2025年11月20日発売の
週刊ヤングジャンプ 51号に掲載されている
キングダム 第857話の
ネタバレ&感想になります。
第857話 誉れ高き敵
内容ネタバレ
楊端和が倒れたことを知る
バジオウ・タジフ・シュンメン
そしてキタリの率いる四隊は
火を吹く猛威で敵を圧倒した。
――が しかし圧勝しているのは
その四隊の所のみでそれだけで十万越えの
大戦場の局面を変えることはなかった。
むしろ楊端和・ダントが倒れたことを知る
舜水樹のたくみな戦術で着実に趙軍が
優勢な戦局へと推移していった。
そうした状況の中、楊端和本陣に
ある親子が姿を見せていた。
山界でも”幻の一族”と言われている
山界の”賢者”百眼族の族長ハダマと
その娘であるウダマである。
その姿を見たある族長は端和様から
うっすら聞いたことがあると語る。
もし端和様に何かあった場合
代理で指揮を執る者が現れると。
その言葉を聞いたウダマは
父であるハダマに語り掛ける。
悲しみの極致ですね父上。
本陣仕えの側近達でさえ
私達のことをきちんと知らぬとはと。
ハダマはウダマに嘆くなと言い
全ては楊端和のせいだと語る。
言っておくが我らは長年楊端和の影の参謀として
戦略・戦術を練っては楊端和を援けているのだぞ。
楊端和は百眼が狙われ死ぬのが怖いと言い
我らの存在を隠した。
結果 奴はこれまでの戦略・戦術の功は
全て自分の才覚とし、皆から天才と謳われ
自らの人気をさらに不動のものにした!と。
本陣の側近たちも彼らが本陣の指揮を
執るために来たのだと理解する中
ハダマはこれからについて語る。
バジオウらの奮戦は敵に大いに
こちらの怒りを示せたがこれ以上は不要。
むしろ四人を失わぬよう気をつけろ。
右のフィゴ族はまー敗れるだろうが
今注意すべきは左のメラ族。
理由はその相手が李牧側近の
馬南慈だからだ。奴の軍は強い。
フィゴの劣勢は中央バジオウ達に影響する。
そうなる中で頼みとなるメラ族を
馬南慈はつぶしに来る。
敵の頭脳 舜水樹がそこに兵力を
集めて来るため止められぬ。
かと言って中央も崩されぬのがギリギリ。
強引に戦況を変える力を持つ楊端和もいないと。
では馬南慈軍をどうすれば・・・と
零す側近達にハダマは言葉を続ける。
故に援軍を要請した。
一刻を争うので独断でな。
よもや山の民軍が開戦早々に
このような醜態をさらすとは。
・・・だが”死に体”になっても死ななければよい。
先に死に体になり気配を消して耐えておれば
意外な好機が巡って来るやも知れぬと。
そして援軍要請は一体どこへ!?と聞かれ
ハダマは一瞬黙った後に口を開く。
・・・不幸中の幸いだ。
この大連合軍の中で最も柔軟な頭脳を持つ男――
楽華蒙恬が隣の戦場にいたことがと。
一方その頃、蒙恬は伝令として来た
ハダマの息子であるヌダマから
楊端和が討たれたことを聞かされていた。
楊端和は死んでいないが
これから軍は大いに押し込まれるだろう。
ついては隣である蒙恬軍には
右の山を越え一万の援軍を要請したい。
申し訳ないが楊端和軍の失態の負の影響を
貴殿の戦場で止めて頂きたいのだと。
それを聞いて楽華の参謀たちは
一万などこんな序盤に在り得ぬと声を上げるが
蒙恬は右に一万二千送ることを即断する。
元々右の馬南慈軍はこちらにも重圧をかけている。
刃を交えて視界につかむと。
恩に着ると礼を述べたヌダマは
話が早くて助かったと陣を去る間際
改めて注意を促す。
楊端和・ダントを撃った
弓使いの存在を忘れるな蒙恬将軍と。
それに対し蒙恬も全大将に共有すべく
即 馬を走らせるとして
楊端和軍の左翼には我らの援軍が届くまで
耐えるようにと伝え見送るのだった。
ヌダマが去った後、参謀から
宜しいのですかと声が上がるが
蒙恬は仕方ないと語る。
さっきの伝令が言ったように
ここで影響をしっかり止めねば
連合軍全体に歪みを作る。
その上で蒙恬は戦場に目を向け
今の状況を考察する。
しかしいきなり楊端和将軍が倒れるとは・・・
李牧はまずは王都邯鄲に最も近い
楊端和軍を狙い、手を打ったということか・・・
楊端和軍に援軍を送る
羽目になるとは予想していなかった・・・
どちらかと言うと左手の戦場――
不安要素のある飛信隊の方に
注意を払っていたが・・・
飛信隊の持ち場の戦力の
およそ半分は元韓軍・・・
そう考えた蒙恬は参謀の一人に
北隣の戦場 羌瘣軍の戦況は
どうなっているかと訊ねる。
すると参謀は物見からの報告を説明する。
羌瘣軍は押し込まれているが
元々羌瘣軍二万に対し趙軍紀彗は五万・・・
兵力差を考えても当然であると。
それを聞いた蒙恬は北隣の戦場に目を向け
厳しい表情を浮かべていた。
相手は元離眼城紀彗。
大胆ではあるが決して誤ちをおかさぬ堅将。
戦力差はそのまま戦局に表れるだろう。
打破出来るのは羌瘣軍が使うとされる
元韓の軍勢だが――
一方その頃、羌瘣は各隊から届けられる
苦戦の報を受けながら戦場に目を向けていた。
参謀たちは大軍ながら全く隙がないと
紀彗軍が強敵であることを理解しており
羌瘣に元韓軍の力に頼るところかと・・・と進言する。
羌瘣もその言に同意する中
火急と思い直接進言の非礼お許し下さいと
元韓軍を率いる若き将が姿を見せる。
ヨコヨコ将軍より羌瘣将軍の援けに出るよう
二万の軍の指揮を承った洛亜章です!
