魔法使いの嫁 雑誌掲載最新話

魔法使いの嫁 最新 88話 ネタバレ&感想 フィロメラの望み

2022年7月5日発売の

コミックガーデン 2022年8月号で

連載されている魔法使いの嫁 88話

ネタバレ&感想になります。

 

第88篇 Give a thief enough rope and he`ll hang himself.Ⅰ

内容ネタバレ

 

ゾーイが起きない事を確認した

ザッケローニは俺は俺で仕事するかと

独自の動きを見せ始める。

 

どうやらカルナマゴスの遺言を

利用しようとしているらしく

自身の魔術書を使い

その場所を特定しようとしていた。

 

しかし次の瞬間

子供の獣人と思しき襲撃者が

ザッケローニへと襲い掛かり!?


一方その頃、現世に戻り

意識を取り戻したチセ達は

現状について話し合っていた。

 

事態がまだ飲み込めないルーシー達に

チセは今分かっている事を説明する。

 

あの姿のフィロメラが

周りの魔力を吸い取っていたことから

それが暴走して体ごと私たちは

”吸収”さればらばらにされた。

 

でも私たちは”かけら”を集められた。

私たちが私たちとして

在るためのかけら・・・。

 

だからこうして戻った。

樹が実をつけるみたいにと。

 

説明を受けたルーシー達はイマイチ

要領をえない様子だったが

チセから私はフィロメラを

探しに行くと言われ

迷うことなく決断していた。

 

ルーシーはまだあいつの口から

聞きたいことを聞いていないと言い

アイザックは・・・そうだね

さっきは邪魔されちゃったからなと

笑みを浮かべていた。

 

その答えを聞いたチセは

嬉しそうに笑みを浮かべ

じゃあ今度こそ聞きにいこうと

二人と共にフィロメラを探しに

向かうのだった。


お前が必要よ フィロメラ。

今日私の息子がお前の父が

かえってくる。

 

——お前の集めた魔力で

お前に流れるその血で

あの子がかえってくる。

 

——お前の母親だって

とりもどしてやれるのよ。

 

さあ準備ができたの

おいでフィロメラ。

 

そう話しこちらへと

手を伸ばすリズベズ。

 

フィロメラはその手をとらんと

手を伸ばした瞬間

魔術書の声なのか

それとも自分自身の声なのか

内なる声が語り掛ける。

 

そうそれでいい。

抗うなんて疑うなんて

しなくていい。

言われたことだけやって。

 

——だってこれ以上失望なんて

したくはないでしょう?と。

 

チセ達と同じように

樹から現世に戻ったフィロメラだが

その姿は指以外元に戻っていた。

 

傍らで意識を喪っている

チセに手を伸ばそうとした瞬間

内なる声が語り掛けてきた。

 

——本当にそれでいいの?

こいつらの手を取ったとして

おばあさまのほうが上手だったら?

 

こいつらが裏切ったら?

学院に連れて帰られて

お父様にもお母様にも逢えないで

もっともっとひどい目にあうかもね。

 

——本当に信じていいの?

その声を聞いたフィロメラは

伸ばしかけた手を引いていた。

 

そして近くにあったマントを手に

立ち上がったところで

ルツに行っちまうのかと

声をかけられる。

 

その声を拒否するかのように

焦った様子でここから離れようとする

フィロメラにルツは告げる。

 

——俺はお前のこと

どうでもいいけどな。

そっちはしんどいと思うぜと。


リズベズの元へ向かう途中

フィロメラの脳裏には

たくさんの事が思い浮かんでいた。

 

ヴェロニカのこと、リズベズのこと

チセのこと、リアンのこと

そしてルーシーのこと。

 

皆から言われたことを思い出しながら

フィロメラは思う。

 

私なんかに自由なんてない。

どうしてお父さまやお母さまのことを

憶えていないのか考えたくなかった。

 

でもきっと知っていた、

それは要らないものだとされたんだと。

 

意志だっていらなくて

何をやっても意味なんてなくて

許されている事なんてなにもなくて。

 

でも——でも でも?

