2019年11月9日発売の別冊少年マガジン 2019年12月号に連載されている
進撃の巨人 123話のネタバレ&感想になります。
第123話 島の悪魔
内容ネタバレ
”ミカサは述懐する”
”誰もがエレンは変わったと言う”
”私もそう思った”
”でもそれは違うのかもしれない”
”エレンは最初から何も変わっていない”
”あれがエレン本来の姿だとしたら”
”私は・・・エレンの何を見ていたのだろう”
ヒストリアの命を受け
壁の外であるマーレ大陸の調査をすることになった
エレン達調査兵団。
アズマビト家へと案内される中
今まで壁の中しか知らない皆は
見たこともないものに興奮し
田舎者丸出しの行動をとっていた。
皆が興味深さげに辺りを見渡す中
エレンは念願だった壁の外の世界を見ながら
何故かボンヤリしていた。
初めて食べたアイスクリームに
ミカサも頬を緩めエレンに薦めるが
エレンは父親の記憶で知っているらしく
収容区のエルディア人は滅多に食えないと語り
壁の外はこんなに広いのになと呟いていた。
そうした中、騒いでいたサシャの財布がスリの少年に掏られ
リヴァイが捕まえるという騒動が起こる。
周りの者たちはまた敵国の移民かと呟き
取り囲んだ少年に対しキツイ口調で詰め寄っていた。
海に放り投げたらどうか?
右手をヘシ折ってやれ、目立つところにしばらく吊るしてやろうと
どんどんエスカレートしていくのを見たサシャは
やり過ぎだと止めようとするが
男達はこれは嬢ちゃんの問題じゃないとまるで取り合うことはなかった。
しっかり罰を与えて示しをつけねぇと
ここで商売している俺達の問題であると。
そして何より移民なら「ユミルの民」かもしれないとして
その辺に紛れてちゃ夜も眠れたもんじゃねぇと
嫌悪感を露わにする男達にスリの少年は
恐怖で震えることしかできずにいた。
そんな状況を見かねたのかリヴァイは
男達の中に割って入ると
俺はお前の財布じゃねぇと言っただけで
このガキはサシャの弟だとして
スリであることを否定する。
そんなリヴァイの行動に
サシャらも追随しなんとか少年と共に
その場をやり過ごすのだった。
そんな少年と郊外で別れた夜
アズマビト家の屋敷にて
キヨミから壁外のエルディア人がどういう立場にあるのか
改めて説明を受けることに。
それはパラディ島から友好を図る計画も
極めて困難である事を示していたが
パラディ島から来た面々は
それでも和平の道を諦めるならジークの謀略に加担するしかなく
そんな未来を迎えないためにも最善を尽くすほかなかった。
そうした中、エレンの姿が見えないことに気づいたミカサは
難民たちのテントが立ち並ぶ光景を前に
ひとり涙を流すエレンを発見する。
エレンの視線の先には
昼間あったスリの少年の姿もあり
ミカサは何かあったのかと尋ねるが
返ってきたのはまだ何も・・・という言葉だった。
ここは戦争で居場所をなくした人達が暮らしているらしく
エレンは俺達もそうだった、ある日突然日常が終わって
何もかもが奪われたと語る。
すべて自由を奪われるんだと話すエレンに
ミカサは唐突にお前はどうしてオレのこと
気にかけてくれるんだ?と尋ねられることに。
子供の頃オレに助けられたからか?
それともオレは家族だからか?
