2025年2月7日発売の
別冊少年マガジン 3月号に連載されている
アルスラーン戦記 136話の
ネタバレ&感想になります。
第136章 不退の騎士
内容ネタバレ
エステルの高潔な精神を目の当たりにし
蛇王の恐怖から脱したルシタニアの騎士は
王都の民を守るため怪物たちと戦っていた。
取り乱す民たちに対しルシタニアの騎士は
屋内に入りかたく扉を閉めろ!と呼びかけるが
ルシタニアの言葉がわからない民たちは
まだいたのかと不信な目を向ける。
そうした中、パルス語を話せるエステルが
彼の代わりに皆に呼びかける。
どこでもいい!建物に入れ!
窓も扉も閉めて中からしっかり押さえて!
奴ら力づくで中に入ってくるぞ!と。
その言葉を聞いてもなお
落ちた食べ物をかき集める者もいたが
エステルは告げる。
ルシタニア兵にするような命乞いや賄賂は
やつらには全く通じないのだぞ!と。
それを聞いてようやく民たちは
自分が置かれている状況を理解したのか
慌てふためいて建物に入っていき
ルシタニアの騎士は感嘆していた。
その上でエステルに今 何と言って
民を誘導したのか尋ねるが
エステルは騎士様に言うのは
はばかられる心が痛い叱責にございますと
その内容を口にすることはなかった。
民たちが建物に入った後
エステル達は他の民を助けるべく
別の場所へと馬を走らせる。
その最中、エステルはそういえば
騎士様のお名前をうかがっておりませんと
改めて名を尋ねるとルシタニアの騎士は名乗る。
俺の名はドン・リカルド。
あらためてよろしくたのむぞエステルと。
一方その頃、トゥースの窮地を救った
ザラーヴァントはハイルに訊ねる。
あの空飛ぶ猿どもはお仲間のようでござるが
いったい何ものでありますか?と。
その問いに対しハイルが
蛇王様の従者だと答えたことで
パルスの者達は騒然。
それはザラーヴァントも同様だったが
・・・デマヴァント山に封じられているはずでは?
と冷や汗をかきつつも
再び訊ねたところハイルは語る。
封印の宝剣ルクナバードを持ち出した
不心得者がおったようでな。
この身体も蛇王様よりいただいた。
血も出ぬ 痛みも感じぬ。
この身体があればまだまだ
まだまだ俺は戦える!と。
それを聞いたトゥースは
蛇王に心まで降ったと申されるか!
パルスの万騎長ともあろうお方が!と声を上げ
ザラーヴァントも口を開く。
何の罪も無い子どもまでもが襲われております。
今すぐこの猿どもを引っ込めていただきたいと。
しかしハイルは操っているのは俺ではないと言い
パルスの民を守る気はないのですか!と
非難されても悪びれることなく告げる。
言ったはずだぞ 血も出ぬ痛みも感じぬと。
ゆえに人の痛みもわからなくなってしまったと。
その言葉を最後に怪物たちは動きを再開し
ハイルもまたザラーヴァントへと襲い掛かる。
盾を犠牲に辛くも攻撃を防いだ
ザラーヴァントはジムサに猿の相手を任せ
自らハイルと相対する。
しかし驚異的な動きを見せるハイルを相手に
防戦一方の状態になってしまう。
それでも爪先を剣で地に縫い付けることに
成功したものの顔に深い傷を負ってしまうことに。
ハイルは爪先を貫かれた程度で
この身体は・・・と口にした瞬間
トゥースの分銅がその身を貫き!?
しかしそれでも今のハイルには
致命傷ではなかったようで
トゥースは鎖ごと投げ飛ばされ
壁に叩きつけられてしまっていた。
その身を貫かれてもなお
倒れることなく立ち続けるハイルの姿に
パルス兵たちが恐怖する中
ハイルは声をあげる。
まだ俺は戦える。
この身体があれば戦い続けてしまう!