それは——それは

本当に”そう”なんだろうかと。

 

伸ばしかけた手を引きフィロメラは

リズベズに問いかける。

 

本当に”私の知る”

・・・お父さまとお母さまを

戻してくれるのですかと。

 

リズベズは——”そう”よ

そのためにお前の存在が

必要なのよと語る。

 

私だけでは足りない・・・

お前がいれば”完成”すると。

 

その言葉を聞きフィロメラは

フィロメラはどうしたかった?

そうチセから言われた言葉を思い出し

一歩後ろに下がっていた。

 

しかしその瞬間リズベズからの

指示を受けた”門番”が

抵抗する間もなく

フィロメラの身体を捕らえていた。

 

リズベズは告げる。

お前が迷おうがどうしようが

どちらでも構わないのだと。

 

あの子が存在したという証拠がいる。

私だけでは足りない。

 

あの子を呼びここに縛る

”かすがい”—「贄」は

あの子の娘であるお前が要るのだと。

 

自分が「贄」であることを

聞かされ絶句するフィロメラに

リズベズはさらに言葉を続ける。

 

お前はいい子だった。

——きちんと言いつけを守った。

 

大勢から魔力を奪うことにだけ

集中したのね。

他の頁は読まなかった。

 

——集めた魔力を私がどう使うのか

知ろうともしなかった。

 

お前は素直に——

愚鈍なほどにやり遂げた。

本当にいい子ねと。


そう笑みを浮かべ告げたリズベズは

魔法陣の中心へフィロメラを置き

詠唱を開始する。

 

”今ここに主を呼ぶものがある”

”主に身を捧げるものがある”

”塵を踏み歩むもの”

”悍ましき時に追われ”

”ここに嘆くものがある”

”時の空隙に漂う時の主よ”

”今ここに主を呼ぶものがある”

 

「贄」となり体中がひび割れ始める中

フィロメラは思う。

 

無駄だった なにもかも。

自分が死ぬために

今までやってきたんだ・・・私は。

 

お父さまの記憶もお母さまの温度も

なにもかも忘れて——奪われて。

 

血が繋がるただひとりだと

いうひとに愛されたくて

認められたかっただけなのに。

 

期待して失望して

諦めて服従して

——またどこかで期待してて。

 

でもだめだった。

最初からそんな権利なかったんだ。

 

そして意識が消えようとする中

チセから言われた言葉を思い出す。

 

いきたい?いきたくない?

わかるまで手伝うよ。

 

・・・ほんとは叫ばなくたって

泣かなくたって

たすけがきたらいいっておもう。

 

・・・だけど世界は

そんなふうにできてない。

 

敵も味方もごちゃまぜの中で

これが欲しいって

叫ぶしかないのだと。

 

そんな彼女の言葉を思い出した

次の瞬間フィロメラは

自分の名を呼び助けにきた

チセの姿を目の当たりにしていた。

 

チセ以外にもエリアスや

アルキュオネの姿もあり

リズベズはすぐさま門番に

足止めをするように指示。

 

チセから少し遅れて

部屋に入ってきたアイザック達が

門番に襲われかけるも

前もって備えていた

エリアスとルツによって返り討ちに。

 

それを見たチセは安堵しつつも

フィロメラを助けるのと

あれをどうにかするのとなら

——どっちが先?と

これからどう動くべきか考えていた。

 

リズベズは止めようとて

すでに”対価”は払われたと語る。

 

私の意志を聞き届ける”者”が

顕われるまで陣は止まらないと。

 

チセは魔法陣の中にいる

フィロメラに語り掛ける。

 

——あなたがそれを望んでいるなら

納得してるんなら私たちは

それを止められない。

フィロメラは”どうなりたい”?

