2025年12月24日発売の
週刊少年サンデー 2026年4・5合併号に掲載されている
界変の魔法使い 第30話の
ネタバレ&感想になります。
其の三十 魔法使いと鳥面の男
内容ネタバレ
影国南部の町・森陵に着いた
王子一行を追いかけて来た鳥面の男。
男の名は子鵬と言い
以前からロキとの契約を求めていたものの
当の本人は契約を拒絶。
そればかりか近づくだけも嫌なようで
ロキは世無に抱き着きながら告げる。
帰れ子鵬!私の主は一生この人なんだよ!
私と契約したけりゃ倒してみろバーカ!と。
その言葉を受け子鵬はでは仕方ないと口にし
魔法なのか光源を生み出すと共に
世無達へ向け自身の影を伸ばす。
その瞬間、世無達の身体は
足を取られたかのように動けなくなり
周囲にはゴーレムのようなものが現れていた。
子鵬は先回りした分、準備はしてあると告げ
周囲のゴーレムに襲い掛からせると共に
空中から杖を持って襲い掛かる。
許せ世無!死んでくれ!と。
しかし次の瞬間、世無の口から
プッという音と共に針のようなものが吹かれ
子鵬の背後にある光源へと突き刺さる。
その瞬間光源は鳥の姿へと変わり
世無達の動きを止めていた影が消えていた。
自由に動けるようになった世無は
結界を発動させると
周囲のゴーレムごと子鵬を叩き落とし
呆れたようにため息を吐きつつ告げる。
子鵬よ・・・これの勝負はコレで終了なと。
叩き落された子鵬は
俺が七色に勝てる訳ないだろ!と嘆き
ロキからもう諦めろー!と言われていた。
世無は王子にこいつらこういうの
三百年以上やってんのよと説明すると共に
子鵬に声をかける。
土人形に影縛り・・・お前も毎回
手を変え品を変えよくやるよと。
どうやら光源だった鳥は妖だったらしく
中位妖魔で子鵬から暁亞と呼ばれているらしく
腹に刺さった針(植物の種?)を抜くと
途端に元気になっていた。
世無は暁亞が子鵬にあの魔法使いに
呪いをかけてやりましょうと言っているのを聞き
思い出したかのように子鵬に
少し時間はあるか?と声をかける。
自分の事だと思ったロキは
ちょっと!と声を上げるが
世無は主従の契約のくだりはもういいだろ。
あとはお前の問題だと告げ
改めて王子に説明する。
しつこくて鬱陶しいが案外使える奴なんだ。
少しはそれの参考になるかも・・・
子鵬は【黒】の魔法使いの門下だと。
森陵の老舗旅館に移った王子一行は
早速呪いを子鵬に見てもらっていた。
子鵬は少し見ただけで
その呪いが鬼壱のものであると看破していた。
しかし解く手段はないらしく
改めて鬼壱の術について語る。
鬼壱様の術は均質な魔法式と
不均質の呪法式を織り混ぜた独自のもので
組み上げ方が異様に緻密なんだ。
目的の完遂に主眼を置く方だから
一つ外した所で次の呪いが出てくるだけだろうと。
突ける穴があるとすれば・・・時限式の所だな
という子鵬の言葉に世無は
時法をいじるってことか?と訊ねつつも
疑問を浮かべる王子に時法について説明する。
期日が来ないようにすれば
実行はされないだろ?
たとえば時間の基準をお前自身の認識に限定して
「一日を十日に感じる」なんて魔法をかければ
期日までの時間は十倍になる訳だ。
呪いを騙す感じに近いなと。
しかし王子がでも鬼壱さん
刻限は次の満月とも言ってましたけど・・・
と声を上げると世無はああそうだった!と言い
子鵬はさすが抜かりない・・・!と零していた。
世無がまあ・・・呪刻眼持ってるやつを
時間関連で出し抜ける訳もないか・・・と零す中
子鵬はじっと王子の眼を見ていた。
本当にうまく隠してるな。この距離でも
瞳をよく見ないと神眼と確信が持てない・・・と。
世無が笑みを浮かべながら苦労してるよ。
お前は冥道眼に興味はないだろ?と訊ねると
子鵬は神眼に興味のない術者なんかいないと語る。
だが俺には荷が重い、子供の目をくり抜く趣味もない。
しかも鬼壱様の獲物ときては・・・と。
王子は子鵬に訊ねる。
鬼壱さんのお弟子さんなんですよね?と。
その声に世無はいや違うぞ?と代わりに説明する。
【黒】は三兄弟で在位しててな、
こいつはその末弟唯参の弟子だと。
その上で唯参はな――鬼壱とは違って
何て言うか・・・アホみたいなやつだと言うと
子鵬は人の師匠をアホって言うなよ!声を上げていた。
世無はあいつが弟子の指導とかしてんの
想像がつかんのよと心底不思議そうに口にすると
子鵬はテーブルを叩きながら叫ぶ。
指導は・・・正直何言ってるかよく分からんさ!