殺してくれと。
血の涙を流しながら懇願するハイルだが
次の瞬間背後から忍び寄っていた
ザラーヴァントによって上半身を斬られていた。
斬られた衝撃で地を転がったハイルは
ようやく解放されたのか笑っていた。
ふ・・・ははは 土の味だと。
その言葉を最期にハイルは沈黙し
戦い終えたザラーヴァントは
改めてジムサに後方支援助かったと礼を述べる。
ジムサはアトロパテネの殿に比べれば
猿の群れなどどうということもないと返すが
ハイルと剣を交えてみたかったと零す。
それを聞いたザラーヴァントは
強い者と戦いたいのか?と尋ねるが
ジムサにとって重要なのは
倒すことによって得られる褒美だったようで
ザラーヴァントは憤っていた。
しかしジムサにとっては
暖簾に腕押しもいいところで
品では飯は食えぬと言われ
これだからトゥーラン人は・・・と零しつつ
ハイルの首を前に膝をつき口を開く。
ペシャワールの戦いで
おぬしの毒矢をくらい死にかけただろう?
遠退く意識の中でこのまま死ぬのか・・・と
絶望に陥った時に思ったのだ。
神でも魔でもよい。
俺を生かしてくれ まだ戦いたい・・・と。
悪しきものに願ってしまったんだよ俺は。
こうなっていたのは俺だったかもしれん。と。
ジムサはそんな彼に声をかける。
・・・そうなってしまったおぬしとは
戦いたくないぞ俺はと。
ただザラーヴァントがそうなった俺の首に
莫大な報奨金がかけられたとしたら?と聞かれ
即座に全力でいくと答えていた。
変わらないジムサに笑ってしまいながらも
ザラーヴァントはトゥースの元へ。
死にそうだと血を吹きつつも
大丈夫そうなその姿を見て安心した
ザラーヴァントはおぬしに今死なれては
困る者がたくさんおると笑いながら
起こすため手を差し伸べる。
するとトゥースは笑みを浮かべながら
郷里の妻たちを未亡人にせずに済んだと
その手を取るがその言葉を聞き
ザラーヴァントとジムサは固まる。
どうやらトゥースに妻がいることすら
全く知らなかったようで
さらに三人いると聞いたことで
目を見開いていた。
死んだ戦友の娘三人を妻に迎えたらしいが
ザラーヴァントは羨ましいのかその手を離し
支えを失ったトゥースはよくわからないままに
再び壁に頭を打ち付けるのだった。
一方その頃、サームは眼前に姿を見せた
ガルシャースフと対峙していた。
いや・・・ガルシャースフは
エクバターナ陥落時に死んだはず・・・!
さては偽物か!?
そう零すサームに対し
ガルシャースフは怒りを露に告げる。
サーム。貴様が俺を偽物と謗るか。
エクバターナの守護に失敗し
偽の王に仕えるサームよ。
おのれの罪を清算せよ!と。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ようやくハイルとの決着がつきましたが
蛇王の力とはいえ強かったですね・・・。
流石にザラーヴァントとトゥース
二人がかりには及びませんでしたが
間違いなく生前よりも強くなっているかと。
同じく蘇ったマヌーチェルフを相手に
キシュワードは一対一で勝ちましたが
それでもかなり負傷してましたしね。
ダリューンと並んでこの作品における
最強格の一人が苦戦を強いられているわけですから
二人がかりとはいえ大したものだと思います。
彼らが相手にしたのと同格の敵に対して
サームは単身挑まなければならないわけですが
正直勝ち目は薄い気がします。
別にサームが弱いというわけではなく
彼の売りって武力よりも知力よりな気がしますし。
ただ今のところは単身だとしても
城の中で戦う以上
アルスラーン側からかはわかりませんが
誰かしら助けに来そうな気がします。
というか来ないとマジで
負ける気がしますし・・・。
ともあれ蘇った者達との戦いは
まだまだ続くと思いますので
各将たちがどう奮闘するのか楽しみです。
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