2025年9月3日発売の
週刊少年サンデー 2025年40号に掲載されている
葬送のフリーレン 第144話の
ネタバレ&感想になります。
第144話 予知夢
内容ネタバレ
今のところ魔導特務隊に動きはありません
というゼンゼの報告を受けゼーリエは
口元に笑みを浮かべながら語る。
漁夫の利を狙っているな。
あれだけの手練れを揃えておきながら
ここまで慎重だと最早臆病だなと。
ゼンゼはその臆病さが
帝国の魔法使いの恐ろしさですと言うが
ゼーリエはそういえばゼンゼは
魔導特務隊と戦うのは初めてじゃなかったなと。
ゼンゼはあのときは一級魔法使い3人が
殺されましたと言い
ゼーリエは口元から笑みを消す。
魔導特務隊隊長のフラーゼか。
・・・もう少し検証する時間が
あれば良かったんだがなと。
それが何を意味しているのか触れることなく
ゼンゼが皇帝陛下との御目通りは
叶うと思いますか?と話を変えると
ゼーリエは口元に笑みを浮かべる。
例えこちらが望まなくても勝手に来るだろうな。
あの男は用心深く抜け目のない合理主義者だが
それだけに対面の重要性を理解している。
恐らくこちらよりも
多くの従者を連れてくるだろうさと。
その言葉にゼンゼはお会いしたことが
あるんですか?と訊ねると
ゼーリエは予知夢の中で一度な。
だがその内容を話すつもりはないと。
ゼンゼからそれは何故?と訊ねるが
ゼーリエは口元から笑みを消し語る。
賭けにでたからだ。
勝とうが負けようが
お前は私を責めるだろうなと。
眠れないのか?という声を聞き
皇帝は呆れたように口を開く。
まったく、フラーゼは何を考えている。
このような侵入を許すとは。
そう言い目を向けると
そこには笑みを浮かべたゼーリエの姿が。
大陸魔法協会のゼーリエか。
どうせ明日の舞踏会で会うのだ。
急くような用もなかろう。
そう告げた皇帝に対し
ゼーリエが私にはもう時間がない。
話があると返す。
すると皇帝は歩きながらでもいいか。
考えごとがあると歩き出すと
ゼーリエは構わない。
水を差すような真似さえしなければなと
その後をついて歩き出す。
皇帝はそれは確約できんな。
余にその意思がなくとも
フラーゼが黙っていないだろうと話すが
ゼーリエがフラーゼは来ないと言ったことで
フラーゼを殺したのだと理解し口を開く。
だとしたら殺し方次第だな。
彼女にとっては死でさえ
時間稼ぎにしかならないと。
その言葉にゼーリエも同意し
口元に笑みを浮かべながら語る。
そのようだな。
こうして陛下と謁見する時間を
稼ぐので手一杯だったよ。
実に楽しい戦いだった。
それに聞かれたって構わんさ。
”ここ”ではなと。
その言葉を聞いた皇帝は
思い当たることがあるのか
まさか・・・と零すが
辿り着いた部屋で自分の考えが
正しかったことを理解する。
そうか。ここは夢の中なんだな。
だからこそ手荒な真似もできたというわけかと。
ゼーリエから何故わかる?と聞かれ
皇帝はテーブルの上にある
ランタンに触れ語る。
これは夢かどうか判別するための魔導具だ。
夢の中だとこうして色が変わる。
そして、黒ということは
これは余の夢ではないな。其方のかと。
そうだ。ここにいるお前は
私の見ている夢が作り上げた
登場人物の一人に過ぎない。
そう説明しつつゼーリエは
ランタンに目を向け笑みを浮かべる。
しかし懐かしいものだな。
何かと思えばフランメのくだらん収集品か。
予知夢でもそうなるんだなと。
その言葉を聞いた皇帝は口を開く。
予知夢・・・神話の時代の魔法、未来視の一種だな。
まさか実在するとはなと。
ゼーリエはそんな大したものじゃないとして
詳しく説明しようと口を開くが
説明する必要はないかと思い直し
未来視という認識で構わんと。
皇帝からではこの場での出会いは
実際に未来で起きるということか?と聞かれ
ゼーリエはバルコニーへと足を向けながら
数ある未来の一つだと語る。
私は今回そういう選択をした。
それだけのことだ。
だが無駄足だったようだな。
まさか夢の中の住人に気付かれるとは
こんな欠点もあるんだな。
これはもう未来の予測としての意味を成さない。
最後の機会だったのだが、残念だ。
そう言い、バルコニーから外に出ようとする
ゼーリエを皇帝は呼び止める。
もしよければ無駄足ついでに
余と何を話すつもりだったのか教えてくれぬか。
其方の言動はまるで試行錯誤を
続けているように見える。
これは何度目の選択だ?
