2025年4月10日発売の
週刊ヤングジャンプ 19号に掲載されている
キングダム 第832話の
ネタバレ&感想になります。
第832話 東砂の激戦
内容ネタバレ
もう後がない韓王都・新鄭に
もたらされた洛亜完軍大敗の知らせに
皆が騒然となっていた。
事態を飲み込めず収拾がつかなくなる中
宰相である張は伝令に
大敗とはどの程度かと声をかける。
伝令は問われるままに答える。
兵は、は・・・半数近く失い
将校も多数討たれております。
洛亜完将軍はご無事ですが
やはり初日に受けた傷が相当に深く・・・
と・・・とにかく我が軍にはもはや
第三戦以降を戦う戦力は残っておらず
現在ここ新鄭に向けて退却しているところですと。
それを聞いた寧公主は絶句し
張は冷や汗をかきながら零す。
一体・・・東砂で何が起こったのだ・・・と。
東砂平原では韓軍は
第一戦とは全く異なる布陣で臨んだ。
将軍眉景と沛曇を前に置き
博王谷軍の兵はその両軍に振り分け ぶ厚くした。
洛亜完は後ろに在り
秦軍が嫌がる長期戦に持ち込む構えであった。
一方騰軍は初日とほぼ変わらぬ配置であったが
飛信隊は意外な配置を取った。
李信隊よりも前に布陣した羌瘣に
貂はどういうこと!?と訊ねるが
羌瘣は大丈夫大丈夫と笑って答える。
少し元気な羌瘣隊が先にやるだけ
その後よろしく
結局信達の方が決め手は強いでしょと。
信と貂への説明を済ませ
前線に出た羌瘣と礼。
礼は敵軍の様子を見て、昨日の負けから
全く立ち直っていないことに気づき
羌瘣も同様だった。
さらに羌瘣は自軍を見て
もっと開始から全開で行きたいなと思っており
ふと南陳が言っていたことを思い出し目を向ける。
あーなるほど 南陳が言ってた
象徴となるような目立つ甲冑は
こういう時に役に立つのかと。
羌瘣が見ていることに気づいた南陳は
呼んでもいないのにお呼びですか!と
羌瘣のもとに飛んできたことから
呼んではないけど。あ、じゃあ旗貸してと頼むことに。
旗をマントのように翻した羌瘣は
それが見えるように隊の前に出る。
皆が羌瘣に注目したところで
彼らに笑みを向けた瞬間
隊の士気はこれまでにない程上昇。
その勢いのまま、羌瘣は
皆に突撃の命を下す。
それはここ数年の中華の戦場で
最も士気が爆発した突撃であった。
両軍の兵の士気の差はそのまま力の差となり
羌瘣隊の突撃は敵を圧倒し
沛曇軍の第一陣を早々に粉砕した。
騰軍と眉景軍との戦いもやはり
初戦の勝敗による勢いの差のままに
騰軍が押す形で始まった。
しかし羌瘣隊ほど派手な攻勢
ではなかったのには理由がある。
騰軍は初日で働いた主力を温存し
新兵達を主体に前に出したのであった。
南陽で半年厳しい練兵をこなした新兵達は
初陣では実戦の恐怖に怖じ気づいたが
二日目の東砂ではその力を発揮し出した。
新兵達の先陣が韓軍を押し込んだのは
後半に勝負をかける狙いの騰にとっては
上々の滑り出しであった。
そして隣の戦場では羌瘣隊が
スタートダッシュそのままに暴威をふるい
沛曇軍の第二陣まで半壊させ
そしてさすがにそこで息が上がり
完全に足が止まった。
ここで満を持して信達が突撃したのである。
飛信隊の新兵達も騰軍同様に大いに発奮した。
しかし信達の第二波は
沛曇本陣の手前で足を止められる。
初日 実は羌瘣は沛曇の首を狙ったが
全く届かなかった。
この男 守備が異様に上手いのである。
そして休んでいた羌瘣隊が再び入って来た。
羌瘣と礼はあの将には第三波まで
必要であると考えていた。
羌瘣の狙いに気づいた信は
舌打ちしながらも
羌瘣隊を援護する方針に切り替え
敵陣を突破した羌瘣は
ついに沛曇の首を討ち取ることに成功。
それは軍師である貂のみならず
騰や洛亜完にとっても想定外のことだった。
羌瘣自ら沛曇を討ったことで
飛信隊の士気は再び絶頂となり
各所で沛曇軍を撃破した。
飛信隊はそこから洛亜完の本陣へと迫りだす。
一方それを見た騰は予定よりも早く
温存していた主力を第二波として打ち出し
眉景の軍を押し込んだ。
そこからは洛亜完軍も意地を見せ
飛信隊の勢いを切る程の抗戦を繰り広げ
半日大激戦となる。
しかし最後は騰軍が韓将眉景を討ち取り
眉景軍を貫いた騰軍と飛信隊の
挟撃を受ける形となった洛亜完には
それらを止める策も戦力も残されていなかった。
伝令の話を聞いた文官達は
ようやくここ新鄭に秦軍がくるのだと
本当の意味で理解したようで
取り乱す者が現れる。
王族と見られる者達も同様で
その責任は全て張宰相にあるとして
弾劾を始める者も。
そして追い詰められた状況の中
王族である太座伯は皆に告げる。
太座家は秦軍に囲まれる前に城を出るぞ。
魏の弁陽には話を通してある。
まだ旅団には少し空きがある故
共に来たい者はついて来るがよいと。
