2019年8月24日発売のアフタヌーン 2019年10月号に連載されている
ヴィンランド・サガ 164話のネタバレ&感想になります。
第164話 シグルドの反抗
内容ネタバレ
自身の二つ名である鎖を手にしたハーフダンに対し
シグルドもまた自身の鎖を手に向かいあっていた。
おいバカ息子と呼びかけたハーフダンは
この農場には家人奉公人奴隷全てで87人暮らしていること
そして近隣の9つの農場もオレの支配下にあるが
そうしたのはこの島が貧しいからだと語る。
石ころばかりで麦も育たず牧草地も足りず羊の数を増やすことも出来ず
この島に今以上の発展の可能性はなく
だから人と金を束ね軍団を立ち上げ
大陸に対し略奪遠征(ヴァイキング)を行うことで
この島を豊かにするためにだと。
遠征は3度実行されたものの大きな成果はなく
まだ人も金も足りないと語るハーフダンの思いを
シグルドもまた理解していた。
ハーフダンはお前ならきっとオレの跡を継ぎ
アイスランドを豊かな国にするだろうと語り
アイスランドの王になれと告げるが
シグルドの答えは申し訳ありませんという拒絶の言葉だった。
自身の夢を拒絶したシグルドに対し
ハーフダンは・・・そうかと呟くと
育て方を間違えたとシグルドへと襲い掛かり
シグルドも自身の鎖を以て応戦しながら
父上の夢は叶いません!と自身の思いを告げる。
シグルドは大陸で戦ったことで
どれだけ大陸が強いかを理解し
それは戦で解決することではないと。
しかしハーフダンもまた
子供の半分が育たずに亡くなる現状を憂いており
二人の主張は真っ向から衝突。
激しさを増す戦いの中
おーおーやってるわねェとどこか呑気な様子で
姿を見せたのはハーフダンの妻アスレッドだった。
アスレッドは今まで父親に逆らうことがなかったシグルドの成長を喜び
ハトルガルドには鬼の形相にしか見えなかったものの
夫であるハーフダンもまた嬉しそうな顔をしていると語る。
そしてハトルガルドが息子と共に行くことも理解しており
彼女にさびしくなるわと声をかけつつも
孫が生まれたら見せにおいでと笑顔を見せるのだった。
お互いどっちも譲ることなく行われた戦いは
シグルドがハーフダンの鎖を掴み取り
その身体を抑えたことで決着を迎える。
シグルドはこの国は百年以上他国と戦をしていないことに触れ
それに勝る豊かさなどありましょうかと語り
ハーフダンも自らの負けを認めたのか
・・・もういい行っちまえ、テメェの好きにしろと告げるのだった。
お世話になりましたと告げ仲間と共に離れるシグルドの姿を見送りながら
夫の傍へと向かったアスレッドは嬉しそうにそしてどこか寂し気に
強くなったわねあの子も・・・と声をかける。
そんな妻の言葉にハーフダンは
当たり前だ、オレの息子だぞと口元に笑みを浮かべるのだった。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
お互いに思うところがあって
どちらも譲れなかったわけですから
二人が戦うのも仕方ないかなと。
この時代としてはハーフダンの主張こそが当たり前で
シグルドの考えは異端というか甘ちゃんもいいところなんですけどね。
ただ実際に大陸で戦争に参加したことで
シグルドは父の思いこそ理解しつつも
それが何をもたらすことになるのかも理解したのではないかと。
まあ、どう考えてもトルケルみたいな奴がいる
戦士団相手では太刀打ちできないでしょうしね。
それにしてもあの父親に真っ向から反抗するとは
シグやんも成長したなとしみじみ思います。
それだけ大陸での経験が濃かったのだとは思いますが
まさかトルフィンみたいな考えに至るとは・・・。
流石にトルフィン程甘くはないというか
現実を見ている感じではありますが
今の二人だったら思いをある程度共有できるのではないかと。
父親のもとを離れたシグやんが
これからどういう道を行くのかは分かりませんが
あのシグやんがこれっきりというのはまずないと思います。
いずれトルフィンと同じ道を歩んでくれればいいなとも思いますが
流石にすぐというわけにはいかないでしょうね。
ともあれこの作品において彼ほど笑わせ・・・
もとい魅力的なキャラクターもそういないので
彼の今後がどうなるのか楽しみです。