敵の勢いを止めるため我らの二万を
二つに分け一万ずつの両翼となり
参戦することお許し頂きたく思います!と。
洛亜章は韓の大将であった
洛亜完の面影を強く残しており
参謀たちは絶句していた。
そうした中、羌瘣は洛亜章に目を向けると
ヨコヨコ将軍から聞いていると声をかける。
かたじけない。貴殿の軍には
もう少し後で力になってもらおうと考えていたと。
この時羌瘣陣営の参謀達は
恐ろしい想像が頭をよぎった。
それは左右に展開する二万の元韓軍が
もし裏切ってきたらという考えだ。
この一年練兵を共にし信頼を築いたとはいえ
共闘の実戦は初めてである。
もし反旗を翻されたら計七万に包囲される形となり
羌瘣隊は一瞬で息の根が止まるであろう。
ましてや今目の前に現れ参戦を訴えてきたのは
洛亜完の遺児と思われる若者である。
羌瘣の言葉を聞いた洛亜章は
ではすぐに軍を動かしますと身を翻すが
羌瘣はそんな彼に声をかける。
直接刃を交えてはいないが
君の父洛亜完は韓の偉大な大将軍だった。
その父を討ち殺した秦軍に”恨み”はないのかと。
その言葉を受け洛亜章は
羌瘣の方へ体を向け語る。
私は今十六で先の戦いでは従軍が許されず
修行の地から呼び戻されることはありませんでした。
今思えば父はあらゆる事態に
備えていたのだと思います。
新鄭が落ち父が決死兵と共に蘭城へ入った時
私もそこへかけつけました。
無論 共に死ぬためです。
しかし父は許さなかった。
洛亜完の子ならその意志を引き継ぎ前へ進めと。
くやしさと恨みは違うと。
父は別れる前に言いました。
相対した秦軍は誉れ高き敵であった。
敗れた二戦はくやしいが
誉れ高きものであったと。
あの時の父の目は変わらず誇り高いものだった。
・・・それでも自分の中で決着するまで
半年かかりましたが・・・
韓が滅んだこと 父が死んだことは
この身を裂く程にくやしいことです。
――しかし この心にあるのは恨みではない。
これは嘘偽りない今の私の心情です。
この回答で宜しいでしょうかと言う洛亜章に
羌瘣は笑みを浮かべてありがとうと礼を述べる。
私が大丈夫と言うよりも
配下達は何倍も安心したと思う。
ヨコヨコ将軍が言っていた。
洛亜章 帰還した君の存在が軍内に失った
かつての気高さを復活させたと。
その言葉に洛亜章は
父の名を汚さぬよう戦う所存ですと返し
羌瘣は告げる。
呼び名が欲しいな。
今後貴殿の軍は洛亜軍と名乗れと。
その言葉に目を見開いた洛亜章が
ありがたく!と頭を下げると
羌瘣は先は長い 洛亜章決して死ぬなと
その姿を見送るのだった。
洛亜完の忘れ形見
洛亜章率いる二万の軍勢が両翼に入り
総勢四万となった羌瘣軍は
五万の紀彗軍を相手に戦局を反転し始めた。
この元韓軍の熱い戦いぶりを遠目ながら
凝視していた男がいた。
北上中の青華雲である。
中華十弓一位の男は
しばしそこで石のように動かなかった。
再び走り出した青華雲一団の足は早く
風のように山を渡った。
そしてついに標的とする飛信隊
李信の戦場へと到着したのである。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
楊端和軍がどうなるかと思ってましたが
蒙恬軍の援軍が向かうことで
とりあえず均衡は保てそうですね。
流石に勝てるとまでは言えませんが
一方的な展開にはならないかと。
そして羌瘣軍の戦場についてですが
まさか洛亜完の遺児が登場するとは驚きました。
年齢的に子がいてもおかしくはなかったですが
このタイミングで登場するとは・・・
とりあえずヨコヨコに関しては
飛信隊の将の一人となりそうな感じですが
洛亜章は羌瘣軍に入りそうですね。
どちらにしても才はありそうですので
今後の活躍に期待したいところです。
そして次回はついに青華雲が
信を狙って戦場に現れるみたいですので
どんな展開を見せるのか楽しみですね。
それと欄外を見る限り彼が戦場に戻った
理由が語られることになりそうですし
それについても気になるところです。
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