オレは・・・お前の何だ?と。
いきなりの事に顔を真っ赤にしながらも
ミカサがあなたは家族だと口したその時
あの少年の家族から声をかけられることに。
違う言語だったからか何を言っているのか分からず困惑するミカサだが
エレンには理解できているらしくもてなしてくれるとのことだった。
そこにエレンを探していたアルミン達も合流し
テントに誘われもてなされることに。
始めは言葉も分からず出されたものも口にしなかったアルミン達だが
エレンが始めに口をつけたことで後に続き
気づけば周りのテントの人達も巻き込み大宴会になり
リヴァイ達が探しに来た時には
テントの人達と共に皆が酔いつぶれていた。
あくる日、国際討論会にてエレン達は
今回の目的でもあったユミル保護団体の主張を目の当たりにする。
それは彼らの思い描いていたものとは程遠く
各国に散ったユミルの民の難民へ援助を求めるが
彼らはただエルディア帝国に交配を強いられた被害者であり
憎むべきはあの島の悪魔であると言うものだった。
”あの日からエレンは私達の元を去った”
”その後彼から届いた手紙には”
”ジークにすべてを委ねると記され”
”次に顔を合わせた時にはもう手遅れだった”
”果たして他に選ぶべき選択肢があっただろうか”
”すべては最初から決まっていたのかもしれない”
”それでも・・・考えてしまう”
”あの時もし私が別の答えを選んだとしたら”
”結果は違っていたんじゃないかって・・・”
ミカサは壁の中から姿を見せた巨大な巨人達よりも
エレンがいた場所から出現したように見えた
さらに大きな”モノ”を見て困惑を隠せずにいた。
アルミンは地鳴りが鳴り響く中
エレンが始祖を掌握したと語る。
そして真っ先に地鳴らしを発動したなら
それはきっとエレンの意志であり
このままマーレに集まっている連合軍を潰すつもりなのだと。
エレンは味方だ。そうに決まっていると叫ぶアルミンの言葉に
ミカサはエレンが私達のところに帰ってきたのかと思った瞬間
アルミンの表情は一変していた。
アルミンはウォール・マリアの壁まで崩壊しているのを見て
マーレの連合軍を潰すだけならこんなに必要ないはずだと語り
それだけならこんなに・・・!?と口にした瞬間
「すべてのユミルの民へ告ぐ」とエレンの声が頭に響いていた。
「オレの名はエレン・イェーガー」
「始祖の巨人の力を介しすべてのユミルの民へ話しかけている」
「パラディ島にあるすべての壁の硬質が解かれ」
「その中に埋められていたすべての巨人は歩み始めた」
「オレの目的はオレが生まれ育ったパラディ島の人々を守ることにある」
「しかし世界はパラディ島の人々が死滅することを望み」
「永い時間をかけ膨れ上がった憎悪はこの島のみならず」
「すべてのユミルの民が殺されつくすまで止まらないだろう」
「オレはその望みを拒む」
「壁の巨人はこの島の外にあるすべての地表を踏み鳴らす」
「そこにある命をこの世から駆逐するまで」と。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ついにエレンが世界に対して
宣戦布告ともいえる宣言をしましたが
なんていうかいつかこうなるだろうと
どこかで予想していた気がします。
パラディ島の上層部やアルミン達は
なんとかして対話をもって和平を実現させようとしていましたが
世界はそんなに甘くはないだろうなと。
もちろん対話で平和になるなら素晴らしいことですし
出来るならそうなって欲しいとも思いますが
人ってそんなに寛容だとは思えませんしね。
何より人と言うのは自分とは違うものを
そうすんなり認めることは出来ないわけで
私だって近くに巨人に変身できる種族がいたら
避けようと思いますしね・・・。
とりあえずこの進撃の巨人の世界についてですが
マーレを見れば分かる通り平和な世界とは言えず
戦争を繰り返している世界となります。
その為、色々なマイナス面とでも言えばいいのか
エルディア人をその捌け口としている背景があります。
ぶっちゃけ人として見ていないわけです。
ユミル保護団体の主張もありましたが
言って見ればパラディ島に住んでいるのは
人ではなく悪魔だから殲滅しようみたいな感じ。
エルディア帝国が世界に対して
とてつもない影響を与えたのは理解できますが
それをその子孫に向けている時点で
理性的な判断とは到底言えないかなと。
まあ、それでも自分と違うものを排除したいと言うのも
わからなくもないんですが・・・。
とまあ、ちょっと真面目な感じで語ってしまいましたが
あくまで私個人の意見ですので
これに関してはそういう意見もあるんだなくらいに思ってくれればいいなと。
それはそれとしてエレンの宣言に戻りますが
結局どういう結末を迎えるんでしょうね?
あの巨大な巨人達による地鳴らしが驚異なのは確かですが
それに対抗できる力もあるのではないかと。
現に今まで太刀打ちできずにいたマーレの巨人に対しても
有効な武器が次々と開発されているわけですしね。
なので私としてはそうすんなりとはいかないだろうなと思っていますし
もしエレンの望み通りに進んだとしても
誰も救われない可能性もあるのでなんとも応援しづらいところです。
かといってどういう結末だったら
いいのかもわからないわけで
作者様がどういう結末を描くのか楽しみです。
欲を言えばハッピーエンドで終わってほしいですが
なかなかそう上手くはいかないでしょうね・・・。
まあ、予想できない展開だからこそ面白くもあるんですが。