魔法使いの嫁 雑誌掲載最新話

魔法使いの嫁 最新 87話 ネタバレ&感想 リズべズの妄執

2022年6月3日発売の

コミックガーデン 2022年7月号で

連載されている魔法使いの嫁 87話

ネタバレ&感想になります。

 

第87篇 Once bitten,twice shy.Ⅱ

内容ネタバレ

 

この者たちに仕事を渡してあります。

ついていってきちんと見てきなさい。

 

そうリズベズに言われ

幼いフィロメラは獣人について行き

あの凄惨な現場を目にした。

 

その惨状に震えながらも

フィロメラは”葬言葉”を言わなきゃと

亡骸の傍らで口にする。

 

ひとをころした時

——魂までも傷つけないように・・・と。

 

それからフィロメラは

優しい言葉など一切かけられぬ

厳しい日々を送っていた。

 

そんなある日リズベズから

フィロメラ、お前に贈り物だと

一冊の魔術書を渡される。

 

リズベズは告げる。

この本を使って多くの人間から

魔力を集める手助けをしてくれたなら

アダム・・・あなたの父と母を

蘇らせることができると。

 

その言葉を聞きフィロメラは

それが真実なのかどうなのかも

判断できずただ下を向き

目を合わせずにいた。

 

そんなフィロメラに

リズベズはあなたならできると

優し気に語り掛ける。

 

厳しいことも言ってきたけど

あなたのためを思ってのこと。

 

あなたはいい子だった、それに優秀

”あなたならやってくれるでしょう?”と。


知られたくなかった真実を

皆に見られてしまったフィロメラ。

 

過去を映し出したライトを破壊するも

ルーシーに肩を掴まれてしまい

問い詰められる。

 

あんたがどうしてあの本を使って

こんなことをしたのかはわかった。

 

じゃあ あたしたちの蜘蛛を

なにに使ったの。

 

どうしてうちのみんな

死ななきゃいけなかったの。

 

あんたは学院に入って

どんな面してあたしと

同じ教室に——いたのよと。

 

フィロメラはしらかったと話すが

ルーシーがそれを信じるはずもなく

そんなわけないでしょ!と

問い詰められ叫ぶ。

 

そんなのわたしに知る

”けんり”なんてなかった!

 

うわさをはじめて聞いて

あの時のことだって

あたまの中でつながって

 

——だけどそれでわたしに

なにができたの

あなたに言えばよかった?

 

あの時あそこにいたんだって

止められなくてごめんねって

あやまればよかったの

 

——そんなこと

できるわけなかった!!

 

——なにができたかおしえてよ

あの時のわたしに——と。

 

その言葉を聞き

言葉を返したのはアイザックだった。

 

アイザックは語る。

・・・それはだれにも

こたえは言えないよ。

 

どんなこともどうとでも

言えちゃうんだ あとでなら。

 

みんな・・・だれの過去も

たすけられないのだと。

 

その上でアイザックは言う。

でも——「今」のきみは

言っていいんだと。

 

したいことされたくないこと

だれかにしてもらいたいことを。

 

そしたら君をたすけたいだれかが

きみに手をかせるんだ。と

 

フィロメラはそんなひといない!と

アイザックの手を振り払うが

チセはそんな彼女に語り掛ける。

 

たとえいなくても

・・・叫んでほしいんだ。

 

うるさいって言われても

どうにかなりたいなら。

 

・・・ほんとは叫ばなくたって

泣かなくたって

たすけがきたらいいっておもう。

 

・・・だけど世界は

そんなふうにできてない。

 

敵も味方もごちゃまぜの中で

これが欲しいって

叫ぶしかないのだと。

 

その言葉を茫然した様子で

聞くフィロメラに

ルーシーは問いかける。

 

あんたはなにが欲しいの。

・・・どうしたいのよと。

 