この先の未来に何が起こる?と。
その言葉に足を止めたゼーリエから
それを知ってどうする?と言われた
皇帝はゼーリエの元へ向かい語る。
余の権限の及ばぬところで
大魔法使いゼーリエ暗殺計画が動いている。
正直その結末が最善の結果に繋がるとは思えん。
帝国の繁栄、いや、穏やかな衰退のためにも
それを止めたい。話し合おう。
互いに利があるはずだと。
それを聞いたゼーリエは
バルコニーの縁に腰掛けながら口を開く。
私がここでお前から情報を持ち帰れば
暗殺計画の阻止に繋がり
現実の帝国にも利があるということかと。
皇帝は悪くない話だろうとして
まずは其方の置かれている状況を
教えてくれと話すが
ゼーリエは逆に問いかける。
だから何故それを知る必要がある?
教えるのはそちらだ、陛下と。
皇帝は情報を渡すにしても
其方の状況がわからなければ――と口にするが
ゼーリエは違うな。それだけじゃないと口を挟む。
お前も情報を持ち帰ろうとしている。
とんだ食わせ者だ。自我があるな。
実際に私とお前の夢が繋がっていると。
その言葉を受け皇帝は語る。
余の身体には宮廷魔法の粋を集めた
精神防御機構が備えられている。
帝国千年の魔法技術の集大成だ。
その原理は最早術者である余にすら
理解の及ばぬ領域になっている。
恐らくこの状況もまた防御機構の一つなのだろう。
予知夢という仮想世界の”皇帝”が
余の知り得ぬところで勝手に情報を漏らせば
帝国の存亡に関わる。
きっと余は、其方に渡す情報を
選別するためにここにいるのだろうなと。
そんな帝国の秘匿情報と言える話を
聞いたゼーリエは随分と素直に
白状するじゃないかと口にするが
皇帝は余はこれでも皇帝だと語る。
この交渉が決裂すれば
帝国が滅ぶことくらいわかる。
だから――
そう口にしようとした瞬間
ゼーリエは口を開く。
いいだろう陛下、信じるに値する。
情報交換に応じようと。
そんなゼーリエの言葉に皇帝は
余はまだ説得の途中のつもりなのだがと話すが
ゼーリエは笑みを浮かべながら語る。
お前は暗殺計画が失敗に終わると考えている。
だからこうして守りに入った。
これは計画に関与している
人間の考え方じゃない。
あまりにも的外れな予想だからなと。
その言葉を受け皇帝は改めてゼーリエに訊ねる。
この先の未来に何が起こる?と。
その問いに対しゼーリエは
笑みを浮かべながら口を開く。
知らない。私はその前に死ぬからな。
誰にどうやって殺されたのか
その死後に何が起こるのか
結局私の視点ではわからなかった。
だがこうして陛下と会えたのは、僥倖だ。
現実世界じゃとてもじゃないが
邪魔立てなしに話せる機会などない。
これで私の師後の計画が立てられる。
馬鹿弟子どもはどの選択でも
私の死を前提とした計画は否定するからな。
ようやく建設的な話ができる。
陛下にとっても悪くない話だ。
帝国と大陸魔法協会
互いの利益を追及しようじゃないかと。
当ブログでは簡易的な
あらすじとしてありますので
より詳しく知りたい方は
本誌かコミックスでどうぞ!
感想
ゼーリエが自分が命を落とすことを
未来視で知っていたという
衝撃な情報が明らかになりましたね。
というか未来を見るということ自体は
こう言ったファンタジーもので
そう珍しくはないですが
ゼーリエも使えるとは驚きました。
皇帝の話では神話レベルの魔法とのことですが
南の勇者やシュラハトという前例もあったわけですし
ゼーリエが生来もっていたかはわかりませんが
そういった人物が使っていたのを見て
長い年月を経て使えるようになったのかも。
それにしてもゼーリエが命を落とすとは
一番可能性があるのはやっぱり影の戦士なんですかね?
首魁は大魔法使いを討った人物らしいですし
その可能性が高い気がします。
時点でフラーゼかなと。
ゼーリエが謁見する時間を稼ぐのが
手一杯というフラーゼですが
殺しても死なないというのは
一体どういうからくりがあるんでしょうね?
マハトもかなり警戒していたので
その強さがトップクラスなのは分かってましたが
このファンタジー世界においても
不死という存在が許されるとは思えませんし・・・
そう考えたところで思ったのは
もしそのからくりが魔法だった場合
ゼーリエはそれを使えないのかということ。
もしくは同じように死を回避する
魔法があるのかどうか。
まあ、自分の死を前提とした計画を
立てている以上、ないのかもしれませんが
あのゼーリエのことですから
そういった隠し玉があってもおかしくないかなと。
何にしても皇帝とゼーリエが組んだのは
大きな意味があると思いますので
ゼーリエがどんな計画を立てているのか楽しみです。
気になる続きについてですが
次号は休載で9/17発売の42号で掲載とのこと。
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