雑誌掲載最新話 アルスラーン戦記

アルスラーン戦記 漫画最新 105話 ネタバレ&感想 ジムサの運命とザラーヴァントの覚悟

2022年4月8日発売の

別冊少年マガジン 2022年5月号に

連載されている

アルスラーン戦記 105話

ネタバレ&感想になります。

 

第105章 二人の逃亡者

内容ネタバレ

 

キシュワードから

出陣の士気高揚のため

処刑が決まったと

知らされるジムサ。

 

ジムサはそのためにわざわざ

俺を生かしておいたのか?と尋ねるが

キシュワードは連れてきた兵を下がらせ

今回の件について語る。

 

敵ながらおぬしの勇戦は

まことに天晴であった。

 

アルスラーン殿下は

おぬしの武勇をかっておられる。

 

血祭りは殿下の父王

アンドラゴラス陛下のおおせであると。

 

そう語ったキシュワードは

声を潜めて告げる。

 

国王のおおせではあるが

オレも殿下と同じで

おぬしを死なせる気になれぬ。

 

機会をやろう。

重ねて言うが出陣の儀式は明後日だ。

 

それまで城内にいれば

おぬしの運命は国王の命令を

越えることは出来ぬと。

 

そう言い残しキシュワードが去った後

ジムサは改めて自分の

今の境遇について思い返す。

 

主君から裏切り者として追われたが

アルスラーンによって

その命を助けられたことを。

 

そして牢からわずかに見える

空を仰ぎ決意する。

・・・よし生きてやると。


その日の夜、ジムサは

鉄格子を破り牢から脱走し

城内に潜んでいた。

 

しかし敵将であったジムサには

どこに何があるのか分からず

武器一つ調達するのも

難しい状況だった。

 

そんな状況の中

ジムサは何者かが背後から

こちらを見ている事に気づく。

 

武器としては心許ない

鉄格子の棒を手に警戒するが

姿を見せたのは

以前敵として相対した

ザラーヴァントだった。

 

ジムサは王に言われて

俺を捕らえに来たか!?と告げるが

ザラーヴァントは否定した上で

何故自分がここにいるのか語る。

 

たしかに俺はパルス騎士として

国王アンドラゴラス陛下に

お仕えせねばならぬ身だ。

 

だが王太子殿下に対する

なされようを見ていると

どうも得心がいかぬ。

 

考えてみれば俺はもともと

アルスラーン殿下の御前にこそ

馳せ参じた身であり

国王のやり方に抗議する意も含め

今夜城を出て殿下の元へ奔ると。

 

聞けばダリューン卿らに加え

シンドゥラ人のジャスワントも

国王の命にそむき

殿下についていったと言う。

 

いずこの国に生まれようと

心をひとつにして

同じ主君を仰げばよいのだ。

 

シンドゥラ人の件で

そのことが身に沁みてわかった。

 

わかったからには

かのシンドゥラ人にも詫びを入れ

殿下のおんために

戦いたいと思っていると。

 

ザラーヴァントの言葉を聞き

ジムサは俺はアルスラーン王子に

助命してもらったと語る。

 

生きて在るからには

生きる道を選ばなくてはならぬ。

 

その道はどうやら

おぬしと同じ方向のようだと。

 

そう語ったジムサはこの際だ

どうせのこと力を合わせてここから

脱出しようではないかと持ちかけ

ザラーヴァントも受け入れるのだった。


ザラーヴァントの手引きにより

あっさり門から外へ

脱出に成功した二人。

 

追っ手が来る前に

少しでも遠くへと駆けようとするが

城内ではトゥラーン人が逃げた!と

早くも騒ぎになっていた。

 

それに加えザラーヴァントもいないと

バレてしまっているらしく

二人はこのままではマズイと

急ぎ馬を走らせるのだった。

 

ジムサはまだしも

ザラーヴァントも逃げたと知り

キシュワードはため息をついていた。

 

こうなるとアンドラゴラス陛下に

忠誠を尽くそうという者が

はたして幾人おることか・・・

先が思いやられるなと。

 

それでもキシュワード隊の動きは早く

ジムサ達のすぐ近くにまで

追っ手が迫ってきていた。

 

ザラーヴァントはここから先は

しばらく岩場の一本道であり

逃げ切るのは難しいと判断し

ジムサを先に向かわせ

あとで追いつくと殿を買って出る。

 

追いついたキシュワードは

単身岩の上で座っている

ザラーヴァントに声をかける。

 

おぬしはトゥラーン人に

刃をもって脅かされ

このような次第になったのだろう?と。

 

それはザラーヴァントの罪を

少しでも軽くさせるための言葉だったが

ザラーヴァントは真っ向から否定する。

 

ひとたび助命した者を

出陣の血祭りにするなど

騎士道に反すると思うがゆえ

あえてこの道をとったと。

 