 

そんなチセの言葉に被せるように

ルーシーも言葉をかける。

 

いいからさっさと

さっきの続きを言いなさい!と。

 

アイザックも僕らは

そのために来たのだと。

 

そんな彼らの呼びかけに

フィロメラはようやく

”——たすけて”と自らの望みを

口にするのだった。


助けを求めるフィロメラに対し

チセは手を伸ばすが

寸前でエリアスに止められていた。

 

何故止められたのか分からず

不満の声を上げるチセに

エリアスは宥めるように声をかける。

 

そんな簡単に触れるものじゃない。

あれはなにもかもを「吸う」

準備段階みたいだけど

さすがの君も日干しだと。

 

そうした中、ルーシーは

チセが以前魔法で

パズルを解いた事を思い出し

その事を伝える。

 

チセはあれはただの鍵開けだと話すが

ルーシーは違った。

 

今回だってできるかもしれない

できなかったらまた考えるのだと。

 

その言葉を聞きチセは

何か思いついたようで

アイザックに問いかける。

 

リアンに渡したような道具って

私も使えるのかと。

 

アイザックは何が欲しいか

思い浮かべて!と伝え鍵を渡し

チセは杖じゃ「足りない」と

より壊すのに最適な武具を手にする。

 

そしてエリアスから

やっておいでと許可を得たチセは

アイザックの武具を手に魔法を唱える。

 

”お前は錆び錠”

”棺の錠”

”私はお前の鉄の杭”

”冥府の獣の吠え声で”

”お前は燃え落ち野に朽ちて”

”私は棺に手をかける”

 

武具が振り下ろされると同時に

発動した魔法はその一撃を以て

魔法陣を破壊していた。

 

その事にリズベズが驚愕する中

チセはフィロメラを起こし

待たせてごめんねと声をかける。

 

フィロメラはチセやルーシー、

アイザックの姿を見て思う。

 

私(かけら)を一緒に拾い

集めてくれたひとたちだと。

 

その事に気づいたフィロメラは

チセに語り掛ける。

 

・・・チセ

私——ずっと誰かに

私を助けてほしかったのねと。

 

当ブログでは簡易的な

あらすじとしてありますので

より詳しく知りたい方は

本誌かコミックス、

MAGCOMIでどうぞ!


感想

 

かなり冗長になってしまった

今回のあらすじですが

とりあえずギリギリのところで

間にあったのかなと。

 

正直フィロメラの身体が

元に戻るかどうかは

定かではありませんが

最悪の一歩手前で

踏みとどまった感じでしょうか。

 

今の状況がどういったものかは

何とも言えないですが

出来る事なら助かってほしいものです。

 

それはそれとして今回から

タイトルが変わってましたね。

 

今回のタイトルは

Give a thief enough rope

and he`ll hang himself

 

調べたところ海外のことわざで

勝手にさせておけば

泥棒は自然に身を滅ぼす

といったもののようです。

 

意味としては簡単に言ってしまえば

”自らの行いで身を滅ぼす”という

決して良い意味では使われない

言葉のようです。

 

それがフィロメラを指しているのか

それともリズベズを指しているのかは

何とも言えませんが・・・。

 

ともあれそんな感じのタイトルですので

結末もそれに近い形になるかと。

 

他にもザッケローニが暗躍し始めて

獣人の子らしき襲撃者に襲われたりと

色々気になる部分はありますが

それについては次回あたりに

明らかになるだろうと思います。

 

予想としてはあの獣人の子が

あの獣人夫婦の子なんじゃないかと

思ってますが・・・。

 

ともあれ長く続いたシリーズも

そろそろ終わりを

迎えることになりそうです。

 

事件の背景もまだ謎が多いとはいえ

かなり分かってきましたからね。

 

結末としてハッピーエンドに

なるのかどうかは

正直なんとも言えませんが

出来る事ならフィロメラだけでも

助かってほしいと願うばかりです。

 

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