の内容ネタバレ&感想になります。
ネタバレはあくまでも詳しくなりすぎず
流れを理解できるくらいの内容となっておりますので
詳細が知りたい方はいずれ出るDVDやBDを購入することをオススメします!
第44話 もうひとつの家/三月町の子
内容ネタバレ
<もうひとつの家>
洗濯物を干していたら電話が鳴り出てみると
もしもし、今大丈夫ですかと細い声が。
ああこれがよくニュースで言ってるオレオレ詐欺かと身構えたら
お久しぶりです、零ですという声が聞こえてきた。
声の持ち主は数年前まで
我が家で預かっていた男の子だった。
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家を訪れた零から歩や香子の現況を聞かれ答えながらも
私はこの子が私一人の時に来てくれたことにほっとしていた。
香子と歩むがいたらまたこの居間は凍りついていただろう。
ーあの頃みたいに。
この家ではもう誰もこの子の名を口に出すものはなく
長い事ちゃんと挨拶に来れないですみませんと話す零に
心配したわ、全然顔も見せないんだものと言おうと思って口をつぐんだ。
この子は全部解っていて内に来ないでいてくれ
そして気まずくて目を合わせられないで座っている私と
向かい合ってくれているのだ。
この子は随分と雰囲気がやわらかく大人になった。
歩と同じ年なのが信じられない。
うちの子はまだ変わらず子供のままなのに。
うちの子達が彼にかなわないのは割と早い段階で気がついた。
単純な話だ。端目にも明らかに練習量がケタ違いだったのだ。
それでも彼に負けたくないのなら彼より更に練習をしなければならないが
出来るかと言えば出来なかったのだ。
そんな彼を前にうちの子達は自分の弱さに心を乱し
粉々に崩れていった。
あの子を見ていて思い知られたのは
辿り着きたい場所を持ってしまった人間というのは
ここまで突き詰めないといけないのかという事だった。
そしてある日、やっと思い至ったのだ。
自分の夫もあの子と同じような子供時代を歩んできた人間であり
将棋を通して見ればこの家の中で一番解りあえるのは
家族ではなくあの子だったのだと。
彼は一心に将棋に打ち込みながら勉強もこなし家の事も手伝い
本当にいい子だった。それがますますうちの子二人を苦しめた・・・。
子供たちも私もそれを解っていて零に甘え突き放し
彼に居場所を与えなかった。
そして彼は「自分がいるとみんながどんどんギクシャクしていくから」
ーそれすらも口に出す事もせず静かに家を出て行った。
五時の鐘が流れ零が帰った後
私は台所で夕飯の支度を始めた。いつもの通りに。
誰も連絡をよこさなくても毎日私はここに立つ。
ご飯を作って皆を待つ。
その晩、零がほんとの私の子供であった夢を見た。
ほんとの子供になった彼は今でだらしなく寝そべり
お菓子を食べながらテレビを見る。
早く寝なさいと言う私にうるさいなぁと口応えをした。
私はこれじゃ歩と香子と同じじゃないかとがっかりしながら
心からほっとしていた。
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<Chapter.89 三月町の子>
みんなでもんじゃに行こうと零から誘われた
ひなたと高橋。
ひなたは高橋が自分も早くプロになりたいと言っていたことから
彼の中ではプロはもう夢ではなく
目標に変わっている事を知る。
もうすぐいなくなってしまうことに寂しさを覚えたものの
高橋があっちで挨拶がわりに三月町からきましたと
もんじゃを焼こうと思っている事を聞き
改めて私達は三月町の子でそれだけは絶対に変わらないのだと
思いを新たにするのだった。
そして高橋が三月町を発つ日、
ひなたは桜まつりであかりと共に屋台を出していた。
あかりからお見送り行かなくていいのかと言われたものの
高橋が頑張れよと言ってくれたように
ひなたは自分もここで頑張るのだと忙しく立ち働くのだった。
美咲の手伝いで店に出ていたあかりと美咲は
ひなたが高橋と離れ髪を切ることを決意したことで
まさに青春といった乙女の一大イベントに盛り上がっていた。
店の手伝いを終えひなたの様子を見にいったあかりだが
どうにも様子がおかしくひなたは布団を被ってどんよりしていた。
どうやらいつも行っている美容室で大人っぽくボブにして欲しいと頼んだものの
いつものお姉ちゃんではなくおばちゃんしかいなかったためか
似合ってはいたものの高校生というよりは
中学生っぽく見えてしまうという結果に。
なんとかひなたをなだめたあかりだが
翌日、相米二からは座敷わらしと言われ
モモにはこけしを持ってこられ
挙句に我慢できなくなったあかりに缶のドロップを渡されたことで
ひなたはもう外出ない、引きこもるーっっと泣き叫ぶのだった。
そして始業式の朝を迎えに来た零を前に
恥ずかしがりながらも出たひなた。
しかし零の反応はひなたが思っているようなものではなく
何度も繰り返し似合っていると連呼し
モモはそんな零を怖がりひなたも困惑していた。
道すがら零から何度も似合っていると言われた
ひなたは恥ずかしがりながらも一緒に高校へと向かうのだった。
感想
これで第2シリーズ最終話を迎えたわけですが
しみじみと滑川さんの回で終わらなくてよかったなと(苦笑)
チャプターでいうと97の幸田家の話を前半に持ってきて
後半のラストに91の零とひなたが一緒に
新しい学校へ向かうシーンが入りましたが
かなり綺麗にまとまっていると思います。
ただ気になるのは現時点において第3シリーズの話は出ていないものの
もし続いた場合チャプター97と91のシーンを
どういう形にするのか。
第1シリーズのラストの時はスピンオフを持ってきたことで
チャプター自体は動かなかったんですが
今回少し先の回をここに持って来たことで少し変わるのかなと。
まあ、それがどんな形になろうと大筋には変わりないとは思いますので
どうとでもなると言えばそれまでなんですけどね。
それはそれとして今回ひなちゃんが髪を失敗したと嘆いてましたが
これから先ずっとあんな感じの髪型だったので
私的に今のひなちゃんの髪型のほうがしっくりきますね。
ひなちゃんが思い描いていた大人っぽい感じではないですが
あの髪型が似合っているのは間違いないですし。
まあ、零みたいに極端にモモちゃんが引くほどの反応はしませんが(苦笑)
それにしても私自身予想もしていなかった
前半のもうひとつの家についてですが
なんていうか言葉がないですね・・・。
正直私的にはあの家の大人がもうちょっとどうにか出来たら
もっとましな形に収まっていたんじゃないかと思ってしまいます。
棋士の家で零もまた少し特殊な子供ということで
どう扱っていいのかわからなかったのはわからなくもないんですが・・・。
まあ、それでも今の零は十分に成長していて
川本家という絆もあるのでいいっちゃいいんですが
あの家に暮らしていた子供の頃を思うとちょっと・・・って感じです。
現時点の原作最新話においてもその辺りが解決したとはいえないので
なかなか根が深い問題だとは思うんですけどね。
ともあれこれで第2シリーズが終わり
第3シリーズに続いていくかは今のところ定かではありませんが
私的には続いて欲しいと願っています。
やるとしたら川本家の問題が次のメインとなると思いますが
”あの男”に一体どんな声があてられるのかも気になりますしね(苦笑)
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