2019年9月9日発売の別冊少年マガジン 2019年10月号に連載されている
アルスラーン戦記 75話のネタバレ&感想になります。
第75章 囮の名は
内容ネタバレ
この五百騎でトゥラーン陣営に夜襲を仕掛ける。
ファランギースの出したこの策は
トゥラーン人がパルス人よりも夜目が効くことを差し引いても
有効であるのは間違いなく今はこれしかないと受け入れられることに。
この策には派手に暴れまわる囮が必要であり
ファランギースが誰かいないかと呼びかけようとしたところ
誰よりも早く役目を買って出たのはクバードだった。
危険な役目なのにも関わらずまるで臆した様子を見せない男(クバード)に
ファランギースはこの男の場合危険の方が尻尾を巻いて退散しそうであり
どこかギーヴと似ていると判断しこの役を任せることに。
クバードも笑みを見せて承ったものの
ここにきても自分の名前を聞かないファランギースに驚くと共に
素性のわからぬ男に重要な役目を任せるとは
豪胆な女性だと笑みを見せるのだった。
一方、ペシャワールへと攻め込んだトゥラーン軍だが
その守りは堅く攻めあぐねていた。
軍議において将の一人であるタルハーンは
城を出てこないのは味方の救援を待っているからであり
奴らを城外へ誘い出すことができぬなら
包囲をやめることも考えねばならないと声を上げる。
それに対しトゥラーン王弟の子息である親王イルテリシュは
パルスが出てこないのであればそれはそれで構わず
軍を転じてシンドゥラを撃とうではないかと。
そこへ割って入ったのはキツネのような目をした将の一人カルルックであり
言外に親王の短慮を咎めた上で私は王都におわす国王のご意思を慮っただけと
一切の反論を口に出せないように仕向けていた。
その上で一義はまずパルス人めに思い知らせることであり
シンドゥラの順番はその次でござると
ペシャワールへと目を向けつつ唇を舌で舐めるのだった。
その日の夜、囮を引き受けたクバードと精鋭の者たちが
トゥラーン陣営へと突撃したことで大きな混乱が起きていた。
そうした中、事態を収拾すべくイルテリシュがその対応に当たるも
相手となるクバードには全く相手にされずバカにされる始末に。
それでも武力自体はそれなりに出来るようで
相手をしたクバードも余裕を見せつつもやるなと内心で認める場面もあったが
クバードの役目はイルテリシュの相手をすることではなく
あくまで囮であったことから決着をつけることなくひらひらと受け流し
その注目を自分に集めるのだった。
一方、その騒ぎはすぐさまペシャワール陣営にも伝わり
ルーシャンが門を開ける準備をするように指示を飛ばす中
闇夜に紛れファランギース達が動き出していた。
しかし敵の一人に気づかれてしまい、
すぐさま始末したものの敵に動きがばれてしまい
ファランギースはまっすぐ門に向かうようにと指示。
西門へ向かう一隊があるとの報告を受けたイルテリシュは
ようやくあの隻眼の男(クバード)が囮であったことに気づき
怒りで歯軋りしていた。
敵は暗闇でも目立つ白い恰好のファランギースを目印に取り囲もうとするが
ファランギースの弓の技量を前に次々と討たれてしまい
それはその様子を見ていたクバードもパルス一の弓の名手とは
かの女性かもしれないと口にするほど圧倒的なものだった。
敵を突破したファランギースの呼びかけに
ペシャワール側もすぐさま開門。
開門した際に敵が何騎か入り込むこともあったものの
ファランギースとクバードによって一蹴されてしまい
ファランギースの部隊の者たちは目的を達したとして
各々闇に紛れ逃走するのだった。
城内に入ったファランギースにルーシャンを含めた城兵達は
互いの無事を喜んでいたがファランギースからあと三日で
アルスラーン殿下率いる全軍が救いに駆けつけるとの宣言があったことで
一気に士気を高揚させるのだった。
そうした中、ファランギースと共に城内に入ったクバードの存在に
面識のあったルーシャンが気づいたことで
より一層盛り上がることに。
その結果ようやくファランギースが自分のことに気づくも
そのファランギースの態度は万騎長にも様々なお人がいるものじゃという
賞賛されるとばかり思っていたクバードの思惑とは違ったようで・・・。
一方、たかが女相手に追い散らされみすみす逃がしてしまったことを知った
イルテリシュはそれでもトゥラーンの武人か!と怒り狂い
このうえは名誉を回復するためにも必ず城を陥し
思い知らせてやらねばならないと憤慨。
しかしタルハーンはいち女性を捕らえることなど
小さなことであると宥め
カルルックもそれに同意する。
しかしカルルックらも今の状況を決して良いものだとは思っておらず
何か打開策はないかと話し合った結果
タルハーンからペシャワール城を放棄して
西方から援軍にやってくるパルス本軍を相手にしてはどうかとの提案が。
正面からパルス軍と野戦するのはどうかという案に
イルテリシュは他の者は知らんが俺は負けぬと告げつつも
問題は国王トクトミシュ陛下がそのやり方を望まれるかどうかであると。
そう言ってこの場を離れたイルテリシュに
カルルックらは親王も功に逸っておられると評しながらも
その捨て台詞にも一理あると考えていた。
その結果、パルス本軍の撃滅は国王のために残しておかなければ
不興を被ることになるとして本軍へはほどほどに
我らは攻城に全力を尽くすことを決めるのだった。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
今回はファランギース率いる部隊が
前回言った言っていたように夜襲を仕掛けるという話でしたが
思っていた以上に上手くいったみたいですね。
結果としてクバードは見事に囮の役を果たし
ファランギースも無事に入城を果たしたわけですから
その役目は見事に果たされたのではないかと。
それにしても今回トゥラーン側の将達が明らかになりましたが
とりあえずイルテリシュはクバードには及ばないものの
それなりの武勇の持ち主みたいですね。
正直、本体にはダリューンもいる以上彼に対しては
ぶっちゃけどうにでもなるような気もしていますが
私的に気になるのはキツネのような目をしたカルルックについて。
ああいう腹に一物も二物ももった人って
一筋縄ではいかないことが多いので
これからちょっと注意が必要なのかなと。
それに今回良いところなしのトゥラーン軍ですが
本気で攻城戦を考えているみたいですし
次回は彼らの強さの一端が見られるのではないかともいます。
まあ、言って見ればお互い本軍ではないので
前哨戦もいいところではありますが
勝つと負けるとじゃその後の士気や展開も変わってくるでしょうし
どちらも負けられないのは間違いないかと。
それはそうとクバードについてですが今までの登場において
個人の武勇はかなりのものであるのは間違いないですが
万騎長としてはどうなんでしょうね?
あの慕われ方を見るに万騎長としても大したものなんでしょうけど
単なる武勇だけで万騎長にはなれないだろうな(多分?)と思いますので
その辺りこの戦いで垣間見られればいいなと。
それと次回アルスラーン達がペシャワールへ戻ってくるかは分かりませんが
アルスラーンに対してクバードがどう対応するのかも含めて
その辺りも楽しみです。
ヒルメスの時と同様になるのか
それともアルスラーンのもとに集うことになるのかは分かりませんが
どちらにしても面白くなるだろうなと。