2024年9月25日発売の
週刊少年サンデー 44号に掲載されている
界変の魔法使い 第3話の
ネタバレ&感想になります。
其の三 魔法使い殺し
内容ネタバレ
王子は一人ベッドに横になり思う。
正直にいえば、飛国が消えたと言われても
ピンとはこなかった。
僕は知識としてしか自分の国を知らない。
国も空も僕にとっては窓の外のものだ。
僕の世界は、繭のような離宮の中で閉じていて
その世界を創り上げた櫟江を失ったその時——
自由を得るはずの計画と共に
全ては崩壊した——はずだった。
そのはずだったのに・・・
”お前の目には死者を蘇らせる力がある。”
”だが決して、それを使ってはいけないよ。”
という世無の言葉が耳から離れない・・・。
周りの者の命を削る程の魔力と特別な能力——
鎖に繋がれるには十分な理由だけど・・・
それに黙って耐える理由が僕にはもうない。
僕に足りないのは、櫟江だと。
あくる日の朝、王子は迎えに来た
奇妙な人形と共に食堂を訪れていた。
右昏に曰くこの人形は玉人形と呼ばれる
玉を動力に動く自動人形で
簡単な雑用しか出来ないけど
結構長く使えるとの事だった。
簡単に使い方を教わり
朝ごはんを食べていると
玉人形に乗ったライチが姿を見せる。
今日はフツーに掃除だという
ライチの後について仕事をこなした
夕方、食堂ではいつものように
食べものの取り合いが始まっていた。
王子も前回のやり取りから
どうすべきかわかったようで
争奪戦に参加。
しかし色々なものを口にしたものの
どれも食べた事がないらしく
その反応を見ていたガテンは
腹を抱えて笑っていた。
そうした中、食堂上部にある
壁の扉から世無が姿を見せ
王子に声をかける。
どうだ、うちの天才料理人牙顚の料理は。
しかも労働の後の飯、格別だろう!と。
王子は美味しくて楽しくて
やりがいがあります!と答えるが
何故か世無は舌打ちして
どこかへ行ってしまう。
意味が分からず困惑する王子だが
その理由はライチが教えてくれた。
気にするな、うらやましがってるだけだから。
神仙は霞食って生きてんのよ。
食事とかしねーの。
それでも食への未練が捨てられなくて
あんな窓まで作ってあたしらの食事を
時々覗きに来るんだと。
右昏が言うにはヒトだった頃は
美食家だったらしく・・・。
王子があの人・・・
やっぱり元は人間なのか・・・と思っていると
再び扉から世無が姿を見せ王子に告げる。
言うの忘れた。
小僧、後でオレの部屋に来いと。
世無の元へ訪れた王子は
明らかに不満そうな表情を浮かべていた。
その事について指摘された王子は
そんなこと・・・ないですけど・・・と言いつつ
また何か変なこと言うんじゃないかなとは
思ってますと不満を口にする。
なんで・・・あんなこと言ったんですか?
と改めて尋ねたところ
世無はお前が「もう何もない」と言うからさと言い
王子を近くに招きよせる。
そして王子の首に他の皆が下げているような
玉付きの魔法をかけた鍵をかけ
鍵について説明する。
この莿天城には百一の庭と
七百七十七の部屋があり
それをはるかに超える数の扉がある。
お前の位によって開く扉は変わるだろう。
その鍵で幾つの扉を
開けられるかはお前次第だと。
王子はそれを聞きもしかして・・・
城の外へ出ることも・・・?と口にするが
世無は可能だと告げる。
お前がそれに値すればなと。
その言葉を聞き王子は
不信感を露わに問いかける。
あなたは僕をどうしたいんです?と
その問いに対し世無は語る。
何を諦めているのか知らないが——
お前は多分人より格別に多くの扉を
開くことのできる星の下に生まれている。
それは・・・とても幸運なことなんだ。
何もないなんて言うなよと。
一方その頃ライチは
書庫で勉学に励んでいた。
対面には書庫を管理していると思われる
獣人が座っており
ライチからカボウと呼ばれていた。
ライチから新入りのことについて問われた
カボウだがその答えは
それは我らの決めることではないという
そっけないものだった。
しかしそれでライチが納得するはずもなく
以前カボウに言われたことを口にする。
”魔法使い殺し”は界変と共に現れる——と。
その上でライチは今回は
七色が殺されたわけじゃないけど・・・と
前置きした上で物騒なことを口にする。
新入りのお付きの魔法使いだったっていうし・・・
魔法立国を丸ごと皆殺しだろ?
最終的に魔法を使うやつ全員殺すつもりかな?と。
それを聞いたカボウは
滅多なことを言うでないと窘めつつ語る。
・・・とはいえ事態は深刻だの。
七色の魔法使いは魔法界の頂点でもあるが
世界の均衡を握る
魔力の番人であることこそ本質・・・
故にその座を空位にすることは
さらなる厄災へとつながりかねん。
そして実際問題——ここ十年で既に
【赤】から一人、【青】から一人
【紫】から一人・・・
計三人の大魔法使いが殺られとる。
複数在位の所だった故
今の所何とかなっとるとはいうが・・・。
そう語ったカボウに
ライチはしかめっ面を浮かべ告げる。
うちの主一人在位弟子ナシ引き籠りだぞ?
最後の襲撃から3年経ってこの界変・・・
しかも近場!もうヤバいだろ!
世無いなきゃこの城終わりじゃん!と。
カボウは再び我らにできるは
座して待つのみと答えたものの
ライチが納得するはずもなく
さらに言葉を続けようとするが
カボウに手が止まってると怒られることに。
今、お主のすべきは勉学にはげむことだと。
そしてカボウは王子について語る。
・・・あの少年は大分
気丈に振るまっていると思うぞ。
全て失うとは相当なことだからの。
あまり色々言ってやるなと。
一方、自室にて横になっていた王子は
手にした鍵を見ながら決意を固めていた。
そもそも僕は・・・知らないことが多すぎる・・・
だから——もし、皆の言う通り厄災を呼ぶ可能性も
多くの望みを叶える可能性も
両方手にしているのなら——
まずは知ろう。判断は後でいいと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回その存在が明らかになった
”魔法使い殺し”ですが
滅茶苦茶ヤバイみたいですね・・・。
カボウが言っていましたが
ここ十年の間で赤と青、紫から
それぞれ一人計三人の大魔法使いが
やられているとの事。
その者達と世無、どちらが上かはわかりませんが
神仙である存在を殺せるというだけで
そのヤバさがわかるのではないかと。
当然世無もやられる可能性もあり
だからこそライチは王子に
弟子になって欲しかった
ということなんでしょうね。
それと今回ちょっと触れられてましたが
王子のお付きの魔法使いである櫟江も
その犠牲者らしいですし
王子にとっても他人事ではない以上
いずれどこかで関わることになるかと。
界変と”魔法使い殺し”は
何やら密接な関係がありそうですので
王子はすでに関係者なのかもしれませんが・・・。
ともあれ色々と謎が多くて
話が続くにつれて増えていますが
前も言った通りまだ始まったばかりの作品ですので
これからどうなるのか楽しみです。
それに城の内部に沢山ある扉の鍵も
渡されたことで様々な場所へ通じる扉も
出てくると思いますので
そちらに関しても期待したいところですね。