2020年1月24日発売のアフタヌーン 2020年3月号に連載されている
ヒストリエ 109話のネタバレ&感想になります。
第109話 思い出の断片
内容ネタバレ
紀元前337年秋
マケドニア王フィリッポスと
マケドニア貴族の娘エウリュディケとの婚儀。
その宴において1つの事件が起きたとされる。
伝えられる記述によると
まずエウリュディケの叔父アッタロスが酒に酔い
ある言葉を口にする。
王と新しき王妃との間に
「わが王国の”正嫡”たる男子が授からん事を
共に神々に祈ろうぞ!!」と。
その言葉を聞いた王子アレクサンドロスが
「この私を妾腹だとほざくか!」と激怒し
杯をアッタロスに投げつける。
アッタロスも杯を投げ返し
それを見ていたフィリッポス王が剣を抜き放ち
息子ではなく新婦の叔父の側に加勢、
父子間でかなり深刻な感情対立となった・・・というものである。
ただこの話には少々疑問があり
当時のマケドニア王家は普通に一夫多妻であって
王妃たちに”正妻””側室”の区分けはなく
アッタロスとアレクサンドロスの発言そのものが成り立たず
逸話事態が後代の創作ではないかとする見方が有力になっている。
とはいえこれまで6人の外国出身妻に対し
同国人貴族の妻というのも初めての事・・・。
少なくとも史実として残るのは
エウリュディケとの婚儀をきっかけに
アレクサンドロスとその母オリュンピアスが
フィリッポス王と対立して国外に出奔(もしくは追放)
オリュンピアスは実弟であるエペイロス王の元に身を寄せ
そこにとどまるがアレクサンドロスの方は
ほどなくして父と和解しマケドニアに帰還した・・・という話。
アレクサンドロスはフィリッポスと対立している間
王国の西方・イリュリアの地に滞在していたとされる。
一人になったアレクサンドロスは
もう一人の自分であるヘファイスティオンと話し合っていた。
父上が母上を殺そうとしたとか母上が謀反を起こそうとした等々
色々際どい話題が出ていたがそれを離れた場所から見ていた護衛には
独り言を言っているようにしか見えず困惑していた。
そうした中、アレクサンドロスは昔母上から聞いた
父上との思い出、出会った頃のことを思い出す・・・。
まだフィリッポスが若い頃
二人の国が正式に同盟締結する前の事だった。
一人空を眺めるオリュンピアスの元を
護衛をつけることなく訪れたフィリッポス。
オリュンピアスは不用心だと告げるが
この同盟はもはや”従属”といっても良いものであり
フィリッポスはまるで危機感を覚えていなかった。
そんなフィリッポスにオリュンピアスは語る。
これは宮廷の皆にも知られてしまっている話だが
私はヘビたちが友達であり
その友達の1人がマケドニア王にご挨拶がしたいと。
そしてオリュンピアスの懐から姿を見せたヘビを手に
私がその子のしっぽを持ってムチのようにふると
ちょうど毒牙の先が・・・そう言って
ヘビをムチのようにフィリッポスの顔に叩きつけていた。
突然のことにまともに受けてしまったフィリッポスの顔には
一筋の跡が浮かび上がっており
それを見たオリュンピアスは笑みを浮かべ・・・。
当ブログでは簡易的なあらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は本誌かコミックスでどうぞ!
感想
案の定エウリュディケを娶ったデメリットが
起きているみたいですね。
何かしら問題が起きることは想定内でしたが
まさか父親がやらかすとは・・・。
あくまでも史実で本当のところはどうだったのかは分かりませんが
酒に酔っていたみたいですし本当にああいう感じのことを
言ってもおかしくないだろうなと。
この作品の読者としては
だからエウメネスとさっさとくっついとけばよかったのに・・・
と思わないでもありませんが
父親としては孫が王の座につけるかもしれないという
希望と言うか欲望に流されたんでしょうね・・・。
とまあ、そんな感じで早速問題が発生したわけですが
次回はフィリッポスとオリュンピアスの
結婚する前の話になりそうです。
いきなりやらかしているオリュンピアスですが
そんな二人がどういう感じで一緒になったのかも気になるので
色々面白いものが見れそうですね。
二人の国の力関係なども色々あるみたいですし
そういった観点からも色々知ることが出来ればいいなと。