣前に聞くべきか・・・。
この一年忙しすぎて李牧様とは
本当にゆっくりお話しする時間もなかった。
出陣したらまた聞けなくなる・・・。
桓騎軍に囲まれた時の
あれは何だったのか・・・と。
馬南慈は地図に目を向ける
李牧に問いかける。
いよいよ始まりますな。
趙北部防衛第二戦。
やはり李牧様にとっては
こちらが”本命”ですかと。
李牧はその通りだと認めた上で
今回の戦いについて語る。
第二戦の方が秦軍が戦力を
増やしてくるのは分かっていましたし
王翦・楊端和の二人の六大将軍に
率いさせるだろうとも思っていました。
この第二戦こそ秦にとっては
絶対に負けが許されない戦いです。
しかしこの戦いでも我らが勝利する。
そうすれば秦は以降大軍を興せぬ程の
深刻な打撃を受けることになり
中華統一など夢のまた夢だと。
馬南慈は李牧が最初から
この北部戦を”宜安”と”番吾”の
”対”で作戦を練られた事を知っており
やはり恐ろしいお方だと笑う。
その上で李牧に告げる。
話はかわりますがそろそろ嫁など
もらう気はありませぬかと。
想定外の言葉に呆気にとられる李牧だが
それは今まさに部屋に扉を叩こうとした
カイネも同様だった。
馬南慈は改めて
李牧が今置かれている立場を説明し
縁談の申し込みが多いと語る。
それはもはや李牧様個人の話ではなく
宰相にして三大天かつ武安の城主であり
趙王に次ぐ程の高貴な人は
自ずと世継ぎを考えねばならない立場にあります。
その血筋を盤石にしておかねば
我々やその家族たちが安心できませぬ。
縁談の相手は全て貴族・公族の子女ばかり
他国の王族直系の子女
つまり王女からも来ており
いずれの姫を選んでも李牧様にとって
不足のない方々ばかりであると。
部屋の外で盗み聞きしていたカイネは
その馬南慈の話を聞き納得していた。
今や李牧様は国士の筆頭であり
結婚する相手は王侯貴族だ。
あの時助けに戻って下さったのは
ただ李牧様が優しいからだと
勘違いしないようにと務めていた。
しかしその想いまでは誤魔化せないのか
カイネの目には
溢れんばかりに涙が流れ・・・。
馬南慈の話を聞き李牧は語る。
ある程度戦争の片がついたら
全てを辞職して”雁門”に戻ると。
それは武安城を手放すことを示しており
馬南慈も李牧の決断に大笑いしていた。
あの巨城を捨てるなど・・・
それはきっと中華全土が目を丸くすると。
その上で馬南慈は再度本当に
姫君を娶らなくていいのかと尋ねるが
李牧の決意は変わらなかった。
それならばと誰を伴侶にするのかと聞かれ
その相手について李牧は語る。
昔から知っていて
ずっと苦楽を共にしている者
側にいて安心する者にと。
それを聞いた馬南慈は
一体誰のことを指しているのか気づいたようで
それが本当ならば我ら雁門の民は
皆涙を流して喜ぶと笑みを浮かべていた。
本当のあなたを支えることが出来る
唯一の人間であると。
私もそう思いますと返した李牧は
改めて口にする。
私が雁門に赴任して一番の幸運は
彼女と出会ったことですと。
それを聞いたカイネは先程とは違い
喜びの涙を流すのだった。
一方その頃、秦軍にも趙軍が各城から出陣し
広く展開しながらこちらへと
向かって来ているとの報せが届いていた。
王翦軍の各将達は
李牧に対して警戒を強めつつも
我らは”常勝”王翦軍だという矜持から
戦意を高めていた。
副将軍である楊端和率いる山の民は
犬戎軍を加えさらに力を増しており
逸る者達を抑える形で
すでにバジオウ達が先陣に立っていた。
王賁率いる玉鳳もまた
王賁の第一子”離”が生まれた事により
各将達それぞれに気合が入っていた。
それは王賁も同様のようで
今の玉鳳は最強であるとして
李牧の首を玉鳳が取るのだと
戦意を漲らせていた。
飛信隊は新兵達の加入に加え
いきなり多くの兵を率いることになったことで
端まで指示が届かないところもあり
修正しながら軍を進めていた。
斥候の義考からこの先の平野に
趙軍の姿有りという報告が届き
皆が武運を!と持ち場に戻る中
信は一人羌瘣の元へ。
羌瘣はまだ信とどういう顔で
接したらいいかわからず
顔を背けていたが
信はそんな彼女に声をかける。
去年以上にこの趙北部の戦いには
中華全土が注目している。
どっちが勝つのか。
秦と趙のどっちが強ェのかって。
そんな中で見せつけてやろうぜ羌瘣。
飛信隊が一番強ェって
李信と羌瘣が最強だってよと。
その言葉に羌瘣も気が抜けたのか
口元に笑みを浮かべつつ応えたのを見て
信も同じように笑みを浮かべていた。
そしてついに趙軍の姿を
地平の向こうにとらえた信は羌瘣と共に
飛信隊が急ぎ隊列を組むのを見ながら
ただじっと趙軍へと目を向けるのだった。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
今回は趙軍が出陣し
互いの軍が展開し始めたところで
終わったみたいですね。
何にしても今の段階で分かるのは
趙が圧倒的に有利に進んでいること。
前回李牧が言っていたように
趙軍側には大いなる利があるためか
どちらかというと余裕がある気がします。
秦側もそれぞれに気合が入っているんですが
前提条件として敗北が決まっているためか
うすら寒く感じてしまって・・・。
ただ気になるというか
ちょっとやっちゃった感があるのが
今回の李牧と馬南慈の会話。
カイネは嫌いなキャラではないので
彼女が報われそうなのは何よりだと思います。
でも大戦の前にそういうことを話すのは
まさにフラグとしか言いようがない気が・・・。
それだけ余裕があるというか
必勝であることを確信しているんでしょうけど
でもこのタイミングで話さなくても・・・
というのが正直なところ。
いくら趙軍の勝利が決まっているとはいえ
趙が無傷で勝利するわけもないですし
戦のごたごたで負傷することも十分考えられる中で
そのフラグはまずいんじゃないかなと。
まあ、取り越し苦労だとは思うんですが
なぜこのタイミングでと思ってしまうだけに
何か予期せぬ出来事が起こる可能性も
あるんじゃないかなと疑ってしまいます。
ともあれ次回ようやく開戦するみたいですので
結末が分かっている戦いではありますが
どんな戦いになるのか楽しみです。
結果的に敗けるのが決まっているとしても
その事を知らない両軍が一体どう戦うのか
そうした中で飛信隊はどう動くのか
それに着目していきたいところですね。