ルーシーの問いかけに対し

フィロメラがたす——と

望みを口にしようとした瞬間

フィロメラの背後に魔術書の意志なのか

変貌したフィロメラが姿を見せる。

 

そして「——本当にそれでいいの?」と

幼いフィロメラが問いかけられた瞬間

チセ達は変貌した樹から

産み落とされるように

現実の世界へと戻されていた。

 

唯一意識があったチセは

朦朧としながらもどこかへと向かう

フィロメラらしき女性の

後ろ姿を目にするが・・・。


一方その頃、アルキュオネの首を

掴み上げていたエリアスは

”やるよ”と告げ魔法を行使していた。

 

どうやらそれはアルキュオネが

エリアスに頼んで

してもらっているらしく

アルキュオネの中で

パキンという何かが破壊される音が。

 

エリアスの魔法を受け

アルキュオネは

意識が透明になったような

感覚を覚えると共に悔やんでいた。

 

あれ(リズベズ)の術のせいで

——私はフィロメラ様を守れなかったと。

 

アルキュオネは自分が真実

”なんのため”にあるのかを

思い出していた。

 

しかし身体はすでに

限界を迎えているのかふらつき

エリアスにもたれかかってしまう位に

消耗していた。

 

そんな彼女に対しエリアスは思う。

取るに足らないものなら

どうしてこれは壊されなかった?

 

記憶を奪っただけで・・・

子供の世話係が必要だった?

それとも・・・。

 

そんな考え事をしていたエリアスに

アルキュオネは願いを口にする。

 

お願いです 私と同じ・・・

——いいえ魔法使い

私をあれのところまでと。

 

その頃リズベズは地下で

儀式の準備に取り掛かっていた。

 

自ら儀式に必要な魔法陣を描きながら

ようやく願いが叶えられると

息子の事を思い出す。

 

アダムはようやく産んだ子だった。

中々子宝に恵まれずリズベズは

当主としての器も実力もありながら

できそこないだと陰口を叩かれていた。

 

そして夫も血筋だけが良く

リズベズに対し愛情ひとつ

持ち合わせない碌でもない男だった。

 

父は後継に私を選んだ。

兄や弟は一様に臆病で馬鹿だった。

妹は他家に嫁いだ。

 

私はこの家の誰より優秀で

リッケンバッカーという大家に

仕えることにも不満などなく

先祖と同じ道を歩むことを

誇りに思った。

 

そんなある日 主から言われた。

リズベズお前もそろそろ

養子をとるべきじゃないかと。

 

お前の歳ではもうすでに子は難しい。

今時直系にこだわる

必要などないだろう、素質があれば。

 

お前は優秀だ。

——その後継が必要だろうがと。

 

生まれて初めて

主への返事を躊躇した。

 

血を分けた子が

欲しかったわけではないと思う。

 

けれど私が産めなければ

周りは私を認めない——劣っていると。

孕まない胎に欠陥があると。

 

私は劣ってなどいない

できそこないなどである

わけがない——・・・。


その後息子が産まれ

夫は突然命を落とした。

あんな汚点私には不要だと。

 

息子にはアダムと名付けた。

息子は乳母が育てたが

いつのまにか私のあとを

ついてくるようになった。

 

リズベズは息子を見て思う。

こんなにもちいさく

無力な存在であるのかと思うと

無性にかわいらしくて

ひどく気持ち悪かった。

 

無力な存在は私の教える通り

育っていった。

 

あの”練習台”は強い精神を

持っているので

もったいないからしばらく

長期的な実験に使うと言われても

気にも留めなかった。

 

お前はいつまであの娘を

飼っているつもり?