別の王族もまた楚に行くと言い出し
寧公主はま・・・待って下さいと声を上げる。
今は新鄭の韓の存亡の危機ではありませんか。
新鄭を・・・いや韓の民を守らねばならぬ
この時に自分達だけ助かろうとして・・・
はっ・・・恥ずかしくないのですかと。
そんな寧公主の声を
太座伯は黙れと一蹴する。
国家存亡の刻故
王家の我らは外へ出るのだ。
この状況で大王は新鄭を離れられぬ。
ならば韓王家の血脈を途絶えさせぬよう
万が一のために我らは外に生を繋ぐのが
当然・・・いや王家の責務と思うがこれいかに。
子供のような感情だけで
口を開く前に対局を見なされい寧姫と。
そしてもう一人の王族は
それに我らが外に折れば
秦と交渉する根回しも出来ると口にする。
新鄭が陥落間際となれば
結局和睦交渉に望みを繋ぐ以外なかろうがと。
その言葉を聞いた文官達から
その手があったかとばかりに
和睦について話し始める。
文官の一人は南陽から西半分をやると言えば
秦は喜んで軍を退げるはずだと声を上げるが
張は冷や水を浴びせる様に告げる。
何を夢見ておられるのか。
秦は韓を滅ぼすために戦争を始めたのだ。
和睦など通じるはずがない。
新鄭以外全てを献上すると伝えても
秦王は軍を退かぬわと。
そんな張の言葉が切っ掛けとなり
再び場は騒然となっていた。
有りもしない希望から
再び絶望を叩きつけられた文官達は
張に全ての責任があると言い出し
力づくで外に叩きだそうと動き出す。
誰も収拾できない状況の中
声を上げたのは寧公主だった。
いい加減にしなさい!
こんなことをしていたら
本当に韓は滅びますよ!
ここにいる人間達だけで
民を守らねばならぬのですよ。
一体あなた方は何のためにここにいて
何を言い争っているのですか。
今 重要なのは誰が脱出するかでも
誰が責任を取るかでもないでしょう。
迫る秦軍とこの城が一丸となって
どう戦い抜くかを皆で・・・
そう口にしたところで
予想だにしなかった急報が届く。
城内で一部暴動が起きております。
また各門の前にも住民達が集まり・・・
脱出させよと門兵と衝突が起こっていると!
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
前回のラストで洛亜完軍の大敗が知らされ
一体何が起こったのかと思ってましたが
蓋を開けてみれば羌瘣の無双回でしたね。
初日の戦いでは信程の戦功はなくても
敵を押しとどめていたんだろうなと思ってましたが
あの戦いで沛曇将軍の攻略法を練っていて
それがピタっとハマるとは大したものです。
もちろん第二戦ということで
初陣を越えた新兵達の奮戦も大きいとは思いますが
これ程までに早く圧勝できたのは
羌瘣の活躍が大きかったのではないかと。
ただまあ、羌瘣隊の面々が
隊長大好きなのはわかっていたものの
あれだけであそこまで士気が上がったことに
笑いは隠せませんでしたが。
羌瘣隊の狂ったような突撃に
録嗚未も爆笑していましたし。
ともあれそんな感じで
第二戦の詳しい情報が分かったわけですが
新鄭の混乱は最悪と言っていいでしょうね。
反乱とまではいいませんが
王族が新鄭を出ることで
徹底抗戦の意志は挫かれるのは
間違いないと思います。
太座伯はそれっぽいことを言っていましたが
結局自分が助かりたいだけと言われて
反論するのは難しいと思いますし。
まあ、結局開き直ってましたが。
それに文官達の混乱も酷い。
張宰相が主導した形で始まった戦ですが
敗戦の責任全てを被せようとは
醜いにもほどがあると思いますし。
極みつけは住民達が
脱出しようと門兵と争い始めたこと。
人の口に戸は立てられぬとはよく言ったもので
住民達にも大敗したのが伝わったんでしょうど
住民を統制できなければ徹底抗戦など
夢のまた夢だと思います。
なんていうか寧姫には可哀そうですが
皆がそれぞれ勝手な動きを見せるのは
ある程度分かっていたこと。
だからこそ騰は目的もありますが
何よりそうなることを想定した上で
寧姫に無血開城を勧めたんだろうなと。
正直言ってしまえば
寧姫は人というものを分かっておらず
言っていることは正しいものの
人の愚かさまでは理解できていないんだろうなと。
もちろん本当の意味で人が人を
理解することは不可能だと思いますが
ちょっと偉そうなことを言ってしまえば
寧姫は韓非子の弟子でもあるので
その辺りをもっと勉強した方がよかったのかも。
ともあれ新鄭で混乱が起きた以上
寧姫にとって決断の時は迫っているかと。
騰から言われたように民を守るために
無血開城の道を進むのか
それとも別の道を進むのかはわかりませんが
どんな選択をするのか楽しみです。
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