そんなザラーヴァントの覚悟に対し

追っ手と共にやってきていた

アンドラゴラスが前に出て告げる。

 

それほどの口をたたくなら

武勇をもって騎士の道とやらを

貫いてみるか。

予と刃を交えるつもりでおるのかと。

 

ザラーヴァントが国王陛下に

向ける刃などないと否定したことで

アンドラゴラスは

トゥラーン人の首を持って来れば

汝の罪を赦してくれようと告げる。

 

しかしザラーヴァントはかの者が

無事に逃げおおせるまで追跡を防ぎ

止めてみせると約束した以上

今さら約束をたがえることは

できないと拒否。

 

その言葉に激昂した

アンドラゴラスは自らの手で

ザラーヴァントを誅するべく

配下の者から槍を受け取り向ける。

 

死なねば面目がたつまい。

国王手ずからパルス騎士の

面目を立ててやると。

 

キシュワードは

アンドラゴラスを宥めようと

言葉を尽くして説得を試みるが

その願いは受け入れらず

次の瞬間槍が放たれていた。

 

槍を受けたザラーヴァントは

岩場から崖下へと落下し

それを見届けたアンドラゴラスは

用は済んだとばかりに

その場を後にするのだった。


あくる日の朝

ジムサはザラーヴァントが

追いついてこないことから

俺を逃がすために

命を落としたのだと考えていた。

 

トゥラーン人たる

自分が重ねてパルス人に

生命を救われるとは

人の運命とはわからぬものだと。

 

せめてあやつの死を俺の口から

アルスラーン王子に伝えねばと

思いながら先へと向かうが

遠くから声が近づいて来ていた。

 

ジムサは追っ手かと思い

剣を抜こうとするが

そこには死んだと思っていた

ザラーヴァントの姿が!?

 

一方ペシャワールへと戻る

アンドラゴラス達だが

先程の所業を見て兵士達は

恐怖に縛られていた。

 

俺達もアルスラーン殿下に

ついていったら

粛清されるのだろうか・・・。

 

やはり国王についていくしかない・・・

地上に国王はただひとりであると。

 

しかしそうした中、

キシュワードは先程粛清された

ザラーヴァントの事を考え

笑みを浮かべていた。

 

存外抜け目のない男だ。

あやつさりげなく

強風の風上に立っておったわと。

 

驚くジムサにザラーヴァントは

何故助かったのか説明する。

 

強風でこちらが風上だったので

槍の勢いを少し減らすことができた。

 

それに加え当たった瞬間に

後ろに飛びすさったこと

崖の下が灌木の茂みであったこと。

 

すべてうまくいったが

あと半歩で死神に襟首を

つかまれるところであったと

鎧の傷を見てぞっとしていた。

 

そんな事を笑いながら話す

ザラーヴァントにジムサは

呆気にとられながらも

笑みを浮かべ言葉をかける。

 

”飢えている時に一頭の羊を”

”分けてもらった恩は”

”一生かかっても返さなくてはならぬ”

トゥラーンに伝わる格言だと。

 

ジムサの言葉に照れ臭そうに

笑みを浮かべたザラーヴァントは

長居は無用であるとして

ジムサと共にアルスラーンの下へと

馬を走らせるのだった。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックスでどうぞ!


感想

 

ジムサが脱獄することは

前回からの流れで予想してましたが

キシュワードも

そのつもりだったようですね。

 

キシュワードとしてみれば

上手くいけばいいなくらいで

最悪逃げきれないで命を落とすのも

覚悟していたような気がします。

 

そんな彼が予想外だったのは

ザラーヴァントが脱獄に手を貸し

一緒に逃げた事でしょうか。

 

なんだかんだで国王に対して

キシュワードは忠誠を

誓っていますからね。

 

ザラーヴァントが逃げたことで

国王の求心力が落ちているのが

明らかになるわけですし。

 

それにしてもアンドラゴラスは

見事に恐怖政治一直線って感じですが

アルスラーンがいる以上

愚策としか言いようがないなと。

 

アルスラーンがいなければ

それしかない以上

恐怖で縛るのもアリだと思いますが

現在はそうじゃないですからね。

 

非情であると言うのは

時として有効であるのは

理解していますが

今のアンドラゴラスには

ちょっと無理がある気がします。

 

恐怖政治が上手くいっていた背景には

アンドラゴラスが戦において

負け知らずだったことが大きく

一度完膚なきまでやられた以上

それに陰りがあるのは間違いないかと。

 

その点アルスラーンは

戦において負け知らずですし

そういう点においても

アンドラゴラスにとっては

厄介な存在なんでしょうね。

 

ともあれザラーヴァントとジムサは

無事城から脱出しましたので

次回にはアルスラーンのもとへ

参陣することになるかと。

 

アルスラーン陣営としても

兵は続々と集まってきているものの

将となる人物が不足していますし

二人の存在はかなり大きいでしょうね。

 

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