練習台だと言ったはずだと。

 

そう言われた息子は

今の実験は長くかかりそうなんだ。

終わったらそうするよと

笑顔でその言葉を受け入れていた。

 

いつだって言うことを聞いた息子で

——気にも留めなかった。

 

そしてある日リズベズの元へ

アダムから使い鳥が届く。

 

アダムは告げる。

俺は出て行くよと。

 

この家はあなたも俺も全員異常で

それに耐えきれなくなっただけだと。

 

大概にしなさい!と

声を荒げるリズベズだが

アダムは笑う。

 

忙しさにかまけて

一人息子がいつからいないのかも

覚えていないのかい?と。

 

その上で母さんは

いつもそうだったなと語り始める。

 

自分の息子って言えば

俺が従うって思ってる。

お人形みたいに。

 

それでいて気にも留めない。

・・・昔はそれが恐かったけど

今ならわかるよ。

 

あんたにとって俺は

獲得済みのトロフィーで

人生を彩る実績だったんだろうと。


探した。

私の子を仕事の合間を縫っては

延々探した。

あれは私のものだ 私の——。

 

塵も残らなかった。

向かわせていた班の者によると

自らを撃った後

塩の柱のように

崩れ落ちてしまったと。

 

私の息子が残した子は

あれとよく似た顔をして

けれど見慣れない色をしていた。

 

かつて見た我が子よりも

なお無力そうで

柔らかそうなからだや清潔な服は

大事にされていたのだと

よくわかり”憎かった”。

 

全てが息子よりも劣って見えた。

同じ顔 頼りない手足

おどおどした声 同じまなざし。

 

こんなにも似てるのに

だから同じように接しているはずなのに

違うところばかり目について

私が欲しいのはあれじゃないと。

 

そんなある日

これはあなたにこそふさわしいと

ある魔術書を渡される。

 

その者は笑いながら言った。

すべてなかったことに

してしまいましょうねと。

 

今日私の子が帰ってくる。

吸い上げ集めた魔力を贄として

描かれた神性を呼び出して

”成立”すればなにもかも元通りになる。

 

——そのためにはお前が必要だと

姿を見せたフィロメラに目を向け

嗤いながら告げるのだった。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックス、

MAGCOMIでどうぞ!


感想

 

今回はフィロメラの過去から続き

リズベズ視点での回想でしたが

なんともやりきれないものがありますね。

 

まずフィロメラの方からですが

ルーシーの過去で見た

あのフードの子はやっぱり

フィロメラだったようです。

 

これについては予想してましたので

驚きはしませんでしたが

あんな子供をあの現場に

つれていかせるとか

マジでないわ・・・という感じ。

 

ルーシーの立場とすれば

フィロメラに恨みをぶつけたいのは

よくわかるんですが

責めてもどうしようもないな

というのが正直なところです。

 

あくまでも悪いのは

子供だったフィロメラではなく

指示したリズベズなわけですし。

 

そしてリズベズの回想というか

過去についてですが

多少同情する面もあるにせよ

結局自業自得なのかなと。

 

ああいう家で育って

碌な大人や親子がいないことも

大きいとは思いますが

息子が出て行った原因が

リズベズにあるのも

間違いないですしね。

 

まあ、客観的に見てアダムも

もうちょっとやり方を考えた方が

良いとは思いますが

それが難しかった背景もあるので

こうなるのも仕方なかったのかなと。

 

そしてエリアスと

アルキュオネについてですが

てっきりエリアスが首を

へし折ってしまったのだとばかり。

 

実際にはリズベズにかけられた魔術を

破壊するためにああしたんでしょうけど

なんというか紛らわしいなと。

 

なんにしてもかけられた魔術は

無事に破壊されたみたいですので

アルキュオネの存在というか

アダムから託された事(物?)が

これからの展開に大きく

関わってくるのは間違いないでしょうね。

 

どういう流れになろうとも

リズベズはその報いを受けるでしょうけど

フィロメラだけでもなんとか

助かってほしいものです。

 

彼女がしてしまったことも

決して褒められることではないですが

結果として誰も亡くなっていない以上

命を落とす程の罰が

必要であるとは思えませんし。

 

なにより彼女の存在は

チセにとっても大きな存在に

なってくれるというか

なって欲しいと思いますしね。

 

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