2022年8月9日発売の
別冊少年マガジン 2022年9月号に
連載されている
アルスラーン戦記 109話の
ネタバレ&感想になります。
第109章 サハルードの会戦
内容ネタバレ
ルシタニア軍に夜襲をしかけた
イスファーンと兵達を収拾すべく
天幕の外へ出たギスカール。
思わぬ形で敵の大将である
ギスカールと接敵したイスファーンは
その首を狙い仕掛けるが
魔道士の介入により
落馬させられてしまうことに。
それをチャンスと見たギスカールが
イスファーンに斬りかかるも
単純な剣の腕では一歩及ばず
劣勢を強いられていた。
しかしそこへ魔道士が再度介入し
イスファーンは窮地に陥るも
魔道士の存在に気づいたことで
剣を投げ仕留めることに成功する。
魔道士を倒したことで
窮地を脱したものの
剣を失った今の状況でギスカールを
相手にするのは無理だと判断し
兵士達に退却を指示。
そして自身も再び馬に乗り
敵地からの脱出を図る中
作戦前にキシュワードに
言われたことを思い出し・・・。
いいか イスファーン
敵陣に突入したら
しばらくかき回した後逃げ出せ。
興奮して追ってきたルシタニア軍を
適度に速度を調整しながら
引きつけて引きずり回せ。
奴らの陣形を崩すのだ。
そうしてからこの地形に
誘い込み・・・ここで・・・。
そんな策を聞かされた
イスファーンは
流石キシュワード卿だと
素直に感嘆していた。
しかしキシュワードは
この策を立てたのは
俺ではなくナルサスだと語る。
これだけではない。
今回の戦い方はナルサスが
残していった策ばかりだと。
国王陛下と王太子殿下とに
臣下が二分しているとはいえ
王都奪還を願っているのは
我らもナルサスも同じ。
そしてパルスの新しい未来を背負う
おぬしらに活躍して欲しいと願う
気持ちも同じであると。
その上キシュワードは告げる。
夜襲だ、いけるか?
「狼に育てられた者」
(ファルファーデイン)。
そう期待され今回の策を任された
イスファーンは反省していた。
敵陣をかき回してひきつけるのが
俺の役目であったのに・・・
大将と怪しげな黒衣の奴に関わって
あやうく全軍の戦機を
失うところだったと。
それでもうまい事ルシタニア軍を
引きつけることに成功し
追って来る敵から逃げていた。
夜襲をかけられたルシタニア軍は
怒りのままに追撃するが
モンフェラートはそれが
パルス軍の罠であることに気づく。
しかし追撃していった者達は
すでに周囲をパルス軍に囲まれており
逃げる間もなく次々と
討ち取られるのだった。
あくる日の朝、モンフェラートは
ギスカールに被害状況を報告していた。
報告を受けたギスカールは
・・・兵士共には
死戦させねばならぬと告げる。
生命を捨てる気で戦わせろと。
モンフェラートは無論兵士共は
死ぬ気で戦うに相違ござらぬと返すが
ギスカールは督戦隊を作ると言い出す。
もし兵士共が臆病風に吹かれて
逃げ出すような事があれば
督戦隊に命じて斬り殺させる。
味方に殺されるのが嫌なら
兵士共は死に物狂いで
敵と戦うしかあるまいてと。
それを聞いたモンフェラートが
狼狽えながらも言葉を返そうとするが
ギスカールの冷たい目を見て
何も言えなくなっていた。
ギスカールに督戦隊五千の
編成を頼まれたモンフェラートは
かしこまりましたと天幕を出るが
その表情は決して明るいものではなかった。
そして思う。
恐怖によって全軍を
律しようというのか・・・。
軍律を厳しくして虐殺や掠奪を
禁じるのとはわけがちがう。
王弟殿下は兵士たちの
勇気と忠誠心を信じることが
できなくなっておられる・・・と。
一方その頃、戦場へと向かう行軍中
キシュワードはアンドラゴラスから
昨日の作戦見事であったと
言葉をかけられていた。
しかし同時にその策が
ナルサスによるものだということも
気づいていたようで
かの者は自分とルシタニア軍が
共倒れになることを望んでいるだろうと。
キシュワードはナルサス卿がひとえに
王太子殿下への忠誠に励んでいる事から
すなわち国王陛下への忠誠であるとして
何とか宥めようとするが
アンドラゴラスは語る。
アトロパテネの会戦で
予を裏切ったカーラーンめも
己の事を無比の忠臣と
思い込んでいたようだ。
誰にとっての忠臣かな。
忠臣共が寄ってたかってパルスを
押し潰そうとしておるように
予には思えると。
そう語ったアンドラゴラスに対し
キシュワードは何も言えず・・・。
そうこうしている間に
偵察に出ていた兵が戻り
アンドラゴラスに報告する。
ルシタニア軍は総勢二十一万
逃亡者や脱落者が
あとを絶たぬ様子であると。
それを聞いたクバードは
まともに正面から戦えば負けると言い
どこか嬉しそうに呟く。
さて・・・始まりの終わりか・・・
終わりの始まりかと。
”パルス歴三二一年八月六日”
”パルス軍十万対
ルシタニア軍二十一万”
”サハルード平原にて激突す”
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回のラストで顔を合わせた
ギスカールとイスファーンですが
やはりここで決着というわけには
いかないみたいですね。
この状況でギスカールを討ち取れば
間違いなくパルス軍の勝利でしたが
そう楽な戦いにはならないようです。
それにしてもあの魔道士ですが
思いのほかあっさり
やられてしまいましたね・・・。
別にイスファーンが弱い
とはいいませんが
ああも簡単にやられるとは
ちょっと拍子抜けでした。
いつの間にか監視していたらしい
魔道士が未熟者と評していたので
若輩だったんでしょうけど
なんとも残念な感じです。
それはそれとして
ギスカールがかなり
キレてましたね(苦笑)
まあ、兵は頼りにならず
負け続きなわけですから
ああなるのもわからなくはないなと。
それにしても督戦隊とは
随分と覚悟を決めたものです。
それだけ今の状況を
危惧しているんだとは思いますが
それをやっちゃうと兵士からの信頼は
間違いなく下がるだろうなと。
仕方ない部分もありますし
そうしなければ勝てないのも
わからなくはないんですけどね・・・。
なんにしても次回は
パルス軍十万対
ルシタニア軍二十一万という
かなりアツイ戦いになりそうです。
単純な兵力では倍近くありますので
ルシタニアが有利だとは思いますが
兵の士気・練度はパルス軍のほうが
明らかに上だと思いますので
かなり面白い戦いになるかと。
さらにそこへアルスラーン陣営が
参戦するのかそうでないのかも
明言されていませんので
どうなるのか気になる所ですね。