あの人天才だから!と。
世無は子鵬が今三番弟子だと聞き
出世したな!と声を上げつつ王子に語る。
唯参は割とホイホイ契約しちゃうアホでさ
こいつも初見で契約されてコキ使われてんのと。
それを聞いた王子はえ・・・契約って
そんな気軽なモノなんですか?と絶句するが
世無はだからアホなんだよと。
王子がそれに・・・そんなに
いくつもできるモノなのかなっていうのも・・・
と口にするともちろん制限はあると世無は語る。
我々のいう”契約”の基本は
「主従の関係を結ぶ」ことにある。
師匠と弟子もこれに当たる。
契約は個人間で行われ
一度結べば取消すことはできない。
主は従の側にとって一生絶対的な効力を持つが・・・
ここで制限がかかるのは主の数だ。
一人の中に「主」を
書き込める枠は一つ、と考えていい。
なのでしくみ上二人の主と契約することは
できないが・・・従者の数は増やせる。
そして、この契約は主側から
一方的に結ぶことも可能。
その場合”調伏”なんて言ったりもするなと。
話を聞いて王子は櫟江から聞いたことあります!
妖魔を調伏したとか何とか・・・と口にするが
・・・あれ?とある事に思い至る。
そしたらスホウさんは・・・ロキさんと
契約できなくありませんか?と。
その言葉に子鵬は目を逸らしながら語る。
・・・主側が死ねば、効力が失われるから
その枠は空くんだと。
その上で世無が言葉を続ける。
実はもう一つ・・・難易度は格段に上がるが
特別な契約があるんだよ。
それが――【同魂契約】
文字通り魂を一つにするような契約だが
双方の完璧な合意と共鳴がなければ成立し得ない。
主の強制力に唯一勝るのが同魂の相手だ。
同魂契約をした者はすべてを分かち合える・・・死さえも。
片方が弱ればもう片方も弱り
片方が死ねばもう片方も死ぬ。
それ程強い契約だ。
危険は倍になると考える者もいるだろうなと。
その言葉に子鵬はため息を吐きながら
一緒に死ねるなんて最高じゃないか・・・と零すが
その言葉にロキはドン引きしていた。
世無は子鵬にある頼みごとを持ちかける。
小僧が鬼壱に呪いをかけられたと噂を流してくれないか?
オレを認知してるような超上級者除けになるだろうと。
子鵬はなんで俺がそこまで・・・と断ろうとするが
世無からやってくれたら森量にいる間
ロキとの会話を邪魔しないと言われ
即座にやりますと答えるのだった。
翌日、王子は世無に連れられ
魔導具街歩きに向かっていた。
二人の後ろには昼に動くのは不満だが
宿に一人残るのが嫌でついてきていたロキの姿も。
そしてそんな彼らを建物の上から
ようやく出てきたか・・・
面白くなってきたぜえ!と
目を血走らせて嗤う子鵬が・・・!?
”同じ宿に泊まるのを禁止され”
”周辺で野宿するも、興奮と”
”ぐるぐるした思考により眠れてない(三日目)”
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ロキの嫌がる様子から
鳥男の面の男(子鵬)が顔見知りであることは
うすうす察してはいたものの
三百年以上の付き合いがあるとは・・・
それだけの期間に渡って
ロキにラブコールを送っているらしいですが
主が世無である限りは契約を結ぶのは
まず不可能でしょうね(笑)
それに勝てないのは理解した上で
同魂契約という方法も明らかになりましたが
ロキに毛嫌いされている現状で
それを結ぶのも難しいかと。
ともあれ中々に濃いキャラが出てきましたが
以前に少しだけ登場した唯参の弟子だったとは
あの師匠にしてこの弟子とは
まさにこういうことなんでしょうね・・・。
まあ、話してみると結構話せるタイプでしたし
ロキはともかく王子は大丈夫そうなので
あのまま放っておくのがいい気がします。
なんにせよロキとどうにかして契約を結ぶべく
この後もついて来るみたいですので
この森陵にいる間はなんだかんだで
一緒に行動することになるかと。
世無も言っていましたがこの街には
術者が多いみたいですので
盾替わりにでもなればと思っているのかも。
正直あんだけ目がバッキバキだと
別の意味で心配ではありますが・・・
ともあれ子鵬が言っていたように
これからが森陵の本番だと思いますので
どんな展開になるのか楽しみです。
第31話へ
